2014年10月12日
前衛と王道 桂宮治vs立川吉笑(vol.5) 2014/10/05
台風の予報は出ていたが、まだ空はおとなしいもので、ちらちら雨が降っていただけ。
二日続けてらくごカフェ。

桂宮治vs立川吉笑 らくごカフェ 前売1500円
桂宮治 立川吉笑『トーク』
桂宮治『黄金の大黒』
立川吉笑『ぞおん』
仲入り
立川吉笑『茶法(仮題)(自然なお茶の飲み方の再設定)』
桂宮治『妾馬(八五郎出世)』
立川吉笑@tatekawakisshou
お茶のネタ、ゼミでは下西さんの講義を受けて『自然なお茶の飲み方の再設定』にしましたが、どういう名前にしようか決めかねてます。
2014/10/05 21:28:39
とりあえずらくごカフェさんの根多帳には『茶』とだけ書いときました。
ん〜『茶法(さほう)』かなあ。
●桂宮治 立川吉笑『トーク』
めでたく終了したフジテレビ『噺家が闇夜でコソコソ』の話とか、吉笑さんが笑いについて思い入れが強すぎてケンカしちゃう話とか。明らかに体調悪くてだるそうな宮治さんが、バカ話しているうちにだんだん元気になるのが面白かった。
●桂宮治『黄金の大黒』(挨拶まで)
●桂宮治『黄金の大黒』(挨拶まで)
お子さんの運動会の話が素敵に面白いまくらから噺へ。こういう、いっぱい人が出てくる話も上手なんだよねえ。声はやや嗄れ気味であるものの、いつも通り楽しい。ただ宴会始まる前に切ったので、無理とは思いつつ、最後まで聴きたかったなあと。
●立川吉笑『ぞおん』
まくらでぐるぐる言いよどむところが全くなくなった。まくらからちゃんと面白いし、本来のまくらの機能をちゃんと果たしている。●立川吉笑『ぞおん』
この『ぞおん』については、かなりあちこちで掛けていることを知っていたし(聴きに行けなくてもちゃんとチェックしているんですよ)これは吉笑さん本気でこの噺磨いてるんだなと思っていたから期待していたんだけど、期待以上に面白い噺になっていた。
たったひとつの小さなコアとなるロジックがどんどんどんどん落語的に滑稽に展開して行って、落語的にばっさり結論もなく下げる。いかにも立川吉笑らしい展開。特筆すべきは、自分の作った落語に自分が振り回されなくなったこと。メロディをあえて抑え、言葉の持つリズムの面白さを前面に出したヒップホップ型の落語は今どんどん進化している。良いです。
仲入り
●立川吉笑『茶法(仮題)(自然なお茶の飲み方の再設定)』
こちらは演目もまだ固まっていない新作。吉笑さんお得意の擬古典。余計な入れごとなしでグイグイ引っ張る。
って「お茶の飲みかたが分からない」ってだけなんだけどね。 『ぞおん』同様、コアとなるシンプルなロジックでグイグイ引っ張れるのはリズムが良いから。吉笑落語における大きなテーマ「考え過ぎ」もふんだんに盛り込まれて、この噺もまだまだ育つだろう。楽しみ。
こちらは演目もまだ固まっていない新作。吉笑さんお得意の擬古典。余計な入れごとなしでグイグイ引っ張る。
って「お茶の飲みかたが分からない」ってだけなんだけどね。 『ぞおん』同様、コアとなるシンプルなロジックでグイグイ引っ張れるのはリズムが良いから。吉笑落語における大きなテーマ「考え過ぎ」もふんだんに盛り込まれて、この噺もまだまだ育つだろう。楽しみ。
●桂宮治『妾馬(八五郎出世)』
独演会「宮治展」で、ほぼネタおろしを聴いたことがあり、その時もいい出来じゃないかと思ったんだけど、いやもう、けた違いに仕上がっていた。
素晴らしい!
門番も三太夫も田舎者仕立てなのは宮治さんらしい演出ともいえるけど、殿様がいい。まるで仏様のような目が素晴らしい。もちろん八五郎も素晴らしく、可笑しさともの悲しさの絶妙な出し入れにうっとりしてしまった。
もちろん、別に完成された芸じゃないんだろうし、まだまだ伸びしろがあることはなんとなくわかる。けれど、満足度がとてつもなく高かったんですよ。 ほんとによかった。
マイペースで前衛を行く吉笑さんと、 悪態と愛嬌をふりまきながら王道を行く宮治さん。
やっぱりこの二人からは目が離せない。
台風接近で打上げがなかったのは残念だけど、非常にいい会でございました。
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