2021年11月06日
雁風呂の秋 五代目圓楽一門会 2021/10/31
深まる秋、そぼ降る雨。久しぶりの国立演芸場に主任:三遊亭圓橘を聴きに。
会場 : 国立演芸場
三遊亭しゅりけん『道灌』
三遊亭栄豊満『しの字嫌い』
三遊亭楽天『壺算』
三遊亭愛楽『猿後家』
三遊亭竜楽『町内の若い衆』
仲入り
三遊亭萬橘『孝行糖』
藤本芝裕 三味線漫談
三遊亭圓橘『雁風呂』
木戸銭3,100円(前売)
●三遊亭しゅりけん『道灌』
良いと思います。●三遊亭栄豊満『しの字嫌い』
なんだろう。ピンとこない。でも愛嬌を感じる人もいるだろう。●三遊亭楽天『壺算』
人物ひとりひとりが生き生きとしていてなかなかにいい感じ。終わりの方は僕の知らない、より複雑かつ悪辣になる型で、楽しめた。●三遊亭愛楽『猿後家』
何度聴いても笑えるのは、細かいところでこまめにギャグを強化しているからかな。この日もノリノリ。●三遊亭竜楽『町内の若い衆』
ここで初めて「五代目三遊亭円楽十三回忌追善」というこの会の趣旨が。チラシに書いてない。作ったのは竜楽師。慌ててめくりに入れたと。入門当時のエピソードはかなり面白くて客席も湧いていたのだが、噺に入ると若干ボルテージが落ちたような気もする。
仲入り
●三遊亭萬橘『孝行糖』
相変わらずの絶好調。選挙ネタも交えながらのまくらから、売り声も楽しいネタまでしっかりと爆笑の連続。まくらと噺のトーンちっとも変わらず、最初から最後までしっかり楽しませてくれる。
●藤本芝裕 三味線漫談
初めて聴いた。わりとベタな感じの選曲と展開は狙いだったんだろうな。【五代目圓楽一門会】
— 藤本芝裕 (@sibahirofujimot) October 31, 2021
国立演芸場
10月31日、出演いたしました。
芝裕は
ソーラン節
草津節
すみだ川
東京音頭
を歌いました。
ご来場いただきました皆様、ご一緒に盛り上げていただきました皆様、ありがとうございました❣️#五代目圓楽一門会#国立演芸場 pic.twitter.com/Ne17ld2RHo
●三遊亭圓橘『雁風呂』
国立演芸場の高座に圓橘師。絵になる。萬橘師の名前を出してさっと客席を温め、水戸黄門漫遊記のまくらから、秋ならではのこのネタへ。今さら僕ごときが何か言う必要もないのだが、圓橘師の『雁風呂』は何度、何度聴いても素晴らしい。
今回は淀屋が黄門様に絵解きをしているところで、すでに涙腺が緩んでしまった。常盤の国に帰れずに息絶えた雁が愛おしくて。
大したドラマは何もない噺ではあるが「落語を聴いた」という満足感がずっしりとあり、いつもの「木戸銭に連動する落ち」も決まって、すっかり向こうに行っていた気持ちがもとに戻る。
秋雨のさびしさもまた、人生の彩りなのだなあと改めて。