2023年02月05日
新機軸と冬の古典 集まれ!信楽村 2023/01/25 #柳亭信楽
こちらも、できる限り毎月行きたい会なのです。
今回は来場者数過去最高だったそうですよ。そのうちこの会場も手狭になっちゃうのでしょうか。
会場 : ばばん場
柳亭信楽『六尺棒』
柳亭信楽『市長室』
仲入り
柳亭信楽『二番煎じ』
木戸銭1,500円(予約)
●柳亭信楽『六尺棒』
まくらはほぼ「ある件」についての愚痴。いくら愚痴っても悪口言ってもチャーミングなのが信楽さん。やはり明るいサービス精神があるから、ベタッとしない。この日は古典落語2席に新作1席。古典はどちらもしっかり冬の噺。で、1席目は六尺棒。
若旦那のキャラはもう完全に信楽さん向き。
親父のほうも、息子の言葉へのツッコミの入れ方がお上手。冬の寒さもしっかりきれいに出ていたし、ラストの追いかけっこの描写もなかなかに良い。
このネタ、三遊亭小遊三師匠に教わったと。小遊座師匠は談志師匠にお願いして教わったんですよね。このあたり、大衆芸能でありながら、伝統芸能である落語の良いところ。
●柳亭信楽『市長室』
「いきなり出落ちのように面白くて、その面白さが最後まで続く」信楽さんの新作。今回はちょっとパターンを変えてきた。それもあって、結構緊張してたけどネタのほうはめちゃくちゃ面白かった!名誉市民に選ばれた金メダリストの男子フィギュアスケーターが、市長室を表敬訪問する。そこから始まるドタバタという趣向。
「開かれた密室」というしっかりしたシチュエーションのなかで、話が強烈にドライブするパワーのある作品。実際に起きた事件や社会風刺的な要素もさり気なく取り込んで、ゴロゴロゴロゴロ転がっていくっていうのがま見事でしたね。
ネタおろしなんで、ちょっとリズムずれたところがあったけど、整ってくるとね、もう余計おかしくなると思う。ほんとにこの人の新作は外れがない。
●仲入り
●柳亭信楽『二番煎じ』
噺に入る前に日記の朗読。相変わらずのチャーミングな愚痴。トリネタ古典は冬の名作。こちらがもう、お見事で。
もうね、ちゃんと寒いのですよ。台詞と仕草できちんと寒さを伝えられている。さらに寒い中で夜回りするメンバーのキャラがしっかりと出ていて、唄や謡もちゃんと笑いを誘う。
この「キャラの可笑しさ」がしっかりと鍋のシーンにつながているので、黒川先生も宗助さんもみんなわちゃわちゃして、わかりやすく楽しい。誰にでも薦められる楽しい古典落語。
たぶん信楽さんはこういう古典落語をやりたかったんじゃないかな。
コントをやっていたこともあり、面白い新作が作れちゃうので、そっちが先に注目されている。僕もそうだった。
だけどこの見事な『二番煎じ』を聴いていると、古典に対する並々ならぬ意欲が感じられる。
なんて話は、今度この会で聞いてみますよ。
シェアする落語 : 【ご予約受付開始!!】シェアする落語 第31回 柳亭信楽 2023/03/11
いまなら、まだちょっとお席あります。
今のうちにご予約を是非に。