2023年09月28日
『ちきり伊勢屋』を連続で 第413回圓橘の会 2023/08/26
今回から三回連続で『ちきり伊勢屋』。連続ものにするというのがいいですね。
会場 : 深川東京モダン館
三遊亭萬丸『位牌屋』
三遊亭圓橘『夏の医者』
仲入り
三遊亭圓橘『ちきり伊勢屋 その一 白井左近』
木戸銭2,500円(予約)
●三遊亭萬丸『位牌屋』
おっと、やや珍しめのネタ。当代の文治師で聴いたことあったかな。なかなかに難しい噺だと思います。
吝嗇なオウム返し。そのオウム返しがけっこう微妙。八百屋からタバコを巻き上げる型で位牌屋に相対する。そのむちゃが面白いんだけど、演じる方はなかなか大変。
これを萬丸さんがなかなかに上手くまとめ上げた。
教えた圓橘師によると萬丸さん独自のクスグリも入っているそうで、相変わらず非常にいいチャレンジをしているなと。
合っている噺だと思うので、さらに磨き上げてほしい。
教えた圓橘師によると萬丸さん独自のクスグリも入っているそうで、相変わらず非常にいいチャレンジをしているなと。
合っている噺だと思うので、さらに磨き上げてほしい。
●三遊亭圓橘『夏の医者』
六代目三遊亭圓生師の数ある滑稽噺の中でもこれが一番好きだという圓橘師。ある種のトリビュートなのかもしれない高座。まあ、夏でしたね。
田舎言葉の台詞はもちろん、地語りすらも夏。それも、いまの日本の夏じゃない。いまや遠い遠い思い出になりつある、呑気な夏。語り口のリズムでそんな夏を描いて見せる圓橘師の凄さ。
呑気な情景を描きつつ、筋としてはけっこうSFっぽいのがまた楽しい。
ウワバミに飲み込まれても余裕綽々な田舎医者がねえ、もう、いいんだ。あのセリフを聞いているだけで幸せになってしまう。そんな噺じゃないってば。
ヘロヘロになって可哀想なウワバミにも可愛らしさを感じてしまう。
で、下げたあとに、圓生師によるこの録音の後に挿入されていた送り囃子
「郭巨の釜掘り」を演っていただくという特典付きだった。
「郭巨の釜掘り」は明治珍芸四天王のひとり、四代目・立川談志が人気を博した演目。「テケレッツのパッ」というやつですね。これはなかなかに貴重でした。
※珍芸四天王…「ステテコの圓遊」(初代三遊亭圓遊)・「ヘラヘラの萬橘」(初代三遊亭萬橘)・「ラッパの圓太郎」(四代目橘家圓太郎)・「釜堀りの談志」(四代目立川談志)
仲入り
●三遊亭圓橘『ちきり伊勢屋 その一 白井左近』
個人的にとても好きな噺。とにかく長い。笑いどころはそこそこあるけどそんなに多いわけでもない。
でもねえ、いいんですよ。
でも長いので、上下に切ったりすることが多いらしい。
圓橘師は上中下の3つに分けて3ヶ月連続にするという。これはもうすでに楽しい。
たた上中下にすると、この上はそんなに面白くない。オープニングにして発端にして仕込みだから。そんなに面白くない。
でもねえ、いいんですよ。
でも長いので、上下に切ったりすることが多いらしい。
圓橘師は上中下の3つに分けて3ヶ月連続にするという。これはもうすでに楽しい。
たた上中下にすると、この上はそんなに面白くない。オープニングにして発端にして仕込みだから。そんなに面白くない。
と思ったんだけど圓橘師が掛けるとやっばり面白いのですよ。
占い師。白井左近の人物がとにかくいい。「江戸中で評判にになりお屋敷に住み弟子がいる占い師」なんて他でみたことないんだけど、圓橘師が演じるとなんだか身近に感じてしまう。お屋敷の間取りまで見えるようだ。
その左近に「来年2月に死ぬ」って言われる。上の内容はほぼこれだけ。なのに十分楽しい。落語凄い。圓橘師凄い。
でも本格的に楽しいのはこれからですよ。
第414回圓橘の会9/30 15時〜 深川東京モダン館
ぜひ。