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2021年04月10日

女性上位時代のリーダーとして 弁財亭和泉真打昇進披露(新宿末廣亭3日目) 2021/04/03


新宿末廣亭の座席は一席飛ばしをやめてノーマル状態、このまま沈静化してくれればいいんだけど。
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会場 : 新宿末廣亭

春風亭一花『子ほめ』
マギー隆司 奇術
林家きよ彦(きよひこ改メ)『反抗期』
柳亭こみち『そば清子』
三増紋之助 曲独楽
柳家小八『普段の袴』
宝井 琴調『小政の生い立ち』
林家 二楽 紙切り
林家彦いち『掛け声指南』
柳亭市馬『粗忽の釘』

仲入り

披露口上『演目』
すず風 にゃん子・金魚 漫才
三遊亭歌る多『松山鏡』
柳家さん喬『真田小僧』
柳家小菊 俗曲
弁財亭和泉(粋歌改メ)『女の鞄』

木戸銭3,500円(当日)


●春風亭一花『子ほめ』

「歴史が変わりましたっ!楽屋が女性だらけです。マギー隆司先生がちっさくなってます」おおお。
さらに
「えー、近頃は女性の噺家が多いと寄席が長くなる、なんてことも言われているようですが」
これが大うけ。偉いっ!

ちょっとはしゃぎすぎたのがちょいちょいとちってましたが、ちっとも気にならない技術力の高さ。

●マギー隆司 奇術

上手側の桟敷で観ていたら。タネがバッチリ見えてしまった。多分計算ずくなんだろうなあ。

●林家きよ彦(きよひこ改メ)『反抗期』

この芝居で二ツ目に昇進。いやあ凄い人が出てきた。

まず言葉が聴きやすい。落語らしい口調ではないが、ちょっとびっくりするくらい頭の中に言葉が入り込んでくる。でもそんなに芝居っぽくない。なんだろう。ニュータイプ。

そしてまくらも自作の新作落語も面白い!
ぶっとんだシチュエーションでも展開がわかりやすくて、ちゃんと爆笑させてくれる。
何より「我が子の幸せのために、ヤンキーになるように育てる」このコンセプトいいねえ。
和泉師を目標に、どんどん面白い噺を創って行ってほしい。期待してます。

●柳亭こみち『そば清子』

「出てくる女出てくる女、変態ばっかりだ!」が第一声。もちろん爆笑。

こみち師お得意の主人公を女性に仕立てた改作がこの噺にも見事にはまり、台詞ひとつひとつがおっかしい。
蕎麦を啜りながら喋るシーンで和泉師を褒めまくる趣向も楽しい。
サゲたと思ったらもうひとつ落ちが。
工夫がいっぱいで、ひとつも空回りしてない。

●三増紋之助 曲独楽

テレビでみると若干暑苦しいけど、ライブだとその熱が楽しめる。おめでたい席にぴったり。

●柳家小八『普段の袴』

「和泉師匠とは一緒に前座修行をした仲で……」と語りだし。客がクスクス笑い出す。
さらに褒めて褒めて、「いい女です!……いや、なんか言っといたほうがいいかなと」と照れる。いい顔。
妻の真打昇進披露で夫が高座に上がるのはもちろん史上初だろう。
もともと侍が似合う二枚目だけど、この日は八の軽さ・いい加減さがいい感じに仕上がっていた。
さして寄せているわけでもないのに、なんとなく漂う喜多八師の雰囲気もいい。

休憩


●宝井 琴調『小政の生い立ち』

女性中心の流れの中でピシッと次郎長伝。かっこいい。

●林家 二楽 紙切り

いつも同じこと喋ってるなあと思ったら、それを逆手にとっての新展開。「ニ楽師匠」というお題も珍しい。
「聖火ランナー」は島根県で止められてました。

●林家彦いち『掛け声指南』

この噺ははじめて。いやあ、毎度のことながら設定も展開も面白すぎる。
なんでこんな事考えられるんでしょうね。いやあムアンチャイいいやつだ。好きだ。
最近の『つばさ』も傑作だと思う。


