2023年04月02日
これぞ落語! と ジブリな連続物 第408回圓橘の会 2023/03/27
●三遊亭萬丸『長屋の花見』
少しずつ確実に進化していく萬丸さん。ふわりと流れるような語り口はこの噺にぴったり。独自のギャグがまた鋭くて大笑い。ちょっと師匠の三遊亭萬橘師みたいな雰囲気があった。
●三遊亭圓橘『包丁』
萬丸さんを褒めたあとこの噺にまつわるエピソードを軽くまくらに。噺の方はまあ、もう、何も言うことがないですよね。
これぞ落語です。
粋も強欲も間抜けも色気も全部、全部が、ものの見事に織り込まれている。
小唄『八重一重』唄いながら触ろうとして殴られる虎の間抜けさにうっすらと漂う悲しさ。
さっきまでダボハゼ扱いしていた虎にいきなりプロポーズする女の強かさと、あざとさ。
全てが軽く流麗でありながら重層的、厚みが凄い。
そして全てがあのサゲに収斂される。久次の「軽い諦観」がまた素晴らしい。
僕にとってのベストの落語。
●仲入り
●三遊亭圓橘『旗本の娘 おきよ その2』
見事な古典のあとに、今度は野心的な新作それも連続物。江戸を舞台に、子どもと動物が交流しながらの大活躍という展開は他で聞いたことがない新鮮さ。まるでジブリではないですか。
空飛ぶ鳥の視点を入れることで「上空から描写した江戸」もまた素敵。
しかし、この先どんな展開が待ち受けているのか全然わからない。これぞ連続物の楽しみ。
ということで今回も充実の会でございました。
次回は4/22 「高田の馬場」「淀五郎」ですよ。


