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2021年12月28日

一門の絆 師弟の絆 立川寸志 師匠噺トライアル 第三回 2021/12/25


今回で3回目のこの企画、今回は土曜日開催ということで、やっと駆けつけることができた。
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会場 : お江戸日本橋亭

立川縄四楼『道灌』
立川寸志『岸柳島』
立川談四楼『人情八百屋』

仲入り

立川寸志『芝浜』
立川談四楼・立川寸志 講評

木戸銭2,000円(予約)


●立川縄四楼『道灌』

うん、良くなった。もっと押し出し強くてもいいと思う。
ダンシング・ヒーローのくすぐり面白かった。
あとはまかせた
寸志さん優しい。


●立川寸志『岸柳島』

冒頭、会のコンセプトを「集客です」と笑いを取る寸志さん。

よく聴く『岸柳島』では老練の侍が出てくるところ、寸志さんの型では若侍(談志型)。
煙管の雁首落として激怒する侍は、浪人っぽいふてぶてしさがいい感じ。

このネタの肝は『たがや』と同じで「無責任な野次馬」。寸志さんはしっかりここにフォーカスする。岸に残された侍に尻出しちゃう。
サゲがまたいいんだけど、詳しくは講評で。

立川流の資産を継承した上で、しっかりと自分の噺に仕立て上げる寸志さんの凄みよ。

●立川談四楼『人情八百屋』

「いつ真打になってもいいと言ってある。本人がまだやりたいことがある」おおお。
「まあ、このように私は寸志から仕事がもらえるので。ダメ出しを続ければこの仕事がまだ続く」だははは。

それにしても人情八百屋ですよ。芝浜をネタ出ししてるのに。
「ハードルを上げてやらないと寸志に対して失礼だろ」という談四楼師の声が聞こえた気がした。

また、いつもにも増していい出来なんだ。客が泣いたり笑ったり忙しいったらない。

しかもこの噺、家元談志が春日清鶴の浪曲から仕立てたネタであり、『岸柳島』『たがや』同様に「無責任な野次馬」の噺でもあるわけですよ。「へそがかゆい」といいつつ現金強奪した奴らは、両親を失った幼子二人に思いを馳せたか?
無責任な奴らがいるだけに、火消しと八百屋の誠実さが際立つわけです。
うーん、欲しいなあ義兄弟。

仲入り


●立川寸志『芝浜』

師匠による極上の人情八百屋のあとに「魚屋の噺を」とだけ言って、すっと噺に入る寸志さんがめちゃめちゃかっこいい。

前半はとにかく魚屋・勝の人物描写に力点が入る。
寸志さんオリジナルの軽口が素晴らしい。善良な江戸っ子ではあるがアル中で、軽口で虚勢張るだけのダメ男であることが、しっかりと伝わってる(この時点ではおかみさんの描写は淡々としている)。

改心して2年経った大晦日、商売繁盛で掛取りも来ない。ただ棒手振りのまま。これもいい、そんな簡単に店を構えたりはできないだろうし。
告白のシーンでぐっと力入ったおかみさんの心情表現に対して、勝の軽口・ボケがシリアスなシーンをほどよく緩ませるのもいい。

そして僕の大嫌いなセリフはきちんと省かれたまま、ご懐妊も絡めて、ご存知のサゲまではもう流れるように。
寸志さんらしい工夫に工夫を重ねながら、その工夫を前面に出すことなく、とてもナチュラルで納得度の高い『芝浜』に仕上がった。

恐ろしいことに、これが初演。

●立川談四楼・立川寸志 講評

談四楼師の講評としては
  1. ネタ見せから一週間でよくここまで仕上げた
  2. 芝浜、やはり長い。ただ一度やれることをやって、短くすればいい
  3. 芝浜、女将さんが落ち着きすぎ。四十くらいに見える
たしかこの3つしかなかったかと思う。
噺が長くなってしまうのは「勝の人物造形」という課題に対してアイディアが溢れすぎてしまう寸志さんの才能のせいで、談四楼師が仰る通り、ここから削って洗練されていくことになるだろう。

ここからの談四楼師匠のコメントは噺の由来・背景。これがもう興味深い面白い。

まず『岸柳島』はもともと老練の武士が機転を利かす古今亭の型を、家元談志が若侍に改めた。
これを談四楼師が、ご通家のアドバイスから「雁首が見つかる」サゲをつくり、家元からも評価されたと。

『芝浜』は三代目三木助→談志→談四楼の継承で、終盤で女将さんが身ごもっているのは、談四楼師の型。
実は柳家小三治師の型(大晦日には店を構えていて、赤ん坊がつかまり立ちをしている)を見て、それは違うのではないかと思ってこしらえた型。

つまり二席とも家元談志→談四楼師の型で、寸志さんはこの二席について、師匠の型をきちんと継承しつつ、自らの色・工夫をしっかりと載せて「自分の落語」に仕立て上げているのだ。
当たり前といえば当たり前のこととはいえ、改めてその力量に感動した。

来年は「真打昇進までのスケジュール」を公開するということで、いよいよである。

ずっと追いかけてきた僕から見ると、もはや課題は一つしかない。

知名度と集客力だ。

これだけのクォリティ、それにふさわしい客の数が欲しい。
日本橋亭では狭いと言われるようになって欲しい。

ただ、東京の落語界は上手くて面白い人を、なかなか簡単には見逃さない。
花形演芸会202201
花形演芸会でレギュラーメンバーに呼ばれるようになれば、銀賞→金賞とステップアップしていくのではないか。

来年の寸志さんに、ますます期待したい。






師匠噺トライアル
師匠噺トライアル第三回チケット



m_shike at 21:52コメント(0)落語 | 立川寸志 このエントリーをはてなブックマークに追加

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