2013年10月30日

異端の大作が! お江戸なまらく両国亭 落語フリークスVol.3 立川こしら・瀧川鯉八 2013/10/27


船橋ときわ湯から総武線で両国へ。このパターン今年2回目。
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客入りはまずまず。

立川笑二『弥次郎』
立川こしら『反対車』
瀧川鯉八『鳥椿民俗学』

立川こしら 瀧川鯉八 トーク
瀧川鯉八『暴れ牛奇譚』
立川こしら『御神酒徳利』


●立川笑二『弥次郎』
うぉー。笑二さんだ。スーパー前座の登場に客席もどよめいた。こしら師はポッドキャストで笑二さんを高く評価していたし、別に出てきてもおかしくないんだけどね。
まくらから面白かったけど内容は忘れちゃった。
噺のほうは凄かった。北海道行かず東北、そして沖縄!米軍基地!いつもの談春師的な視点をサラッとずらすようなギャグから、談笑師的なエグい改作へとシフト。会に合わせていつもより攻めに回っていたのが頼もしい。いいものみちゃった。


●立川こしら『反対車』
写真を撮っている外国人がいる。米国の大学教授で、「日本文化」を紹介する本に乗せるのだとか。
こしら師はまくらでもちろんいじります。さらにいま販売を手がけているグルコサミンの話とか、面白いんだけど笑いどころがないので「みなさん全く興味ないですね」とブレイク入れて笑いをとる。いつも通り「五月の鯉の吹流し」と、その滅茶苦茶な英訳から噺へ。

えー、なんかジブリのようなシーンが挿入されました←ネタバレを避けるギリギリの表現。
超人的な車屋の「ぶっ飛んだ行動」に対して、乗ってる客によるツッコミの切れ味が相変わらずよくて、楽しい。

 
●瀧川鯉八『鳥椿民俗学』
まくらは、こしら師が通訳を無視してさっきの大学教授と英語でコミュニケーションを試みていたという話と、あとなんだっけな面白かったけど忘却。

先日のグズグズ寺でネタおろししたばかりの噺は傑作『暴れ牛奇譚』と同様に「壮大な無意味」の噺。

暴れ牛奇譚はメインが会話劇なのに対して、この噺は民俗学者が語る説話になっていて、特筆すべきはそのイメージ喚起力。全く見たことも聞いたことのない世界なのに、目に浮かぶとはこのことだ。下ネタやアカデミズムを持ち出したのもこの説話をより壮大なものにするための仕掛けだろう。そしてタミコ登場でクライマックスへ。

十分楽しめたが、二回目なので鯉八さんにしてはトチりが多く、演出がところどころ定まっていない気がした。落ちも改良できるかもしれない。これからが楽しみな噺。


仲入り


●立川こしら 瀧川鯉八 トーク
主にこしら師がまくらでするような話に鯉八さん合いの手を入れるという構成。
話題は軌道エレベーターとか、艦隊これくしょん(こしら師最高6位)とか、ポケモン(こしら師千葉県代表)とか、面白いっていうか興味深いっていうか。


●瀧川鯉八『暴れ牛奇譚』
そうか、このシリーズでは掛けてなかったんだ。まくら短めでスパンと噺へ。いつも通りの面白さ。いや、聴けば聴くほど面白い。先日のエンチョウ寄席・博士に聞けで客から指摘されていた鯉八さんの演技力にはっとさせられる。こしら師ファンもまあ喜ぶこと。


●立川こしら『御神酒徳利』
真打昇進披露でも掛けた大ネタ。登場人物の多い噺で、出てくる人が全員こしら江戸ワールドの住人。楽しいなあ。特にこの噺では女性が良くて、『火焔太鼓』と同じくらい変な占い好きのかみさんと、腹黒い小田原の女中のキャラが絶妙。
 
ただ名探偵コナン風のシーンはやや抑えられ、途中道中の宿屋が二つ追加されたがちょっと冗長だったかな。40分はいらなかったかも。


落語フリークスは 3回シリーズで今回が最終回。全部聴いちゃった。
この顔付けを作っていただいたなまらくのこう生さんに感謝。楽しかったです。

さすがに三回共演すれば、こしらさんも鯉八さんの名前くらいは覚えるんじゃないかなあ。どうでしょうか。
来年は鯉八さんは夢吉さんと、こしら師は神田松之丞さんとやるらしいですよ。 


m_shike at 23:01コメント(2)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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コメント一覧

1. Posted by ますめっど   2013年10月31日 13:30
こしら・松之丞ってのはスゴイ組み合わせですね。
2. Posted by 4k    2013年10月31日 13:35
もっと凄いのは、こしらさん、松之丞さんが講釈師だと知らなかったことです。松之丞さんを推薦した鯉八さんから聞いて、びっくりしてました。

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