2022年01月05日
一門隆盛中 新春圓橘一門会 2022/01/03
●三遊亭萬丸『堀之内』
スタンダードな粗忽者小噺はちゃんと受けたけど、爆発的な笑いが起きてもいいこのネタが、あまりグルーヴしない。難しいもんだな。後で圓橘師曰く「難しいんです」。
●三遊亭萬橘『鮑のし』
もう、まくらから相変わらずの爆笑。萬橘師の鮑のしは甚兵衛さんがとにかく腹ペコ。腹ペコすぎて気が狂う。絶叫する。
笑わないわけ行かないでしょ。
かなり独自の型だと思うのだが、どっかしら志ん生が見えるのもなんかいい。
後で圓橘師曰く「賢いかみさんが出てくるので堀之内とついていると思ったのですが、まあお客さんよく笑って」。
仲入り
●三遊亭朝橘『長短槍試合』
朝橘師は萬橘師とは違うアングルで爆笑をかっさらう。落語を聴くのがSDGsという強引な展開から、釈ネタへ。たぶん一龍斎貞寿先生からだろうなと思ったらそうだった。釈ネタといいつつも、間にまるで関係ない、センスのいいギャグを放り込むことで地噺として聴かせてしまう。素晴らしい。
後で圓橘師曰く「釈ネタであんなに笑いを取ってしまう。得体のしれない男です」。
●三遊亭圓橘『稲川』
弟子・孫弟子の高座についての愛ある寸評を入れたあと、相撲関連のさまざまなエピソードが楽しい。『稲川』は折りに触れ何度も聴かせて頂いているが、聴くたびちょっと涙ぐむ。弟子に対して、お客様を大切しなさいというメッセージを送りつつ、客にとっては、芸人と客の幸せな関係を提示していただいているような気がする。
終演後に寺脇研氏による映画の紹介があり、最後は歳男のお客さんを呼んで三本締め。
今年は、一門にとって良い年になるでしょう。
でもふと思う。故・小圓朝師の『かつぎや』聴きたかったなと。





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