2021年11月07日

働く大人の落語会  労働者たち 勤労噺二人会(弁財亭和泉・立川寸志) 2021/11/03


大好きな落語家ふたりの二人会、しかも素敵にコンセプチュアル。行くしかないでしょ。
とか言って、前回は行けなかったのですが。
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会場 : 小劇場 楽園(下北沢)

弁財亭和泉『コンビニ参観』
立川寸志『死神』

仲入り

立川寸志『胴斬り』
弁財亭和泉『女の鞄』

木戸銭2,800円(前売)


会場は高座正面に柱があり、両方の斜め前に座席がある。いかにも小劇場なスタイル。

●弁財亭和泉『コンビニ参観』

ご自身のバイト体験の話などで小劇場を落語の空気に変えてから、おなじみのネタへ。
寄席でも普通にかけられるわかりやすさに好感を持ちつつも、やっぱり母親のぶっ飛びブリがたまらなく可笑しい。
何度聴いても「女狐!」のあたりで吹き出してしまう。
そして塩沢ときを思い出す。

●立川寸志『死神』

このテーマに古典二席と聴いて、なに掛けるのかと思ったらこのネタ。なるほど寸志さんの死神は労働者=死神の悲哀なんだよ。

その死神の外見を「最近亡くなった桂文字助」とたとえて、あくまでコミカルにコミカルに噺は進み、コミカルなまま残酷な落ちとなる。初めて聴いたときの興奮と衝撃が再び味わえた。

「立川左談次師最後の高座」の後に掛けたネタでもある。シブラクだった。

仲入り



●立川寸志『胴斬り』

こっちはなんとなく予想していた。なにしろ天職を得た男(半人前×2)の噺だから。
ネタおろしのときと同様に「弟」のほうが水木しげる的に可愛い。旦那が上下分離したのにあんまり動じないかみさんがまたいい。
寄席の構成のなかでこういう落語入っていると、いいよね。

●弁財亭和泉『女の鞄』

数ある「和泉作・労働者新作」のなかでも、和泉師の「細部へのこだわり」が光る名作。夫婦の会話だけで出来ているこの噺がこんなに面白いのは、とにかく「鞄の中に入っているもの」の描写が緻密で、これに対する夫婦の見解のズレが、これまた緻密な表現で構築されているから。
「バックインバック」が多重化して「バックインバックインバックイン……」あたりのやり取りがめちゃくちゃ可笑しい。ひとつひとつのディテールの確かさが、客にとっての「あるある」という共感を生み、これがどんどん積み重ねられ、笑いがどんどん増幅する。

真打昇進披露の末廣亭でも聴かせていただいた、個人的にも思い出のネタ。

●弁財亭和泉・立川寸志 労働者コスプレトーク

傑作チラシと全く同じサラリーマン・OL姿で展開するトーク。
まず3つボタン段返りのアイビーなスーツで決めた寸志さんが登場。客席から質問を拾っていく。この手際がとてもいい。
しっかり雰囲気を作ったところで、肩掛けカーディガンのどうみてもOL(内勤中心)和泉師が入って二人で勤労者トーク。

この格好です。
画像

もちろん面白いんだけど、あまりぶっちゃけすぎると身につまされ過ぎて重くもなりそうなところで、程よくまとめるのが大人の会話だなあと。

個人的には「2000年問題」がツボでした。平成は遠くなりにけり。

好評につき、来年2022年4月にも開催されるそうですよ。娯楽百貨さんのプロデュース力、流石であります。








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 労働者たち


m_shike at 13:00コメント(0)落語 | 立川寸志 このエントリーをはてなブックマークに追加

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