2019年04月30日
文七も新解釈・深解釈 寸志ねたおろし19 2019/03/21
●立川寸志『大安売り』
ネタ数に関するまくらから軽くこの噺へ。こういうのも似合う。多分女将さんのキャラが巧みに造形されているからかな。●立川半四楼『子ほめ』
うん、真面目にやってる。頑張ってください。●立川寸志『夕立勘五郎』
これは明らかに立川談吉さんからのネタ。談吉さんのパンキッシュな田舎浪曲に比べると「大三元小牌(この芸名は談吉さん作なのかなあ?)」の浪曲がややスイングジャズ的にスムースなので、若干パワー不足な感じもあるけど、それは二人並べた時の話。さらに演りこんでいくと寸志さんのカラーが出てくる気がする。仲入り
●立川寸志『文七元結』
客席を暗くしての文七は1時間を超える長講となったが、豊富なアイディアがきれいに入っていてそれほどの長さは感じなかった。何より旦那がいい。旦那がしっかり諫めることで、「文七の愚かさ」が、きちんと筋のなかに回収された。普通の文七元結は文七馬鹿すぎると思っていたので。
で、この高座を聴いたら見えてきた。
あ、以下は僕の妄想です。
長兵衛は博打依存症で身を滅ぼしかけたが佐野槌の女将にネジまかれて治療に向かったわけだが、文七もまた依存症なのだ。囲碁の。
二人の依存症の原因は、おそらくは仕事上のプレッシャー。
ラストはめでたしめでたしみたいな感じだけど、この二人の依存症は全然治っていない。かろうじて文七は「元結屋で成功した」と語られるのみ。長兵衛どうなった。
かろうじて、依存症の長兵衛を文七のメンター役に収めることで、なんとなくいい感じにはなっている。依存症のメンターは依存症。ともに治療していく。
落語らしい「ダメ人間たち」の救済は『百年目』みたいな「できた旦那」からもたらされる。佐野槌の女将ではなく。だから旦那のほうが大事。
というような妄想が湧いた、いい感じの文七「深解釈」の一席でした。
次回は5/11土曜日です。ぜひ。
立川寸志【告知&報告+雑談】@tatekawasunshi
昨日21(木祝)寸志ねたおろし!、ご来場有難うございます。寸志大安売り/半四楼子ほめ/寸志夕立勘五郎(仲)寸志文七元結。ついにやってしまった一席1時間超え…。おかげさまで、噺の構造、テーマの所在、お客席暗くする効果、収穫上々。お付… https://t.co/sHncOnbOP4
2019/03/22 07:39:33
