2016年11月13日
充実×充実! 第20回小正苑 小太郎・正太郎 ゲスト三三 2016/10/30
●柳家小太郎 春風亭正太郎 前説
「宿題をお互いに5つ出して、一つ選んでネタおろしする」システムの説明、をしながら二人でじゃれあう。
正太郎さんはツッコミができるのが強み。らく兵さんとの会でもそうだけど、小太郎さんが安心してボケられるのがよくわかる。
●春風亭正太郎『そば清』
だいぶ前に六本木で聴いたネタ。正太郎さんの多彩な技が楽しめる。清兵衛の「だうもっ」も適度なイヤミっぽさが実にいい。
翌日の浅草演芸ホール二ツ目バトルでこの噺を掛ける予定が、他の人とネタが付いたので急きょ『堪忍袋』に切り替えて、そのまま優勝しちゃったとか。さすが。
●柳家小太郎『シゲル』
この噺ずっと聴きたかったんですよ。
寿限無改作というか、寿限無をベースにした新作というか。
案の定、面白くて面白くて、ゲラゲラ笑っちゃった。
もちろん妖怪の名前をずらっと並べる言い立てが面白いんだけど、中に「会社員山田」が混ぜてあるあたりがたまらない。名前考えてもらっているのにいきなり殴るところとか、もう大好きですね。
●柳家三三『元犬』
出てきていきなり「ええー、普通の落語を」。これだけで客席大爆笑。
ほお、元犬かあと思ったらこれが絶妙の三三風味。強制的にお手をさせられれながらだんだんそれに慣れていくところがもう絶妙に面白く、落ちにはびっくりの工夫。
軽めの噺で、凄みすら感じる独創的な滑稽を見せつけてさっと帰るのは、この会のゲストに相応しい。
仲入り
●柳家小太郎『鰍沢』
10/15の『シェアする落語』のトークで小太郎さんから「師匠に、お前がこの噺に挑むというのは良いと言われた」と聞いていたので、なにかなあと思ったら鰍沢!
前半、寒さの描写がとても細かい。このあたりが小太郎さんのテクニシャンぶり。ここでしっかり仕込んでるので、後半「雪の逃亡劇」に迫力が出てくるわけで。
あともと花魁がいいなあ。寂しさと色気と強欲がちょうどいい感じで。
もう少し、終盤に向けて徐々に盛り上がってくる緊張感が欲しいところだけど、ほころびなくきっちりまとめてあり、さすがは小太郎さん。見事なもんだ。
●春風亭正太郎『芝浜』
もうずっと前から小太郎さんからのリクエストが出ていて「この会は正太郎に芝浜やらせるためにやってる」とまで言われていたので、あ、やっちゃうんだと少しびっくり。
正太郎さんらしいさっぱりと爽やかな芝浜。時間は結構かけているのに聴いていて疲れない。ドロドロしたところが全然ない。終盤、僕の嫌いなセリフ二つもちゃんとカットされていて「あんまり好きじゃない噺」が心地よく楽しめた。
なにがいいって今の春風亭正太郎で演じているところがいい。今の春風亭正太郎の充実ぶりが噺に出ている。ここから熟成が始まるのかと思うとわくわくする。
前半に軽い噺ふたつでゲスト挟んで後半に大ネタという構成はどうなんだろうと思っていたが、これがピタリとはまって実に楽しめる会になった。
『シェアする落語』を通じで小太郎さんを知り、この会に足を運んだ方もいて、これについては僕はちょっと誇りにしているわけですよ。正太郎さんをうちの会で初めて聴いた人もいるだろうしね。
次回の宿題は三三師から。
いいとこつきますねえ。
「宿題をお互いに5つ出して、一つ選んでネタおろしする」システムの説明、をしながら二人でじゃれあう。
正太郎さんはツッコミができるのが強み。らく兵さんとの会でもそうだけど、小太郎さんが安心してボケられるのがよくわかる。
●春風亭正太郎『そば清』
だいぶ前に六本木で聴いたネタ。正太郎さんの多彩な技が楽しめる。清兵衛の「だうもっ」も適度なイヤミっぽさが実にいい。
翌日の浅草演芸ホール二ツ目バトルでこの噺を掛ける予定が、他の人とネタが付いたので急きょ『堪忍袋』に切り替えて、そのまま優勝しちゃったとか。さすが。
●柳家小太郎『シゲル』
この噺ずっと聴きたかったんですよ。
寿限無改作というか、寿限無をベースにした新作というか。
案の定、面白くて面白くて、ゲラゲラ笑っちゃった。
もちろん妖怪の名前をずらっと並べる言い立てが面白いんだけど、中に「会社員山田」が混ぜてあるあたりがたまらない。名前考えてもらっているのにいきなり殴るところとか、もう大好きですね。
●柳家三三『元犬』
出てきていきなり「ええー、普通の落語を」。これだけで客席大爆笑。
ほお、元犬かあと思ったらこれが絶妙の三三風味。強制的にお手をさせられれながらだんだんそれに慣れていくところがもう絶妙に面白く、落ちにはびっくりの工夫。
軽めの噺で、凄みすら感じる独創的な滑稽を見せつけてさっと帰るのは、この会のゲストに相応しい。
仲入り
●柳家小太郎『鰍沢』
10/15の『シェアする落語』のトークで小太郎さんから「師匠に、お前がこの噺に挑むというのは良いと言われた」と聞いていたので、なにかなあと思ったら鰍沢!
前半、寒さの描写がとても細かい。このあたりが小太郎さんのテクニシャンぶり。ここでしっかり仕込んでるので、後半「雪の逃亡劇」に迫力が出てくるわけで。
あともと花魁がいいなあ。寂しさと色気と強欲がちょうどいい感じで。
もう少し、終盤に向けて徐々に盛り上がってくる緊張感が欲しいところだけど、ほころびなくきっちりまとめてあり、さすがは小太郎さん。見事なもんだ。
●春風亭正太郎『芝浜』
もうずっと前から小太郎さんからのリクエストが出ていて「この会は正太郎に芝浜やらせるためにやってる」とまで言われていたので、あ、やっちゃうんだと少しびっくり。
正太郎さんらしいさっぱりと爽やかな芝浜。時間は結構かけているのに聴いていて疲れない。ドロドロしたところが全然ない。終盤、僕の嫌いなセリフ二つもちゃんとカットされていて「あんまり好きじゃない噺」が心地よく楽しめた。
なにがいいって今の春風亭正太郎で演じているところがいい。今の春風亭正太郎の充実ぶりが噺に出ている。ここから熟成が始まるのかと思うとわくわくする。
前半に軽い噺ふたつでゲスト挟んで後半に大ネタという構成はどうなんだろうと思っていたが、これがピタリとはまって実に楽しめる会になった。
『シェアする落語』を通じで小太郎さんを知り、この会に足を運んだ方もいて、これについては僕はちょっと誇りにしているわけですよ。正太郎さんをうちの会で初めて聴いた人もいるだろうしね。
次回の宿題は三三師から。
いいとこつきますねえ。