2022年08月21日

今年もまた『一回こっくり』に涙 第242回立川談四楼独演会 22/08/15


ほぼ毎年足を運んでいる、8月15日の独演会。
なんというか、いつにも増して盛りだくさんでした。
242回立川談四楼独演会
会場 : 北澤八幡神社参集殿

立川のの一『子ほめ』
立川半四楼『孝行糖』
立川縄四楼『初音の鼓』
立川談四楼『たがや』

仲入り

アップダウン 原爆体験伝承漫才
立川談四楼『たがや』

木戸銭2,000円(会員価格)


●立川のの一『子ほめ』

なんだこれは!すごい前座が登場。
淀むことないメロディアスな唄い調子でしっかり笑いを稼いでいく。

立川志ら乃師のところに弟子入し、楽屋入りが今年の4月だって。信じられない。
ちょっと目が離せないなこれは。

●立川半四楼『孝行糖』

まだちょっと噺が身体に入っていないのか、後半つっかえ気味だったけど、なかなか良かった。
ご自身に向いてるネタをちゃんと持ってくるのがいい。

●立川縄四楼『初音の鼓』

このネタを選んで、ちょっと現代的なテイストを入れていたのはいい試みだと思う。
リズムはなめらかで良かった。

ただ殿様が全然それらしく見えないのと、声がやはりちょっと小さいかな。

●立川談四楼『たがや』

この会で掛けるのはなんと24年ぶりだと。

地噺はやはり実力が出る。ベテランならではの技術で地語りと台詞を自在に動き回り、どっちでもガンガン笑いをとっていく。

「群衆の無責任」が見事に描かれ、サゲは立川流の型。

仲入り



●アップダウン 原爆体験伝承漫才

僕は全く知らなかったけどすでに大人気のコンビで、M-1やキングオブコントの準決勝に何回も進出している。
実際、漫才はめちゃくちゃ上手い。今どきのお笑いっぽいトンガリすぎた感じがなく、幅広い客層から笑いを取るタイプ。

でも「原爆体験」を漫才でどうするんだろうと思っていたら。構成が見事。

最初は漫才でガンガン笑いを取ったあと、「二人芝居」になだれ込んでシリアスな現代劇を二人で演じきる。
無数の悲劇を生み出した原爆被害のなかから「あるテーマ」にフォーカスし、短い時間でしっかりとメッセージを表現する。すごい。
この日は小倉まこさん(遠峰あこのバンドのピアニスト)がキーボードで参加し、重層的な演劇空間を生み出していた。

さらにボケの竹森さんによる歌が入る。この方はシンガーソングライターでもあり岩崎宏美に曲提供している実力者なんだと。たしかに上手い。
最後にちゃんと漫才に戻して軽く笑わせてぴったり30分。

漫才は「とにかく効率的に笑いだけを取ればいい」と思っていた。
そんな僕の固定観念をものの見事にぶっ壊したすごいパフォーマンス。

できるだけ多くの人に観て欲しい。特に若い人にはぜひ。

「落語もできる小説家」とは談四楼師がよく使うキャッチフレーズだが、彼らは「漫才もできる役者でシンガーソングライター」だ。
ちなみにツッコミの阿部さんは「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で優勝したことがあるという。その多才さに舌を巻く。


●立川談四楼『一回こっくり』

言わずとしれた談四楼師自作の傑作新作落語であるが、そのリライトはもはや「夏のライフワーク」となっている。

初めて聴いたのが2011年のこの会で、2015年に大きなバージョンアップがあり、その後も聴くたびに少しずつ改訂がされている。
2020年は8月の会がなかったので6月に掛けたとのこと。これは聴けなかった。

今回は固有名詞に若干の変更があり、他にもいくつか推敲がなされていたような気がする。
「人物が勝手に喋りだした」という感じではなく、作者がしっかりと練り直して、よいものがさらによいものになっている感じ。
最後の方で「いい話」を持ってくるおばさんが好きなんですよ。今年も良かった。

オリジナルはこちらで読めます。

 というわけで、この会が終わると、もうすぐ夏が終わる。
僕は今のところ、そんなふうに歳を重ねている。

公式サイトに写真が出ています


242回立川談四楼独演会
242回立川談四楼独演会
242回立川談四楼独演会
242回立川談四楼独演会

恋文横丁八祥亭
会場で購入。こちらもさすがの名人芸でした。

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北澤八幡神社の昼と夜。




m_shike at 21:30コメント(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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