『シェアする落語』次回は7/7です。

2013年09月12日

凌辱と寵愛 新作カフェVol.2 林家きく麿・瀧川鯉八 二人会 2013/09/08


似てるよなあ。
04
きく麿師匠の許可が出たので撮影しちゃいました。客席みんな撮ってて、シェアする落語みたいでした。

瀧川鯉八『暴れ牛綺譚』
林家きく麿『やぶのなか』(作 瀧川鯉八)

仲入り

瀧川鯉八『パンチラ倶楽部』(作 林家きく麿)
林家きく麿『エスパー集団』


●林家きく麿・瀧川鯉八『トーク』
冒頭の写真の通りなので、出てきただけで笑いが。
二人の馴れ初めの話から、いろんなひとから本人と間違えられたり兄弟だと思われたりした話が続々と。どれも面白い。会場すっかり温まって落語のほうへ。


●瀧川鯉八『暴れ牛綺譚』
いきなりこのネタ。ハコによって受け方がまるで違う噺だが今日の受け方は凄まじかった。
神田古書センタービルがグラグラ揺れるような爆笑。嬉しいなあ。大好きなんですよ。でも浅草演芸ホールで蹴られたのも観てますから。蹴られたというか呆気にとられていた感じだったけど。

まくらを軽くしてややコンパクトにまとめていたが、ほぼいつも通り。
それでこれだけ受けるんだから「きく麿ファンに鯉八が受け入られた」ということなのかなと。

大好きな噺が受けてるのは嬉しい。ほんとに。


●林家きく麿『やぶのなか』(作 瀧川鯉八)
生で聴かせていただくのは初めて。
オレンジ色のノートを持って登場「CDで覚えたので上下が分かりません」「あたしはこの前バツイチになりまして」と短いまくらでこの噺へ。

これも好きな噺で、他の落語家がやっているのを聴くだけで感慨深い。
やはり膝の角度を微妙に変えて四人の独白を演じ分けるのは難しく、しかも途中で台詞が抜けてしまい、ノートを見るという暴挙に(笑)これが三回目までは笑いにつなげてよかったけど、さすがに四回超えるとグダグダ感が。ご本人も言っていた。さらに「いいもの、ネットに書かれてもいいもの!」とセリフの中でブチ切れて、またこれが面白くて。

まー難しい噺ですよ。全部独白なんですから。四人目のキャラを鯉八さんとは違うやり方で演じていたのが後半から同じになっちゃったり、グダグダでしたが、これはこれで面白かった。


仲入り


後半はきく麿ワールドへ
●瀧川鯉八『パンチラ倶楽部』(作 林家きく麿)
「育て上げた可愛い娘が、目の前でいたずらされているような気持になりました」ぶはははは。もともと鯉八さんは自分の噺を他人に提供するのには結構抵抗があるほうなんだよな。

で、この日唯一のちゃんと作りこんだまくら「福井の茶道」面白いけどさらりと切り上げて噺へ。
きく麿師匠のオリジナルを聴いたことがないので比較できないのが残念だが、いやあ、面白かった!
ただの変態中年の話なのに微妙な悲哀があり、その上に、多分鯉八さん独自のシュールな味が載せてくる。

あまりにも独創的なので鯉八さんと来るとその創作能力が話題に上るが、落語技術も素晴らしい。登場人物一人一人をきれいに描き分ける力がある。それを見せつけるような一席で、この日一番楽しめた。


●林家きく麿『エスパー集団』
「育て上げた可愛い娘を、ちゃんと可愛がって貰いました。こっちはなんか凌辱しちゃったような」まあそうですね。
戦隊もの、キレンジャーの謎に関する話をまくらに、仕事をクビになり彼女に捨てられたダメ男を助けるエスパー集団「浪漫組」の活躍を描く冒険活劇へ。いや冒険はウソか。

面白いです、シュールな薬味も感じられるけど、どちらかというと東京の喜劇、浅草っぽさがなぜか感じられる創作落語。


最後に二人で軽く〆のトーク。きく麿師が鯉八さんに凌辱を謝罪して「本当は『やぶのなか』はもっと面白い噺だよ。ちゃんと覚えてもう一回やる」と宣言。この会も「どっちかが太ったり痩せたりして、似てない顔にならない限りはまたやりましょう」と。


何が嬉しかったって、とにかく鯉八さんが受けたこと。
きく麿師の代表作をきちんと語りきって爆笑をさらったこと。作家としての才能だけじゃなくて落語家としての力量が凄いんだよ、鯉八さんは。
きく麿師『陳宝軒』とか、またいろいろ聴いてみたいですな。


こちらのインタビューもぜひどうぞ。
【スペシャルインタビュー】林家きく麿・瀧川鯉八



m_shike at 08:30コメント(0)トラックバック(0)落語  このエントリーをはてなブックマークに追加

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