2014年08月31日

古の銭湯に響く言葉  ときわ湯、わらいのくに・夏 2014 2014/08/30


今は営業終了してしまった船橋の銭湯『ときわ湯』で開催される音楽+落語のライブイベント。僕は三回目。
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The・ゴリアカラス ライブ
立川談吉 『野ざらし』
 はっと  ライブ


●The・ゴリアカラス ライブ
「前回が素晴らしかったので是非同じメンバーでやりたいと思いました」とトップバッターで登場。
過去三回、このときわ湯で体験させていただいたライブの中でも最高の出来。
静かなタイプの曲が多かったせいか、コントラバスがお休みだったせいか、PAの工夫か、原因は分からないけど、とにかくボーカルの言葉が前回までに比べたら圧倒的に届くようになった。ラストの『Frida』は激しいドラミングの前にやはり言葉は埋もれてしまうのだけど、その激情は十分に伝わってきた。


●立川談吉 『野ざらし』
銭湯なので全面タイル張りに高い天井。
エコーが効き過ぎて落語には圧倒的に不利な会場で、談吉さんは最初っからしっかりと自信を持って噺を繰り出す。
手慣れた小噺を次々と並べて客席を温め、銭湯の中に落語空間をしっかりと拵えると、繰り出した『野ざらし』はまさに絶品。留まる事を知らない唄い調子でグイグイ客を引っ張り、大川に出てからは得意の歌(サイサイ節)にエコーがかかってさらに艶っぽく馬鹿馬鹿しい。

以前から談吉さんの得意ネタではあるが、細かいところにさらに工夫があり、家元・談志を継承するところもあれば、ちょいちょいシュールな談吉センスもまぶされていて、出色の出来。大満足。

 
● はっと ライブ
前回この企画でその素晴らしい歌声と演奏で鮮烈な印象を残したシンガーソングライター・はっとさん。
今回も素晴らしい。
曲がちょっと前回と被り過ぎだったのが残念と言えば残念だけど、これだけシンプルなサウンドで、これだけシンプルな言葉で、これだけ素朴な感情をストレートに届かせることができるのは驚異的とすら思う。 坂本九の名曲『見上げてごらん夜の星を』のカヴァーから、父を待つ幼い息子の心中を歌い、家計の苦しさをブルーズで唸り、ラストの早逝した友人を悼む曲まで、まったくの外れなし。言葉が全部こちらに届くこの素敵さ。


それにしても素晴らしい会で、最後のはっとさんが演奏を終えた後にもう一回ゴリアカラスが出てきて、談吉さんが出てきて、最後にはっとさんが出てきて、同じことをもう一回繰り返してやってくれないかなと、そんな気分になった。


銭湯空間に響き渡る言葉たちの美しかったこと。 
いい会でした。やたらトークが上手い主宰さん(銭湯の長女)、ありがとうございました。 

m_shike at 19:30コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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