2016年11月03日

講談のダンディズム そのかっこよさ 愛山ゆずりの会 2016/10/10


駿菊師の西新井大師から亀戸に移動。
前からずっと聴いてみたかった神田愛山先生。それがこんなスペシャルな企画で。
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立川寸志『西行鼓ヶ滝』
玉川奈々福『花戸川助六伝 助六と松鶴屋』
柳家喬太郎『小政の生い立ち』

仲入り

神田愛山『御三家三勇士  三十三間堂誉の通し矢』 


●立川寸志『西行鼓ヶ滝』
師匠・立川談四楼師と愛山先生は古くからのお付き合いということもあり、前座時代から愛山先生とお仕事をして、噺も教わってきた寸志さん。もっと落語らしくやっている人が多い中で、講談の香りをしっかり残した落ち着いた『鼓ヶ滝』けっこうです。


●玉川奈々福『花戸川助六伝 助六と松鶴屋』

生の奈々福さんは初めて。今日は曲師(浪曲の三味線)がいない。ということは!
これが実に迫力ある、凄みの効いたいい助六で、楽しめました。
男と男がてめえのプライドをかけてガツんとぶつかる迫力は、落語にはない世界。


●柳家喬太郎『小政の生い立ち』
いやあ、こんな至近距離でキョン師。目の前。
なにしろ師は落語でできることは何でもやる人なので、こうした講釈種も実にうまくこなす。
まくらで村上春樹の話なとでわかせておいて、噺のなかでも外の救急車の音をうまく取り込んで絶妙の対応力。さらに自らのミスを見事に(?)笑いに持ち込むあたりは絶妙。
虚構と現実の間を自由に行き来できるのは、僕が知ってる限りは喬太郎師だけだと思う。
そして講釈をきちんと落語に練り直しているところもさすが。


仲入り


●神田愛山『御三家三勇士  三十三間堂誉の通し矢』
やったー。はじめての愛山先生。
稽古に来る松之丞さんを「犯罪者みたい、声が大きくて近所迷惑」とか言いつつ、可愛がってるんだろうなあ。浪曲と講談の関係、講談におけるダンディズムなどのまくら(講談でまくらっていうのかな)、からしてその落ち着いた渋い語りにゾクゾクする。

ネタがねえ、これがまたいいんですよ。
勝利・成功だけを求めることを良しとしない男のダンディズムが会場に充満するようなその語り口。
一言で申し上げますと(パン)かっこいい!
 ハードボイルドの美学ですねえ。
松之丞さんの迫力も、陽子先生の可愛らしさも、鯉栄先生の気風の良さも好きだけど、愛山先生のかっこよさはまた格別。

もう惚れた。愛山先生に惚れた。
またぜひ聴いてみたい、ぜひぜひ。 


シェアする落語 : シェアする落語第15回スペシャル 三遊亭橘也&立川寸志 2016/12/10 #落語



m_shike at 11:05コメント(2)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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コメント一覧

1. Posted by ますめっど   2016年11月03日 16:05
今、愛山先生しか持ってないネタも結構あるとか。
松鯉先生といい愛山先生といい、ご自分の会がありながら、若手にどんどん話を教えていますね。
豊子師匠が骨折したくらいの頃ですよね。
2. Posted by 4k    2016年11月06日 09:33
そうですそうです。骨折直後です。

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