●柳亭市馬『粗忽の釘』

前半をカットしてゆったりと。流石の貫禄。風格ある滑稽。末廣亭の高座が似合うなあ。

仲入り


●彦いち(司会)・さん喬・和泉・歌る多・市馬 真打昇進披露口上

落語協会の披露目では、最初から新真打の顔が上がっていて、司会が経歴を紹介する。
彦いち師の司会がなんとなくぎこちなくて面白い。

さん喬師は「この方のことは、あまり良く知らないんですが」といいつつ、実は家が近いとか、いろいろ知ってる。

市馬会長は定番口上だけど声かいいので気持ちいい。

師匠・歌る多師は新真打が前座時代に先代三遊亭圓歌宅の掃除を一生懸命して女将さんに褒められたとのエピソードを絡めつつ「ただ一生懸命やってるだけではだめ、この子は楽しそうに高座を務めている」と。感慨深さは想像に余りある。
三本締めはもちろん会長。

それにしても新真打、とてもとてもいい顔をしていた。こちらまで幸せになった。

●すず風 にゃん子・金魚 漫才

寄席の工作女王金魚先生の頭には和泉師匠が。連続テレビ小説を元にしたネタは前回と全く同じだけど笑っちゃった。フィニッシュの「仕事ですからっ」ジャンプが可愛い。

●三遊亭歌る多『松山鏡』

ああ、久しぶり聴いた。ずっと聴きたかったのよ。
佇まいから鮮やかな口跡から、もうほんとかっこいい。羽織をたたむ指先までかっこいい。田舎のおはなしでのどかな雰囲気が楽しい、のに、やはりかっこいい。

●柳家さん喬『真田小僧』

マクドナルドが出てくるまくらから落ちまでが練り込まれているきれいな芸。綻びのかけらもない。

●柳家小菊 俗曲

ヒザに小菊師匠というのは新真打も嬉しかろう。木遣くずしがかっこいい。

●弁財亭和泉(粋歌改メ)『女の鞄』

末廣亭初日のネタは『プロフェッショナル』。行けばよかった。

対してこの日はやや軽い、夫婦二人しか出てこないホームドラマ。こういうネタでしっかりトリが取れるあたり、やはり大したものだと思う。

カバンに詰め込まれた(いらない)モノひとつひとつを丁寧に笑いに変えて、現代の僕らの生活にぴったりと寄り添いつつ、普遍的な「人間のダメさ」を描き出す、とても落語らしい落語になっている。
お得意のわかりやすい人物造形もバッチリで、気がつくと気持ちよくゲラゲラ笑って気持ちよくなって気分良く木戸をくぐって家に帰ることができる。そんな落語。

しかし、出演者の半数近くが女性という顔付けの寄席興行で、こんな充実感が味わえるのだから、素晴らしい時代になったものだ。
これからも、こみち師たちととも、に一花さん・きよ彦さんたちを引っ張って、歌る多師たちが切り開いた道をどんどん進んで欲しい。これからの落語に必要なのは多様性であり、女性落語家にはぜひとも活躍してもらわないといけないと思う。

終演後、緞帳の向こうからこみち師の音頭による三本締めが聴こえてきた。残っていた客として参加できる幸せよ。

三遊亭粋歌のファンで良かった。
弁財亭和泉師匠、応援します。

●シェアらくグラフvol.6『三遊亭粋歌』


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m_shike at 12:33コメント(3)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント一覧

1. Posted by ますめっど   2021年04月11日 11:26
今浅草の初日に来ております。楽しみであります。
2. Posted by 4k   2021年04月11日 11:29
ネタが楽しみですね。
3. Posted by ますめっど   2021年04月11日 17:40
後ろ幕のこともあり浅草での披露目は待ちに待っていたようですね。
ネタは「銀座なまはげ娘」でありました。

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