2017年12月27日
浪曲の聖地は音響がハイクオリティ 浪曲協会定席 2017/11/03
いよいよ来ました浅草木馬亭。
富士綾那(曲師 馬越ノリ子)『重の井子別れ』
国本はる乃(曲師 馬越ノリ子)『楽満寺』
木村勝千代(曲師 水乃金魚)『少年の歌(新作)』
玉川福助(曲師 伊丹秀俊)『忠治山形屋』
仲入り
玉川太福(曲師 水乃金魚)『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』
神田京子『南部坂雪の別れ』
天津ひずる(曲師 伊丹秀俊)『雨の山科』
澤孝子(曲師 佐藤貴美江)『竹の水仙』
いい小屋ですねえ。ほどよい広さ、そしてマイクがいい(ちゃんとSONY C-38B)。音響がいい。やっぱり音楽なんだなあ、音楽は。
●富士綾那(曲師 馬越ノリ子)『重の井子別れ』
これあれですね、馬方三吉子別れですね。落語『寝床』の最後のほうに出てくる。
綾那さんの声はわりと好き。髪型は『げんしけん』の荻上を思い出す。
●国本はる乃(曲師 馬越ノリ子)『楽満寺』
先日、道楽亭で僕の心をがっちり捉えた はる乃さんはこの日も絶好調。子供が出来ずに「鍬が」「畑が」とけんかしていた夫婦が、子宝授かってよかったね、というなんか変な噺なのだけど、夫婦の会話が実にいい感じで、落語っぽくもあるけどグッとメロディアス。
とにかく、こんなに楽しそうに唸ってくれるのは見ていてうれしい。
●木村勝千代(曲師 水乃金魚)『少年の歌(新作)』
自称美魔女、他称美人の勝千代師匠。
修学旅行生がカメラをなくして、地元の子が拾ってたら盗んだと言われ……。
むかしあった、教育テレビの子供向けドラマのような。
いやあ、こんな題材も浪曲になるんですね。
楽しめたけど、あれはコンデジなのか写ルンですなのか。
●玉川福助(曲師 伊丹秀俊)『忠治山形屋』
ネタおろしだったとかで、ところどころ流れが乱れている感じがしたが、大ベテラン曲師の伊丹秀俊師匠の見事な撥捌きでぐっと聴かせるものに。
仲入り
なぜかアイスもなかの販売があり、これがまたよく売れる。謎。
●玉川太福(曲師 水乃金魚)『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』
それまで設置されていたボーカルマイクが撤去され、師匠福太郎の得意ネタ(でしたよね)。
これは見事だった。
今まで聴いた中では、太福さんの声の魅力が一番生きる演目だった。
●神田京子『南部坂雪の別れ』
浪曲の定席には講談が一人入るものらしい。
京子先生、結構笑い取りに行くんですね。受けてた。
でも本編はしっとりと。
義士伝はいいやね。
●天津ひずる(曲師 伊丹秀俊)『雨の山科』
で、こちらもしっとりと義士伝なんですが、マイクがC-38Bから単一指向性の、よく見るヴォーカルのマイクになっている。
と思ったら、終わりかかりのところでなんとカラオケが流れる!
ハンドマイクで唄う!これが歌謡浪曲か!
名人・伊丹秀俊がいるのに!
