『シェアする落語』次回は7/7です。

2023年05月14日

過剰に暴れるゴールデンウイーク 桂春蝶独演会 2023/05/04


初めての梶原いろは亭。 久しぶりの桂春蝶師匠。
昨年まで亀戸梅屋敷で開催されていたこのシリーズ、今年はこちらで。
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会場 : 梶原いろは亭

三遊亭鳳月『一目上がり』
桂春蝶『二階ぞめき』
桂春蝶・三遊亭鳳月・三遊亭楽花山 トーク

仲入り

桂春蝶『明烏』

木戸銭3,000円(予約)


●三遊亭鳳月『一目上がり』

毎年この会では開口一番は鳳月さん。
春蝶師に気に要られてるんだろうなあ。

しっかりうまくなっているとは思うけど、なんというか手堅い感じが。
この感じがあとのトークに繋がったり。

●桂春蝶『二階ぞめき』

小学6年生の息子と寿限無について論じ合うまくらから、なんというか仕掛ける気で満々。

正岡容によると、元々上方のネタなのに上方で誰もやらなくなっちゃったので、 すっかり江戸のネタみたいになってしまったので、改めて上方落語に仕立て直したい……なんていっていたけど、まあこれはわりとどうでもいい話で。

この日のテーマは「過激なまでに過剰」だったと思う。

『二階ぞめき』は「廓好きの若旦那のために二階に廓をつくる」というとんでもない噺だが、春蝶師はなんと廓のなかに、さらにもう一つ建造物をつくってしまう。これはもはや「何もない部屋にいろんなものを作ってしまう」『だくだく』の世界だ。

二階ぞめきのなかにだくだく。落語自体が虚構なので、三重の虚構空間。

過剰でしょ。演出もまた過剰で、妄想の暴走スピードがものすごい。痛快な疾走感。
落語でしかできないことを実現させている点において、めちゃくちゃ楽しかった。僕は。

●桂春蝶・三遊亭鳳月・三遊亭楽花山 トーク

春蝶師がちょこちょこつつくと、鳳月さんが口を滑らせて、春蝶師に失礼なことを言うという、というコントは前にも見たかな。笑いました。

鳳月さんは自分で自分のこと考えすぎてるのが面白い。客に受けるとか、コンテストに挑むとか、評価を他者に預けちゃえばいいのにとも思うけど、まあ芸人なんで好きに生きて欲しい。

仲入り


●桂春蝶『明烏』

春蝶師の「過激に過剰」は二席目も炸裂し続ける。今度は明烏。
何が受けたって時次郎の読んでる本ですよ。これがさ、太宰治なのよ。しかも朗読したりする。
あと、廓の中に怪獣みたいな女性キャラがいて、これがまたおっかしい。
エロさももちろん過剰。でもベタッとはしない。ちゃんと落語の軽さの中でエロい。
なにより過剰な仕掛け、過剰な演出を、春蝶師が思いっきり楽しみながらやってるのがいい。

『ニライカナイで逢いましょう〜ひめゆり学徒隊秘抄録〜』のようなヒューマニズムに貫かれた作品を手掛けつつ、こんなことができちゃう春蝶師はやっばり「本物」だなあとつくづく唸らされた。

おもろいです。

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m_shike at 12:30コメント(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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