2020年10月25日

絶妙のどんでん返し!第2回せたがや演芸サミット  笑ニの『お直し』2020/10/25


期待値を必ず上回ってくれる男・立川笑二。今回もやってくれました。
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会場 : アトリエ第Q藝術(成城学園前)

立川笑二『真田小僧』
立川笑二『宿屋の仇討』

仲入り

立川笑二『お直し』


●立川笑二『真田小僧』『宿屋の仇討』

巷で話題の弟弟子の結婚や、学校寄席のエピソードなどまくらも面白いし、噺のほうも金坊がいきなり前座になって喋りだしたりして、けっこう楽しかったのだが、演ってる本人が納得行っていない雰囲気で。

ご本人のツイートによると、
「真田小僧」で、按摩さんが黒い杖で来た。びっくり!
「宿屋の仇討」で最初に万事世話九郎が名乗らなかった!びっくり!びっくり!
だそうで。 まあ確かにそういえば。
二席目は特に入りからちょっと止まったりして、変ではあった。「変な時間に薬を飲んだ」とも言ってた。

●立川笑二『お直し』

しかしこのまま終わる笑二さんではない。
なんと言ってもネタ出しが『お直し』だ。何を仕掛けてくるだろう。ものすごく期待していた。

この期待をぽーんと上回ってくるのが立川笑二という落語家だ。

のっけから言葉、特に台詞に懸ける集中力がさっきとはまるで違う。世界にどんどん引き込まれていく。
ただ一点だけ、笑二さんらしい独創的な仕掛けが放り込まれて、客をどっと沸かせる。ここですでに「流石だなあ」と思ってしまった。さらに二人が所帯を持ち、亭主が身を持ち崩していくあたりは地語りが力強く、辛い夫婦の会話にも細かい工夫があり、ますますのめり込んでしまう。

蹴転(けころ)として客を引くシーンは、下層社会の陰惨さ、男の愚かさ、女のあしらいの上手さと悲しさ、客の浮かれ度合いどれも素晴らしく、うわあ笑二さん腕上げたんだなあと思っていたら、

まさかの!
とんでもないどんでん返し!!

何が秀逸ったって、サゲの台詞は全く変えていないのに、その意味合いが完全に逆、180度違うところだ
ちなみに発する人も違う。うん、これ以上は書けない。

まあ、志ん生・志ん朝ファンはちょっと馴染めないかもしれないけど、僕はむしろ改めて志ん生の『お直し』を聴いてみたくなった。
あと五街道雲助師だな。やっぱ。

それにしても、この噺で、こんなに幸せにしてくれるとは。
まんまとやられました。期待を上回る男・立川笑二は、凄い!!
せたがや



m_shike at 21:11コメント(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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