2016年05月15日
下剋上の「上」はもっと上 桂宮治 雷門音助 下剋上!?二人会 2016/05/14
日暮里はほんとに久しぶり。
音助さん二ツ目昇進を記念した宮治さんとの二人会。
実はこのお二人『シェアする落語 第7回 桂宮治』の出演者であり、音助さんは『シェアする落語』唯一の前座出演者なのであります。
裏を返さないと分からないもの シェアする落語 第7回 桂宮治 2014/09/13:裏[4k](ura_shike)落語・酒・デジタル など
古今亭今いち『旅行日記』
雷門音助『真田小僧』
桂宮治『お見立て』
仲入り
桂宮治 雷門音助 口上兼トークバトル
桂宮治『子別れ(五分版)』
雷門音助『不動坊』
お客はほぼ満員。宮治さんに言わせると「出している椅子の量で調節」らしいけど。
●古今亭今いち『旅行日記』
初めて。もうすぐ二ツ目。今輔師の弟子ということで新作派。
いわゆる昭和な芸協新作は、設定が古すぎるのに現代として演じられたりして好きではない噺が多いのだが、これはそれほど設定に無理がないのと、今いちさんのちょっとレトロな感じの佇まいとの相性がいい。なんか雰囲気がはまっている。
●雷門音助『真田小僧』
宮治兄さんは大変お世話になってて、貰った仕事が月収の半分だったことがあると。ありそうな話。
何度見てもこの人の高座は爽やかで、ふつうのことをふつうにやってきちんと笑いが取れるのが凄い。無理なことをしない。それでいて面白い。ただこのときは、ちょっと緊張気味か。噛むところが多かった。リズムは崩れないので、気にはならないんだけどね。
●桂宮治『お見立て』
病み上がりに昼間三席こなしてきたと。こういうコンディションの悪い時に宮治さんは逆に力が入る。
入りすぎたかな。しかしながら台詞を完全に間違えたところを逆手にとってのアドリブで大爆笑を引っ張り出すのは流石。喜助が木兵衛大尽の言動につい笑っちゃうところが宮治さんらしい。こういう「ついやっちゃう」に見える人間のダメさを描くのが落語だと思う。『悋気の火の玉』でついたばこ吸いたくなっちゃうみたいな。
仲入り
●桂宮治・雷門音助 口上兼トークバトル
5月16日に内幸町ホールで開かれる正式な昇進披露落語会に向けた口上の練習……とかとか。
まあ、バトルというにはほんわかしたトーク。音助さんが爽やかすぎてあまり崩すところがないのね。宮治さんがいうとこの「黒音ちゃん」は少ししか見えなかったような。むしろ音助さんの同期が……みたいな話で宮治さんは笑いを稼ぐ。いろいろいじりながらも、宮治さんの言葉には頼れる弟分・音助さんへの愛情が感じられる。
最後は芸協を盛り立てて行こうと。うん。期待しています。
●桂宮治『子別れ(五分版)』
1分半でそれまでの粗筋を喋って、「金槌でぶつよ!」から。ほんとに五分で収めて、こしら師の高速落語みたいな。まあ座興でしょうけど見事なもの。
ただどうしてもシリアスなシーンでちょっと芝居っぽく見えちゃうのが宮治さんの特徴で。
逆に芝居仕立ての入る噺やればいいんじゃねと思ってたら。今度6/29国立演芸場で『宮戸川・通し』掛けるんですよ。これは楽しみだなあ。行けるかなあ。行きたいなあ。
●雷門音助『不動坊』
音助さんはある意味宮治さんと好対照。噺をいじらない、オーバーアクトしない。それでいてこういう若い奴がワーワーいう噺を鮮やかに語り、楽しませてくれるのが凄い。笑えるだけじゃなくてほほえみもくれる、そんな落語。
もちろんもっともっと完成度を上げてほしいとは思うけど、この爽やかさ、自然さは得難い個性として残ってくれるといいな、いや、残るでしょう。
