2023年04月22日
満を持して襲名のめでたさ 五代目江戸家猫八襲名披露興行 2023/04/02
三代目も、四代目も知ってます。でも当代が一番好きです。
五代目襲名、めでたい、本当にめでたい。

会場 : 新宿末廣亭
柳亭左ん坊『浮世根問』
金原亭杏寿『小粒』
ニックス 漫才
柳家一九『都々逸親子』
三遊亭歌武蔵『支度部屋外伝』
鏡味仙志郎・仙成 太神楽
古今亭文菊『長短』
柳家喬太郎『親子酒』
立花家橘之助 浮世節 踊り
柳亭市馬『のめる』
仲入り
喬太郎(司会)・菊之丞・橘之助・猫八・正楽・扇遊・市馬 口上
橘家圓太郎『強情灸』
古今亭菊之丞『河豚鍋』
林家正楽 紙切り
入船亭扇遊『狸賽』
江戸家猫八 動物ものまね
木戸銭3000円+手数料(前売)
●柳亭左ん坊『浮世根問』
いい感じに前座。●金原亭杏寿『小粒』
初めて聴いた、うん、まだまだこれからの人。頑張ってる。●ニックス 漫才
なんと前日に両国寄席で見たので2日連続ニックス。でも面白い。末広亭の舞台がなにげに似合う。大きく華やかなお二人なので、両国亭はちょっと小さいんだよね。
●柳家一九『都々逸親子』
この日はほんとみなさんまくらが短くて、それでもスッと入る、それも得意ネタに入るあたりが格好いい。そういう流れを作ったのは一九師。このネタはいろんな型があるなあ。面白かったです。
●三遊亭歌武蔵『支度部屋外伝』
支度部屋というより北の富士外伝。テレビで相撲見ているだけでなんでこんな面白い漫談が作れるのか。木造が揺れる大爆笑。●鏡味仙志郎・仙成 太神楽
今日はふたりともバッチリ。ショートバージョン五階茶碗がお見事。●古今亭文菊『長短』
春風亭一之輔師の代演であることをうまく自虐ネタにさらっとまくらから噺へ。いつもながらのクラシカルな雰囲気がたまらない。もうほんとお上手。長・短ともに江戸っ子の雰囲気がいい。●柳家喬太郎『親子酒』
膝を傷められているということで釈台の後ろであぐらかいての高座は、やりにくいと思うけど、まあ期待以上にパワフル!相変わらず虚構と現実を自由に行ったり来たりするのがお見事。「デイリーヤマザキ」というギャグにも爆笑。サゲも最高。
●立花家橘之助 浮世節 踊り
安定の三味線漫談も尺短めでサラッと。艶やかな踊りはずっと変わらぬ寄席の華。●柳亭市馬『のめる』
会長、あのまくらはコンプライアンス的にアウトだと思います。でも都家かつ江師の名前が出るのはいいこと。噺はもう絶品。これくらいの尺でふわっと掛ける絶妙の滑稽噺こそ、会長のとてつもない力量が楽しめるのかも。
仲入り
●喬太郎(司会)・菊之丞・橘之助・猫八・正楽・扇遊・市馬 口上
喬太郎師の前に釈台「えー、大喜利ではございません」で爆笑。なんといっても橘之助師、正楽師が並んでいるのが感慨深い。猫八先生たっての希望で実現したとのこと。
真面目で芸熱心で人柄が良い猫八先生にはいじりどころが少なく、皆さんストレートに思いを込めた暖かな言葉が並ぶ「大谷翔平のように世界にも挑戦してほしい」と仰ったのはどなただったか。
喬太郎師のあまりの名司会ぶりを「司会は喬太郎に限ります。クサい!」とばっさり切った市馬会長。
●橘家圓太郎『強情灸』
ここでもまくらサラッと、得意ネタでじっくり。もう、圓太郎師にぴったりなんだもの、このネタ。●古今亭菊之丞『河豚鍋』
「初めてもんじゃ焼きを食べた日付を覚えている」なんてまくらをさり気なく振って、これまたキレッキレの河豚鍋。すんばらしい。●林家正楽 紙切り
もうとっとと人間国宝になっていただきたい。見事すぎる。この名人芸をしっかり支える下座さんがまた素晴らしい。●入船亭扇遊『狸賽』
ヒザが落語、新鮮。この流れだと扇遊師もとっておきを出してくれる。こんな軽い噺でしっかり輝いて、トリにつなげる。これぞ寄席芸。●江戸家猫八 動物ものまね
和装で登場。座布団で座ってやりにくくないのかと心配したのは失礼であった。見事なまでの動物物真似芸。その技術と構成の妙においてほぼ完成していると言えるのではないか。それでもこの貪欲で勉強熱心な五代目猫八は、更に進化したいと、芸を磨いてを高めていこうという恐ろしいほどの高い志を抱いている。その姿勢がまた客にとって魅力的なのである。
それにしても落語『つる』についての真実、あの衝撃ったらないね。
文句なし、満を持しての襲名を、ベテランを中心にしたチームプレーでもり立てる。
その「チームプレー」とは「短い時間で自分の芸の一番いいところを見せて、さっと降りる」高座なのだ。
めでたさの中に寄席の魅力がギュッと凝縮された一夜だった。














