『シェアする落語』次回は7/7です。

2013年08月18日

入れ替わる空気 れふかだ落語会 鯉八・宮治二人会 2013/08/14


新作古典の若手二人会としてはベストの組み合わせなんじゃないかな。 2013年08月17日00時05分04秒.jpg

初めて行ったレフカダは、新宿花園神社に近いライブハウスのようなスペース。
中に売店があって開演前と仲入りには飲み物が買える。 この日はNOTTVの収録があったらしいけど、あんまり関係なかったような。

瀧川鯉八『魔術』(新魔術 改め)
桂宮治『ちりとてちん』

仲入り

桂宮治『金明竹』
瀧川鯉八『笑う太鼓』


●瀧川鯉八『魔術』(新魔術 改め)
まくらから始まる鯉八ワールドはこの日も絶好調。笑いながら煙に巻かれている客。
この噺は3回目。ストーリーが展開しそうで「できない」筋立ては星新一を連想させる。

初めて聴いたときはこの続きがあったんだけど最近はカットているみたい。完全版(?)もまた聴いてみたい。

打上げの席で『新魔術』から『魔術』に演目変更が発表されたそうな。もともと「新」がついている意味がよくわかんなかったんだよな。


●桂宮治『ちりとてちん』
「仲間の間でも鯉八兄さんとやるのはほんとにやりづらいと」なるほどねえ。しかしパワフル宮治はあっという間に空気を一新させる。流石ですなあ。たっぷりのまくらは引っ越しの話を中心にバラエティに富みながら決して散漫にならない。グルーヴにグルーヴが重なっていく。
噺のほうは、こういう言い方はつまんないんだけどケチ付けようないんだよな。全部面白い。
一つだけ挙げると六さん(だっけ?嫌な奴のほう)がさんざんケチ付けながら鯛や鰻を旨そうに食うところ、絶品ですね。横を向いて食うというところがいい。
たっぷり笑いました。


仲入り


●桂宮治『金明竹』
こっちもすごかった。あの言い立ては相当の稽古あってのものでしょう。「こういう言い立ては速く喋ったほうが面白い」と判断すれば、宮治さんは徹底して速くしてくる(一度ほーんのちょっととちったけど)。凄いね。ストレートな金明竹でこんなに笑ったのも久しぶり。


●瀧川鯉八『笑う太鼓』
ぐーっと空気が宮治化している中で登場し、またまたあっという間に自分の空間を作り替えるところが楽しい。「みなさん蘭丸知ってますか」と森蘭丸のエピソードを延々と語って笑いが取れるなんて鯉八さんくらいでしょう。 
噺のほうは2回目かな、幇間(たいこもち)に飽きたダンナのための「芸」を披露する幇間コイパチの噺。なんでこんな微妙な噺で笑いが取れるのか。
ひょっとすると「僕の落語会に来てくれる人は今の落語に飽きている人、だからこんな落語をどうぞ」という含みもあるんですかね。だから幇間の名前がコイパチなのかな。 


二人の芸協二ツ目が出るたんびに空気をさっと入れ替えて、客を巻き込んでいく。笑いながら落語という芸能が持っている幅の広さを感じることができる、いい会でございましたよ。


m_shike at 11:40コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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