前述『シェアする落語』で袖から宮治さんの高座をじーっと、食い入るように見ていた前座時代の音助さん、その姿がいまだに忘れられない。
トークで宮治さんの言っていた通り、成金メンバーを下から突き上げる存在になってほしい。変わらなきゃいけない「上」はさらにその上にいるのだろうけど。
先々楽しみですよ。
●古今亭今いち『旅行日記』
初めて。もうすぐ二ツ目。今輔師の弟子ということで新作派。
いわゆる昭和な芸協新作は、設定が古すぎるのに現代として演じられたりして好きではない噺が多いのだが、これはそれほど設定に無理がないのと、今いちさんのちょっとレトロな感じの佇まいとの相性がいい。なんか雰囲気がはまっている。
●雷門音助『真田小僧』
宮治兄さんは大変お世話になってて、貰った仕事が月収の半分だったことがあると。ありそうな話。
何度見てもこの人の高座は爽やかで、ふつうのことをふつうにやってきちんと笑いが取れるのが凄い。無理なことをしない。それでいて面白い。ただこのときは、ちょっと緊張気味か。噛むところが多かった。リズムは崩れないので、気にはならないんだけどね。
●桂宮治『お見立て』
病み上がりに昼間三席こなしてきたと。こういうコンディションの悪い時に宮治さんは逆に力が入る。
入りすぎたかな。しかしながら台詞を完全に間違えたところを逆手にとってのアドリブで大爆笑を引っ張り出すのは流石。喜助が木兵衛大尽の言動につい笑っちゃうところが宮治さんらしい。こういう「ついやっちゃう」に見える人間のダメさを描くのが落語だと思う。『悋気の火の玉』でついたばこ吸いたくなっちゃうみたいな。
仲入り
●桂宮治・雷門音助 口上兼トークバトル
5月16日に内幸町ホールで開かれる正式な昇進披露落語会に向けた口上の練習……とかとか。
まあ、バトルというにはほんわかしたトーク。音助さんが爽やかすぎてあまり崩すところがないのね。宮治さんがいうとこの「黒音ちゃん」は少ししか見えなかったような。むしろ音助さんの同期が……みたいな話で宮治さんは笑いを稼ぐ。いろいろいじりながらも、宮治さんの言葉には頼れる弟分・音助さんへの愛情が感じられる。
最後は芸協を盛り立てて行こうと。うん。期待しています。
●桂宮治『子別れ(五分版)』
1分半でそれまでの粗筋を喋って、「金槌でぶつよ!」から。ほんとに五分で収めて、こしら師の高速落語みたいな。まあ座興でしょうけど見事なもの。
ただどうしてもシリアスなシーンでちょっと芝居っぽく見えちゃうのが宮治さんの特徴で。
逆に芝居仕立ての入る噺やればいいんじゃねと思ってたら。今度6/29国立演芸場で『宮戸川・通し』掛けるんですよ。これは楽しみだなあ。行けるかなあ。行きたいなあ。
●雷門音助『不動坊』
音助さんはある意味宮治さんと好対照。噺をいじらない、オーバーアクトしない。それでいてこういう若い奴がワーワーいう噺を鮮やかに語り、楽しませてくれるのが凄い。笑えるだけじゃなくてほほえみもくれる、そんな落語。
もちろんもっともっと完成度を上げてほしいとは思うけど、この爽やかさ、自然さは得難い個性として残ってくれるといいな、いや、残るでしょう。
前述『シェアする落語』で袖から宮治さんの高座をじーっと、食い入るように見ていた前座時代の音助さん、その姿がいまだに忘れられない。
トークで宮治さんの言っていた通り、成金メンバーを下から突き上げる存在になってほしい。変わらなきゃいけない「上」はさらにその上にいるのだろうけど。
先々楽しみですよ。