2022年09月10日
怪談のあとに 第402回圓橘の会 2022/06/26
●三遊亭萬丸『長短』
長がとにかくいい感じ。ギリギリまで我慢する間と仕草が実にいい。一方で短はちょっともたつき気味。難しいですね。型はかなり違いますが、先日お亡くなりになった三遊亭金翁師の得意ネタでしたね。長が上方の。
●三遊亭圓橘『山崎屋』
例によってネタ出し。個人的には長い割にそんなに面白くないと思ってて、『よかちょろ』のほうが好きなんだけど、さすが圓橘師、ガッツリ笑わせていただいた。さりげない仕込みのまくらから、番頭と若旦那のやりとりは番頭の表情の変化が楽しい。旦那の吝嗇っぷりも滑稽味豊かで「あーこういう人、いるいる!」と説得力が凄い。
取ってつけたようなオチもまくらの仕込みとスムースに接続して、すっきりと。
好きでない噺でも楽しませてくれる。これもまた名人芸。
仲入り
●三遊亭圓橘『木曽の旅人』(作:岡本綺堂)
圓橘師が好んで取り上げる岡本綺堂作品。まず、導入部の語りを圓橘師自らの録音で流したあとに高座に上がられた。
はっきり言って、そんなに面白い筋ではない(ここで読める)。
面白く聴いてしまったのは圓橘師の語り口によるもの。囲炉裏を囲んで見知らぬ旅人と対峙し、理由もなくひたすら怖がって近寄らない子供。深々と拭ける夜。この緊張感。この描写力。
なんとも言えぬ満足感をいただきました。
「トリネタが怪談噺のときには踊りを入れたりする。私は踊れませんので」とここで客席から園尾隆司先生登場。『山崎屋』の背景として、江戸時代の司法制度は判例主義であったこと、番頭の横領は相当にやばいものだったこと。有名な「十両盗めば首が飛ぶ」について、などなど。
知的好奇心がぐっと満たされました。

次回はこちら。

江島屋です。怖い怖い。








