2022年06月25日
四人四様に飛躍する ちょちょら組 #13 2022/06/18 #落語
久しぶりに「アイドルグループ」の落語会に。
ま「アイドル」というコンセプトはなんかどっかに行っちゃってますが。
会場 : お江戸両国亭
全員 オープニングトーク
橘家文吾『犬の目』
三遊亭ぽん太『城木屋』
仲入り
柳亭信楽『スタンガン』
立川かしめ『権助幽霊』(作:ナツノカモ)
全員 エンディングトーク
木戸銭2,000円(予約)
全員 オープニングトーク
前に来たときはアイドルとしてデビュー曲を披露したりしていたのだけど、アイドルらしさは自己紹介のところだけ。トークはお互いの足の引っ張り合いみたいなダラダラトーク。大丈夫か。オチあるのか。とハラハラしつつ最後はちゃんと落としてくれるのでまあよかった。
信楽さんとかしめさんはお互いかなりやりあったので、後で気まずかったとか。
●橘家文吾『犬の目』
今回は古典担当の文吾さんがトップバッター。「古典担当」といいつつかなりの改作。でもクスグリのセンスはわりと好き。
文吾さんは人物をとにかくきっちり演じきろうという気合が感じられるのもいい。
●三遊亭ぽん太『城木屋』
続いて「珍品担当」のぽん太さん。珍品は面白くないからだれもやらなくなったので珍品と呼ばれているわけで、つまりぽん太さんは一番損な役回り。この噺もねえ。桂歌丸師がNHK日本の話芸で掛けていたけど、ほとんど誰もやらないでしょ。笑いも少ないし展開は訳分かんないし、最後のいいたてからサゲまでをいいたいだけみたいな。
こういう手強いネタを力でねじ伏せにかかるのがぽん太さんの偉いところ。地語りのリズムがしっかりしているからこの奇妙な噺にも客はしっかり引き込まれる。
仲入り
●柳亭信楽『スタンガン』
古典もいっぱい持ってるのに新作担当の信楽さん。でもねえ、新作やってほしいわあ。めちゃくちゃ面白いのよ。正直落語でここまで笑ったのは久しぶり。信楽さんの新作はまず最初に強烈な出落ちがあり、ドッカンと受けたあと、出落ちのギャグを様々なパターンで立て続けに展開していく。
このネタ、信楽さんは全体の半分くらい絶叫しているんですよ。絶叫するたんびに客は大爆笑するんですよ。
●立川かしめ『権助幽霊』(作:ナツノカモ)
あれだけ受けたあとに上がるのは大変だろうと思ったけど、改作担当かしめさん涼しい顔で。ナツノカモ先生の作品を改作したと。それ、元がわからないから改作かどうかもよくわかんない。
……なんてことはどうでも良かった。
不思議な奇妙さ魅力のナツノカモ作品に、かしめさんはさらに奇妙さに載せてくる。キャラクターの増殖と薄まっていくアイデンティティ。
笑いはしっかりと稼ぎながら、奇妙さはうっすらと寂しさにつながっていく。
擬古典なのに現代演劇的なムードで、ちょっと他所では聴けない落語だが、ちゃんと客の頭の中に絵を描いてくれるのがいい。
●全員 エンディングトーク
今日の『権助幽霊』はどこからが改作か。オープニングトークで信楽さんとかしめさんがマジで険悪になったとか、なんかそんなはなしで和やかに。四人がそれぞれ自ら高めのハードルを設定して、ポーンと飛び越えていく、そんな会だった。これから積み重ねていくと、みんなけっこう大物になりそうな気がする。