2021年06月13日
表情と濃縮の楽しさ 柳家一琴の会 2021/06/13 #柳家一琴
●柳家一琴『松竹梅』
最近続いた「有名人の結婚」の話題で軽く温めて、めでたい噺へ。一琴師の大きな武器である「顔の表情」が見事。
まずご隠居が手紙を読むところ、さらに松竹梅(おもに松)の稽古風景のあたりの顔の使い方は、もう見ているだけで楽しい。
さらに四人を綺麗に描き分ける台詞回しとの相乗効果でゲラゲラ笑える。これぞ柳家というべきか。
ここできちんと笑わせてくれるから、婚礼の席がまた盛り上がる、盛り上がる。
そう言えば五代目小さんは百面相の名手だったとか。
●柳家一琴『のっぺらぼう』
こちらも表情が楽しい一席。もちろん小間物屋がのっぺらぼうに遭遇したときの表情であります。改めて可笑しい「のっぺらぼうが笑う、どうやって?」ってあたりもきちんと押してくれて、バカバカしさ倍増。
仲入り
●柳家一琴『佃祭』
滑稽にも人情にも振ることができるこの噺、一琴師の型は盛りだくさん。「情けは人の為ならず」人情パートはあくまでさっぱりと、しかし確かな描写の冴えがある。
助けた女の亭主である船頭が「こんななりじゃいけない」と水を被って、浴衣を着てから妻の恩人・次郎兵衛に挨拶するところと、船で送ってもらった次郎兵衛が船頭のことを「あのひとは本当の江戸っ子だ」とつぶやくシーンがいい。
船頭夫婦の家の広さ(狭さ)まで感じられるのは、視線と声による丁寧な演出なのだろうか。
一方で滑稽パートは多数のキャラが登場して、その全員がおかしい。
ちゃんと与太を言う与太郎から、自分が死なずに済んだから赤飯炊く奴もいれば、悔やみと言いつつエロいのろけを語る奴、糊屋のばあさんに棺桶押し付けようとする奴まで、まあどいつもこいつも落語の世界でないと生存が許されない奴ばかりが、生き生きと描かれていて、しかも人情パートときれいに繋がってお互い邪魔もしない。
江戸落語の魅力をギュッと濃縮したような一席を聴き終えたあとは、なんだか涼しくなりました。見事です。
らくごカフェのページにはまだ掲載されていないけど、次回は7/11。日曜日の昼下がりにふさわしい時間が過ごせますよ。
ぜひ。








