2023年02月18日
『終わりなき不在』佐川 恭一 (ネコノス文庫)
なかなかに楽しんで、一気読みしてしまいました。
最初のほうは、自分は作家として天才であると信じる馬鹿な若者の「一人称で自意識むき出し」のポップな展開で、うーん、面白いのは面白いけと、この先ついていけるかなあと思っていたが、2章に入ると今度は一人称が元カノに移り、3章はさらに意外な展開に。
全5章の仕立てが全部違うのは芥川の『藪の中』みたい(ほんとはちょっと違うけど)。
登場人物はたぶんみんな20代で、自分を過大評価したり過小評価したり、恋人と自分の関係を勘違いしたり、とにかく思い込みに忙しい。と言うか思い込みしか、妄想しか、迷走しかしていない。
その思い込みこそが作家活動にという創作につながるというのがまたややこしく楽しい。読んでるこちらは50代も半ばなので過去の自分の愚かさを思い出しつつ、それでもどこか羨ましい気持ちもあったりして。
そして20代の終わりととも唐突に訪れる悲劇は、幸せに生き残った者にも、生き残れなかった者の「不在」を突きつける。このラストの余韻がいい。
複雑に組み立てられた物語から解放されたかのような快感がある。
もともとは2012年に出版されたこの作家のデビュー作で、絶版になっていたものが文庫化されたとのこと。他の作品も読んでみたくなった。
ご興味あれば、ぜひ。

最初のほうは、自分は作家として天才であると信じる馬鹿な若者の「一人称で自意識むき出し」のポップな展開で、うーん、面白いのは面白いけと、この先ついていけるかなあと思っていたが、2章に入ると今度は一人称が元カノに移り、3章はさらに意外な展開に。
全5章の仕立てが全部違うのは芥川の『藪の中』みたい(ほんとはちょっと違うけど)。
登場人物はたぶんみんな20代で、自分を過大評価したり過小評価したり、恋人と自分の関係を勘違いしたり、とにかく思い込みに忙しい。と言うか思い込みしか、妄想しか、迷走しかしていない。
その思い込みこそが作家活動にという創作につながるというのがまたややこしく楽しい。読んでるこちらは50代も半ばなので過去の自分の愚かさを思い出しつつ、それでもどこか羨ましい気持ちもあったりして。
そして20代の終わりととも唐突に訪れる悲劇は、幸せに生き残った者にも、生き残れなかった者の「不在」を突きつける。このラストの余韻がいい。
複雑に組み立てられた物語から解放されたかのような快感がある。
もともとは2012年に出版されたこの作家のデビュー作で、絶版になっていたものが文庫化されたとのこと。他の作品も読んでみたくなった。
ご興味あれば、ぜひ。









