2017年10月15日
末廣亭に溢れかえった創造と調和 第三回ソーゾーシー 2017/09/01
いやあ、この企画を末廣亭で聴けるなんて夢のよう。
瀧川鯉八・立川吉笑・玉川太福『ご挨拶』
春風亭昇々『再就職試験』
瀧川鯉八『科学の子』
立川吉笑『電子ヤンキー〜遺影屋』
玉川太福『地べたの二人〜深夜寄席』(曲師 玉川みね子)
2階席使っているかは見なかったけど1階は桟敷まで含めてほぼ満員
●瀧川鯉八・立川吉笑・玉川太福『ご挨拶』
幕前に三人登場。末廣亭でこの企画を実現させた鯉八さんが威張る威張る。威張っていいよね。
今日は全員ネタおろし!
●春風亭昇々『再就職試験』
ポンキッキーズ出演でますますメジャー街道を進むこのチームのリーダー昇々さん。なんか聴くたびに面白くなっている。
面接に入ったのであれ、これネタおろしなのかな?と思ったら「再」就職だった。面接に来たお父さんが嘘ばっかりつくので話が何回転も回転。最後の着地はひねりすぎのような気もしたけど、そこまでの爆笑はいささかも損なわれていない。凄いね。
●瀧川鯉八『科学の子』
鯉八さんはどうしてこの完成度でネタおろしできるのだろう。弱いところが一つもない。完璧ですよ。ネタを練りに練って、さらに稽古も相当積んでいるのではないだろうか。
AIブームを見事に落とし込んで、人間の駄目さ加減を可愛らしく描くという、とてもとても落語的な落語。
イタリア旅行後の鯉八さんは、独自の鯉八ワールドはそのままに、より多くの人が共感できる作品を作るようになったと思う。このネタを浅草の夜席で掛けて欲しい。
●立川吉笑『電子ヤンキー〜遺影屋』
何度聴いても面白い「ゲリラ落語」のまくらからの『電子ヤンキー』は、尺の調整のために無理に『遺影屋』にくっつけた感がある。今後は別の噺としてやるのではないか。
『遺影屋』はいつもの吉笑さんの「バリエーションを無茶に増やす」パターンだけど、話が遺影だけにどこかしみじみする空気が漂い、最後にグッと寂しくなる、オチで涙ぐんだ人もいるのではないか。
●玉川太福『地べたの二人〜深夜寄席』 (曲師 玉川みね子)
末廣亭の高座に浪曲が出るのは師匠の玉川福太郎以来、そのときの曲師もみね子師匠だったと。
いつもの斎藤・金井の二人が、なぜか新宿、さらに末廣亭が舞台に。いつの間にか客全員が浪曲空間に取りこまれてしまう大仕掛け。
あくまで小市民二人しか出てこないストーリーなのに大仕掛け、これは太福さんの新作全てに通ずるコンセプトだが、引き起こされる笑いはものすごく、みね子師匠の唸る太棹がさらに盛り立てる。末廣亭でこんなに浪曲が受けていること、これがもう、間違いなく快挙なのだ。
太福さんは、浪曲が失ったものを再び取り戻すために戦っている。そう思った。
最後に記念写真コーナー。ネット掲載は不可なのであしからずご了承ください。
まさに四者四様の新作世界の中で、それぞれの世界がわずかずつ重なり、全体として何か調和しているように見えるのが面白い。
ちょっとだけ、しかし確実に、「演芸という宇宙」が拡大した、そんな夜だった。
●瀧川鯉八・立川吉笑・玉川太福『ご挨拶』
幕前に三人登場。末廣亭でこの企画を実現させた鯉八さんが威張る威張る。威張っていいよね。
今日は全員ネタおろし!
●春風亭昇々『再就職試験』
ポンキッキーズ出演でますますメジャー街道を進むこのチームのリーダー昇々さん。なんか聴くたびに面白くなっている。
面接に入ったのであれ、これネタおろしなのかな?と思ったら「再」就職だった。面接に来たお父さんが嘘ばっかりつくので話が何回転も回転。最後の着地はひねりすぎのような気もしたけど、そこまでの爆笑はいささかも損なわれていない。凄いね。
●瀧川鯉八『科学の子』
鯉八さんはどうしてこの完成度でネタおろしできるのだろう。弱いところが一つもない。完璧ですよ。ネタを練りに練って、さらに稽古も相当積んでいるのではないだろうか。
AIブームを見事に落とし込んで、人間の駄目さ加減を可愛らしく描くという、とてもとても落語的な落語。
イタリア旅行後の鯉八さんは、独自の鯉八ワールドはそのままに、より多くの人が共感できる作品を作るようになったと思う。このネタを浅草の夜席で掛けて欲しい。
●立川吉笑『電子ヤンキー〜遺影屋』
何度聴いても面白い「ゲリラ落語」のまくらからの『電子ヤンキー』は、尺の調整のために無理に『遺影屋』にくっつけた感がある。今後は別の噺としてやるのではないか。
『遺影屋』はいつもの吉笑さんの「バリエーションを無茶に増やす」パターンだけど、話が遺影だけにどこかしみじみする空気が漂い、最後にグッと寂しくなる、オチで涙ぐんだ人もいるのではないか。
●玉川太福『地べたの二人〜深夜寄席』 (曲師 玉川みね子)
末廣亭の高座に浪曲が出るのは師匠の玉川福太郎以来、そのときの曲師もみね子師匠だったと。
いつもの斎藤・金井の二人が、なぜか新宿、さらに末廣亭が舞台に。いつの間にか客全員が浪曲空間に取りこまれてしまう大仕掛け。
あくまで小市民二人しか出てこないストーリーなのに大仕掛け、これは太福さんの新作全てに通ずるコンセプトだが、引き起こされる笑いはものすごく、みね子師匠の唸る太棹がさらに盛り立てる。末廣亭でこんなに浪曲が受けていること、これがもう、間違いなく快挙なのだ。
太福さんは、浪曲が失ったものを再び取り戻すために戦っている。そう思った。
最後に記念写真コーナー。ネット掲載は不可なのであしからずご了承ください。
まさに四者四様の新作世界の中で、それぞれの世界がわずかずつ重なり、全体として何か調和しているように見えるのが面白い。
ちょっとだけ、しかし確実に、「演芸という宇宙」が拡大した、そんな夜だった。
コメント一覧
1. Posted by ますめっど 2017年10月15日 21:53
鯉八さんの“科学の子” 先月のシブラクで聴きました。 「博士!ロボようこのクオリティ、高くねぇ?」って思いましたね。
2. Posted by 4k
2017年10月16日 00:30
いやほんとすべてのクォリティが高いです。すごい。