2023年11月04日

真打昇進決定!ここから猛ダッシュへ ガモール志學亭 立川らく兵 2023/09/16


トライアルで見事に真打昇進を勝ち取った立川らく兵さん。
ご挨拶がてら「ガモール志學亭」へ。

ここは大正大学と大正大学地域構想研究所の研究員でもある立川志らら師が共同運営するカフェで、志らら師が落語会を定期開催している。命名は野末陳平先生。

この日は特別企画で木戸銭無料、飲み物代だけでらく兵さんの高座を楽しんだ。
rakuhei


会場 : ガモール 志學亭

立川らく兵『茶の湯』
立川らく兵『目黒のさんま』

木戸銭無料(カフェのワンドリンク以上オーダー)


開演直前まで会場はふつうのカフェ。
普通にみんな対面座席でお茶していて、こんなんで落語になるのかなと危惧していたら、司会の大学生さんが仕切り始めたらさっと落語の客に変身。
唯一、小さなお子様連れの外国人はなにかを察知して退店。

とてもよく笑ういいお客さん。巣鴨に来て人生を楽しもうというお年寄りっていうのは、元気だ。
スタッフの学生も楽しそう。

●立川らく兵『茶の湯』

師匠ならびに家元・立川談志のエピソードを語るのは、立川流落語家の特権。
初対面の談志師に怖がられた話などで客席を沸かせたあとで「カフェにちなんだネタはないんですけ、どお茶ということで」と茶の湯に入ったのはちょっとびっくり。あんまり良い飲食をしない落語だぞ。大丈夫かな。と思ったんだけど全くの杞憂。

とにかくテンポの良いキレイの良い、あと独自な仕草と独自なフレーズがポンポンポンポン繋がってくると、細かいことは、もうどうでもよくなって来て大笑い。
らく兵さんの方は細かいところをしっかり作り込んでいて、いくつかのシーンをばっさりカット。適切。

お陰で相当にスピーディーでスリル感もあり、しかも古典落語としての味わいノスタルジックな味わいもちゃんとある。これが「らく兵さんらしさ」なのかな。

●立川らく兵『目黒のさんま』

高座から見える時計がなくて「いま何時くらいですか」との声に反応して、テーブルにおいてあった時計が表示されるデジタル端末をらく兵さんに見せたのは、僕の手柄です。えっへん。

定番の殿様小噺を振って季節ということで目黒のさんま。面白かったー。

出色だったのは「殿様がいつも食べている、不味そうな鯛」。
これをね、仕草でやるんですよ。どんな仕草なのかは是非観ていただきたい。たしかに不味そうなんだ。2回目やるとまたおかしい。ちょっと変えてるし。

瀧川鯉昇師『千早ふる』の「傾いたパオ」に匹敵する、というかほぼ同じ型なのがまたおかしい。いずれにしても見事な発明だ。

かけっこのシーン、さんま食べるシーン。ひとつひとつで立ち止まってがっつり笑いを取ることより、リズムとメロディで客を先へ先へと連れて行き、グルーヴの中で笑いが生まれる。
いいね。

破門に亭号剥奪、周りにここまで心配かけた人も珍しい。
でもらく兵さんは愛されてきた。仲間にも、そして師匠にも。

真打昇進決定おめでとうございます。

昇進披露がいつになるのかよくわからないしけど、二ツ目が一番芸を伸ばすのは昇進決まった直後のあたりだと言う人は多い。僕も何度も見てきた。

らく兵さんも、きっと猛ダッシュを見せるはず。

いままさに「一番面白い時期」に差し掛かっているらく兵さん。 聴きどきですよ。

m_shike at 18:30コメント(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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