2022年12月25日
確かな腕を持っている 第19回 キコウのラクゴ #笑福亭希光 2022/12/12
こちらお伺いするのは2回め。芸協カデンツァのメンバーとして、神田伯山ティービィーのカメラマンとして大活躍の笑福亭希光さん。

会場 : フリースペース無何有
笑福亭希光『河豚鍋』
笑福亭希光『茶屋迎い』
笑福亭希光『はてなの茶碗』
笑福亭希光『笑福亭希光の世界ニュースで毎日謎かけ!Vl.790公開収録』
木戸銭2,000円
●笑福亭希光『河豚鍋』
まくらは希光さんのRadiotalk番組『笑福亭希光の世界ニュースで毎日謎かけ! 』でも出ていた電車の乗り継ぎの話。改めて生で聽いても面白い。ネタは上方落語冬の定番。これがねえ、最高でしたね。
酌の手付き、鍋のフハフハ。軽快な台詞回しのなかで披露される仕草の確かさ。強烈なリアリティ。小さな会場だげじっくりと堪能させていただいた。うまそうなのよ。冷めた河豚を食うおこもさんがむしろ馬鹿なんじゃないかと思うくらい。
●笑福亭希光『茶屋迎い』
「師匠・鶴光に教えてくれとお願いしたら、しらんと言われた」。前半はなんか『木乃伊取り』みたいな感じで、店の者が茶屋に一人ずつ吸い取られるのだが、親父が動いたところでこれが東京における『不孝者』だと気がつく。けっこう難しい噺だと思うのだが、旦那の人物造形と場面転換の上手さで聴き応えを感じさせてくれる。旦那と元カノとのしっとりとした場面が実にいい。上質な大人の落語だ。
本当はハメモノが入り、歌を聴かせるらしい。そっちも聽いてみたくなった。
●笑福亭希光『はてなの茶碗』
こちらも上方の大ネタ。まず大阪出身の油屋がいい。なんとなく江戸っ子っぽい生きの良さとオッチョコチョイが楽しい。茶金もよくできているけど、これはもう少し年齢が行くともっと似合いそう。
また時間をおいて、改めて聞かせていただきたい噺。
●笑福亭希光『笑福亭希光の世界ニュースで毎日謎かけ!Vl.790公開収録』
毎日配信ですでに放送800回を超えた人気番組。公開録音は二回目だそうで。僕も毎日聴かせていただいているので、なるほどこうやって収録しているのか。スマホにマイクとかつけてないんですね。落語家としての近況報告を交えつつ、米国の雇用統計とかCPIなんかもよくネタにしてくれるので、僕にとっては、もはや欠かせぬ情報源となっている。
前回お伺いしたときも思ったことだが、希光さんはとにかく腕があるし、華もある。ふつうに地上波のレギュラーやれそうなタレント性も感じられる(これは神田伯山先生も言っていた)。配信を始めとしたIT活用も自身でこなしているし、プロデューサー的な視点もしっかりお持ちである。
今回は古典三席だったので特にその技術を至近距離で堪能させてもらえた。漫才→吉本新喜劇とキャリアをしっかり積み重ねた上での落語家転身・笑福亭鶴光に入門というキャリアは伊達ではない。
2018年には前橋若手落語家選手権で優勝。独演会の集客も好調で、さあこれからというところでコロナ感染拡大に思い切り足を取られたんだと思う。
しかし、再び上昇気流に乗るまで、そんなに時間はかからないのではないか。となると、こんな至近距離で希光さんの腕を堪能できる機会はなくなってしまうかもしれない。
なので、今のうちに、ここ新宿無可有の会には行っておいたほうがいいかもね。
詳細については希光さんのLINEをフォローしておくと良いんじゃないかと思います。
おすすめします。ぜひ。