なんかもったいない気がしたけど、これはこういうもんなんだろうなあ。
●澤孝子(曲師 佐藤貴美江)『竹の水仙』
出ました大看板。前・浪曲協会会長。もうかなりのお歳かと思うけど若々しい。親しみと品が絶妙にミックスされた佇まい。こんなにうまく歳を取れる人は少ないだろう。
ちょうど来日していたトランプの娘が素敵とかなんとか、たわいもない話もあの声で言われると何とも気持ちいい。
竹の水仙は、浪曲では京山幸枝若(初代)の笑いの多い録音を聴いたことがあるけど、孝子師匠もしっかり笑わせて、でも余裕と品があるのが素敵。
というわけで、改めて思ったけど講談・落語・浪曲の三大話芸はお互いに影響しながら進化しているので、落語好きな人は浪曲もぜひ聴いて欲しい。音のいい木馬亭がベストだと思う。
昔からのファンに聴いたところによると、木馬亭、やはり客が増えているらしい。
来ますよ、これは。
追記
実は当日、こんな取材も来てました。
●富士綾那(曲師 馬越ノリ子)『重の井子別れ』
これあれですね、馬方三吉子別れですね。落語『寝床』の最後のほうに出てくる。
綾那さんの声はわりと好き。髪型は『げんしけん』の荻上を思い出す。
●国本はる乃(曲師 馬越ノリ子)『楽満寺』
先日、道楽亭で僕の心をがっちり捉えた はる乃さんはこの日も絶好調。子供が出来ずに「鍬が」「畑が」とけんかしていた夫婦が、子宝授かってよかったね、というなんか変な噺なのだけど、夫婦の会話が実にいい感じで、落語っぽくもあるけどグッとメロディアス。
とにかく、こんなに楽しそうに唸ってくれるのは見ていてうれしい。
●木村勝千代(曲師 水乃金魚)『少年の歌(新作)』
自称美魔女、他称美人の勝千代師匠。
修学旅行生がカメラをなくして、地元の子が拾ってたら盗んだと言われ……。
むかしあった、教育テレビの子供向けドラマのような。
いやあ、こんな題材も浪曲になるんですね。
楽しめたけど、あれはコンデジなのか写ルンですなのか。
●玉川福助(曲師 伊丹秀俊)『忠治山形屋』
ネタおろしだったとかで、ところどころ流れが乱れている感じがしたが、大ベテラン曲師の伊丹秀俊師匠の見事な撥捌きでぐっと聴かせるものに。
仲入り
なぜかアイスもなかの販売があり、これがまたよく売れる。謎。
●玉川太福(曲師 水乃金魚)『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』
それまで設置されていたボーカルマイクが撤去され、師匠福太郎の得意ネタ(でしたよね)。
これは見事だった。
今まで聴いた中では、太福さんの声の魅力が一番生きる演目だった。
●神田京子『南部坂雪の別れ』
浪曲の定席には講談が一人入るものらしい。
京子先生、結構笑い取りに行くんですね。受けてた。
でも本編はしっとりと。
義士伝はいいやね。
●天津ひずる(曲師 伊丹秀俊)『雨の山科』
で、こちらもしっとりと義士伝なんですが、マイクがC-38Bから単一指向性の、よく見るヴォーカルのマイクになっている。
と思ったら、終わりかかりのところでなんとカラオケが流れる!
ハンドマイクで唄う!これが歌謡浪曲か!
名人・伊丹秀俊がいるのに!
なんかもったいない気がしたけど、これはこういうもんなんだろうなあ。
●澤孝子(曲師 佐藤貴美江)『竹の水仙』
出ました大看板。前・浪曲協会会長。もうかなりのお歳かと思うけど若々しい。親しみと品が絶妙にミックスされた佇まい。こんなにうまく歳を取れる人は少ないだろう。
ちょうど来日していたトランプの娘が素敵とかなんとか、たわいもない話もあの声で言われると何とも気持ちいい。
竹の水仙は、浪曲では京山幸枝若(初代)の笑いの多い録音を聴いたことがあるけど、孝子師匠もしっかり笑わせて、でも余裕と品があるのが素敵。
というわけで、改めて思ったけど講談・落語・浪曲の三大話芸はお互いに影響しながら進化しているので、落語好きな人は浪曲もぜひ聴いて欲しい。音のいい木馬亭がベストだと思う。
昔からのファンに聴いたところによると、木馬亭、やはり客が増えているらしい。
来ますよ、これは。
追記
実は当日、こんな取材も来てました。
コメント一覧
1. Posted by ますめっど 2017年12月29日 23:12
がっつり浪曲だけ聴くと、いろんなタイプのネタがあったり 流派の違いがあったりで面白いですな。
2. Posted by 4k
2017年12月30日 02:07
ほんとそうなんですよね。これからいろいろ聴いてみたいです。