2015年07月26日
『いつも心に立川談志』(写真 橘蓮二 文 立川談四楼)
小説『談志が死んだ』では、老いて心の病を得て、もはや「談志」でなくなりつつあった師匠との愛憎を余すことなく描き切り、読者を圧倒した立川談四楼師匠が、今度は橘蓮二氏の写真に寄せる形で100%の敬愛の念を込めた、とても個人的な「師匠への手紙」を綴っている。
亡き師に語りかけるその言葉には、真っ直ぐでありながら洒脱にあふれ、気恥ずかしさや湿っぽさ、べったりした「お涙ちょうだい」ががまるでない。晴れ空の下の粉雪のようにキラキラと、言葉が輝いている。
さらに、師匠に語りかける回想や、師匠に自身や立川流の現状を報告する手紙のなかに、談志ファン・落語ファンにはたまらない逸話がしっかりと織り込まれている。
読み終えたあとに思う。
俺はかくも深く誰かを敬愛し、追悼することが出来るだろうかと。
……そしてふと橘連二氏の写真に目をやると、 「下らねえこと言ってんじゃねぇ。俺はそういうのが一番嫌いなんだ!」 という家元の声が聞こえてくる。
はい、すみませんでした。
四家正紀(しけ まさのり)@shikeいつまで待っても誰もレビューを書かないから書いた。当代随一の書評家でもある師匠の著作をご紹介するのは本当に緊張するし、緊張してもこの程度→立川 談四楼師 の いつも心に立川談志 を Amazon でチェック! http://t.co/8u4dlCdG28 #rakugo #落語
2015/07/26 15:14:47