2022年01月23日
極上空間の贅沢 墨亭 林家正雀 噺の世界 22/01/16
東武線・半蔵門線の曳舟駅からゆるゆると歩き、鳩の街商店街を抜けたところにある「墨亭」。

化粧品屋さんをリフォームした、寄席であります。
中はものすごくきれい。高座も照明もしっかりしていますが、これはご自身の眼でご確認いただきたい。客席は畳に座布団だけど、最後尾に椅子席も少し。
昼席は窓からの日光も心地よい。
余談ながら、このネタは正月に三遊亭小圓朝師がよく掛けていた。思い出して、ちと切なくなる。
仏像の大きさがきちんと伝わってくる。そして余計なことをしなくても、おかしい。
こういう噺は好きですねえ。人生の悲惨があり、ささやかな温かさがある。それをあくまでふわりと軽く語る。けっして楽しいストーリーではないが、確かに落語を聴いたという喜びが感じられる。
……どの噺も、独自の入れごとなどはなく、語り口もとてもクラシック。なのに退屈しない。むしろ情景や心情がきちんと伝わる。
というか、余計な情報がない分、情景描写が丁寧で、しかもだれないので、頭の中に絵がすんなりと浮かぶ。
ただ、この魅力はやはり、生で聴いてこそ伝わるものかなあ、という気もする。
まあ知らない話・興味深い話ばっかりで。
彦六の正蔵が遺した芝居噺、聴いてみたくなった。歌舞伎にはそれほど興味ないんだけど。
正雀師の「端正で味わい深い」落語を味わう器として、墨亭より良い会場はないだろう。
高座が近く、もちろんマイクなし。木造建築の程よい音の響きが正雀師の語り口にピッタリ。声を聴いているだけで心地よい。
高座・客席だけでなく、たとえば受付・トイレ・階段と全ての空間に、席亭・瀧口氏のこだわりが感じられ、とにかく、とても心地よい。
極上の空間で極上の落語を楽しみ、その後の酒がとても美味かった。
墨亭、いつまでも続きますように。皆さんも是非。





化粧品屋さんをリフォームした、寄席であります。
中はものすごくきれい。高座も照明もしっかりしていますが、これはご自身の眼でご確認いただきたい。客席は畳に座布団だけど、最後尾に椅子席も少し。
昼席は窓からの日光も心地よい。
●林家正雀『かつぎや』
いまさら僕があれこれ言うのもおこがましいが、正雀師の緻密な演技が素晴らしい。商家の旦那がきちんと旦那に見えるもの。そんでもって、おかしいの。余談ながら、このネタは正月に三遊亭小圓朝師がよく掛けていた。思い出して、ちと切なくなる。
●林家正雀『井戸の茶碗』
教わってから掛けるのは久しぶりとのこと。こちらもまた正調の語り口が素晴らしい。仏像の大きさがきちんと伝わってくる。そして余計なことをしなくても、おかしい。
仲入り
●林家正雀『大仏餅』
いやあ、このネタが生で聴けるとは。こういう噺は好きですねえ。人生の悲惨があり、ささやかな温かさがある。それをあくまでふわりと軽く語る。けっして楽しいストーリーではないが、確かに落語を聴いたという喜びが感じられる。
●林家正雀『初音の鼓』
最後はびっくり『コンポン』。こちらも派手な演出は一切ないのに、ちゃんと笑える。楽しい。……どの噺も、独自の入れごとなどはなく、語り口もとてもクラシック。なのに退屈しない。むしろ情景や心情がきちんと伝わる。
というか、余計な情報がない分、情景描写が丁寧で、しかもだれないので、頭の中に絵がすんなりと浮かぶ。
ただ、この魅力はやはり、生で聴いてこそ伝わるものかなあ、という気もする。
●林家正雀・瀧口雅仁 対談 最近のあれこれ
正雀師が席亭・瀧口雅仁氏を呼び込んでの対談。けっこうたっぷり。まあ知らない話・興味深い話ばっかりで。
彦六の正蔵が遺した芝居噺、聴いてみたくなった。歌舞伎にはそれほど興味ないんだけど。
正雀師の「端正で味わい深い」落語を味わう器として、墨亭より良い会場はないだろう。
高座が近く、もちろんマイクなし。木造建築の程よい音の響きが正雀師の語り口にピッタリ。声を聴いているだけで心地よい。
高座・客席だけでなく、たとえば受付・トイレ・階段と全ての空間に、席亭・瀧口氏のこだわりが感じられ、とにかく、とても心地よい。
極上の空間で極上の落語を楽しみ、その後の酒がとても美味かった。
墨亭、いつまでも続きますように。皆さんも是非。
木村[林家正雀ファン]@ekazitoyu
2022/1/16日 墨亭
2022/01/17 00:19:24
林家正雀 噺の世界
林家正雀/
かつぎや
井戸の茶碗
仲入
大仏餅
初音の鼓
対談:正雀・席亭
昔、浅草演芸ホールが超満員で舞台脇にも客をあげた時、やり辛い円生師匠が机を出して立ちで演じた逸話… https://t.co/x0kGfgTZCa



