2022年05月31日
充実の大ネタ二連発! 寸志ねたおろし! 2022/05/28 #落語 #立川寸志
前回は仕事の都合で行けなかったので、楽しみにしておりました。
これがまあ、楽しくて楽しくて。

会場 : お江戸日本橋亭
立川縄四郎『やかん』
立川寸志『愛宕山』
仲入り
立川寸志『らくだ』
木戸銭2,000円
●立川縄四郎『やかん』
めくりを間違える。以前は全く受けなかった「いきなりキレる隠居」がちょっと受けていたので、進化しているのかもしれない。
着物の裾はもっとちゃんとしようね。とても目立つ。
●立川寸志『愛宕山』
もう、長くなることがわかっているのにまくらもたっぷり。大阪に行った時の話。551のシュウマイについて。今日は2席とも上方の色が強い噺なので頭から絡めてきたのかな。全体的に楽しく、ところどころ爆笑。噺に入ると、お得意の「調子のいい幇間」がまず炸裂。
サイサイ節からコチャエ節までの調子の良さはもう絶品。
旦那が「かわらけを端を欠く口元」と「投げるときの左手」がまた見事。
なんとか着陸したあと、傘の「持ち主」にお礼を言うシーンはさすがに客がみんなで吹き出した。アドリブなんだって!もう完全に一八の了簡になりきっているんだな。
最後の「引っ張るところ」も説得力十分。
それにしても「手段の目的化」について、これほどよくできた例え話は他にないね。
土橋亭里う馬師からだそうで、里う馬師はおそらく古今亭志ん朝師からだろうと。志ん朝版を改めて聴いてみたくなった。
仲入り
●立川寸志『らくだ』
『愛宕山』があまりにも素晴らしい熱演だったので、この後本当に『らくだ』やるのかなあと思ったくらい。しかし寸志さんはガラッと世界を変えてみせる。
スタンダードな立川流のらくだではあるけど、寸志さんはあくまで軽妙で半次が怖くなりすぎない。楽しく聴ける。酔っ払った屑屋の人格変化も見事だし、一瞬人情噺っぽくなるのもまたお見事としか。
しかも通しですよ。落合までの道中付もまた楽しい。
最後にはなんとサゲ改作!これがまた面白いんだ。
このネタを得意にしている師匠・立川談四楼師に教わったとのこと。談四楼師はもちろん家元・立川談志からだろう。かすかに六代目(笑福亭松鶴)の香りもする。
でも、寸志さんのらくだは、あくまで軽さを失わない。次のシーン次のシーンへスイスイ進んでいく。そして噺をさらに進化させる絶妙のフレーズ連発。
土瓶の底がないのになんでそんなものがあるんだ「青龍刀問題」にもしっかり爆笑回答している。何もかもがしっかりと噛み合った歯車が高速回転し、底抜けに楽しい。
可能ならすぐにでもまた聴きたい。
がっつり大ネタ2席楽しませてもらったのに、ちっとも疲れなかったのも凄いこと。
次回が楽しみでしょうがないのであります。

