2023年06月14日

真打への階段 鉢山落語 三遊亭わん丈 2023/06/03


前から一度は行ってみたかった鉢山落語。コロナで外出できないときに配信でお世話になりました。ありがたかったな。
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会場 : 鉢山落語の会場(渋谷)

三遊亭わん丈『穴子でからぬけ』
三遊亭わん丈『ぼんぼん』
三遊亭わん丈『松山鏡』

仲入り

三遊亭わん丈『ねずみ』

木戸銭3,500円


ちょっと喉が疲れ気味かもしれないけど、それでもいつものわん丈さん。出の笑顔だけで満たされる。

●三遊亭わん丈『穴子でからぬけ』

急遽決まった抜擢昇進のせいで大変な目にあっているわん丈さん。
その「大変な目」もちゃんと笑いに変えて客を喜ばせるところが、やはり抜擢の実力。

でも「昇進のための大変な日々」のなかで、改めて落語の魅力に気がつく、落語っていいなと思う、というわん丈さんの言葉は重い。

真打昇進が決まった途端に芸がグーンと伸びた人を僕はもう何人も知ってるけど、なるほどそういうからくりなのかもしれない。様々な面倒事でめげることがあったとき、心の支えになるのは「高座に没頭すること」なんだと。

どんな優秀な二ツ目でも、昇進準備の過程では必ずしくじる、失敗する。そして落語は失敗のカタログだから。改めて心に染み入ってくるのだろう。

で、三遊亭でよく掛かる前座噺へ。
この人ならではの明るさと軽さがいい感じに与太郎に乗っかってきて、ツッコミには独自のフレーズも入って楽しい一席。

●三遊亭わん丈『ぼんぼん』

先日しくじって辞任された某首相の息子の話からの連想で、この噺へ。
新作を作り始めた頃に作った噺だというのによくできている。ガンプラのまくらも最初から作っていたらしい。金持ちのボンボンが、いろいろあって新幹線グリーン車のなかで犬になる。「わんわん」としか言えなくなるあたりが『唖の釣り』みたいな感じで面白い。

●三遊亭わん丈『松山鏡』

なんとネタ卸しの後の2回目だったそうで、これはお見事。
田舎の言葉をどれだけ田舎っぽくやるかっていうところの加減にかかっているこの噺。
「田舎」を強めに出してもわん丈さんの爽やかさが中和して、ベタッとした感じにならないのがいい。たぶんそこには、わん丈さんの細心の注意があるのだと思う。全ては細部のバランス。

仲入り


●三遊亭わん丈『ねずみ』

生駒屋のキャラがやたら面白いなと思ったらやっぱり三遊亭兼好師からだそうで。
でも、そのまま継承したのではなく「君なら……したほうがいいよ」とアドバイスされたと。さすがの兼好師である。
相変わらず左甚五郎は噺によっても演者によっても、全然キャラが違うのが面白い。わん丈さんの甚五郎は柔和で、余裕と茶目っ気がいい。ちらっとでてくる政五郎がまたいいんだ。

それにしてもわん丈さんに似合う噺だなあと。


少人数でじっくりとわん丈さん4席を楽しむ。贅沢な会でした。木戸銭もちょっとお高めなんですがその価値はあるし、ちゃんと客が呼べているのが凄い。羨ましいなあ。

真打への階段を登り始めたわん丈さんを聴くのにはちょうどいい企画だった。
さて、次はどこで聴かせてもらおうかな。

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m_shike at 21:30コメント(1)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント一覧

3. Posted by 銀次   2023年06月15日 09:43
5 🎉おめでとうございます❣❣❣🎊

これからもスキルを磨き…さらなる飛躍を❣❣❣

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