2013年08月18日
真夏に泣ける人情噺 第189回 立川談四楼独演会 13/08/15
夏休みなので平日の落語が楽しめるのが嬉しい。
それも「落語会」としては一番好きな、立川談四楼師の独演会。
立川笑二『かぼちゃ屋』
立川長四楼『権兵衛狸』
立川春樹『饅頭怖い』(まんじゅうこわい)
立川談四楼『濱野矩随』 (浜野矩随)
仲入り
立川談修『宮戸川』
立川談四楼『一回こっくり』
●立川笑二『かぼちゃ屋』
前座らしからぬふてぶてしい安定感と、自作のくすぐりに見える類稀なるセンス。
毎度のことですな。
珍しくちょっと噛んでいたけど、この日一番笑いが多かった高座。
●立川長四楼『権兵衛狸』
とても丁寧にしっかりと組み立てられた権兵衛狸。なんと桂文字助師の仕込みだそうですよ。
目をつぶりすぎるのが気になるけど、徐々に長四楼さんの色が出てきたような。
もともとありすぎる貫禄と、にじみ出てくる可愛らしさ。
●立川春樹『饅頭怖い』
三人目にしてやっと前座らしい前座が。師匠譲りの歯切れ良さを感じさせつつ、若者らしい爽やかさがいいなあ。途中思い切り一回とちって、そこが一番受けてたけどね。
●立川談四楼『濱野矩随』 (浜野矩随)
いつもこの出番ではたっぷりのまくらで楽しませていただくわけですが、今回は短め。それもそのはず大ネタですよ。立川こはるさんの二ツ目昇進記念@あかぎ寄席でも師匠はこの噺を掛けていたので、ゲスト・立川談修師へのはなむけかも知れない。夏風邪とのことだったが全く感じさせず、むしろ声の艶は前にも増して輝かんばかり。母親の愛情に涙が。
談四楼師の濱野は、終盤に独自のアレンジがしてあるので、後味がとてもいい。
一方でこの日の二席がどちらも人情噺だったので、僅かな間やくすぐりをチューニングすることで笑いをやや多めにしているあたりがベテランの味。
仲入り
●立川談修『宮戸川』
前座として二回目の高座を務めたのがこの談四楼師独演会だったという談修師は、得意ネタをたっぷりと。けっして尖らない、ふわりと笑いを誘発する懐かしいリズムの語りにさらりと差し込まれる現代感覚。
談修師自作の落ちはその最たるものだけど、あの間、あの間で言わないと面白くもなんともないはず。
やはりやはり、先が楽しみな方です。
●立川談四楼『一回こっくり』
トリネタはネタだし済。
おかみさんがいい。前半の沈んだ様子と、再会のクライマックス、そして幸福へ。多分あと何回聴いても、同じところで泣いてしまう気がする。
感情をやや抑えながらも緩急を使い分け、しっかりと心に届く語り口のなかで、ときに笑いをはさみながら構築される談四楼師・文芸落語の世界。
どっぷりと浸ることができた。
毎年夏に一度は聴きたい。これと『ぼんぼん唄』は夏に泣ける落語の最高峰。夏は怪談噺より人情噺ですよ。
また、長く続いている会ならではのいいお客さんが、この名演をさらに盛り上げていた気がする。
今回からマイクが採用されて、エアコンの雑音が入っても談四楼師匠の細かい声のニュアンスがしっかり届くようになった。反面、若い落語家が声を張ると、わずかだがハウリングが起きる。実はマイクを入れたらといったのは僕なので、ちょっと責任を感じつつも、でも聴こえることの喜びのほうがずっと大きい。
お後の懇親会も師匠ご本人や落語好き同士で盛り上がり、大満足。
いつものことですが、いい会でした。
自著にサイン。
前座らしからぬふてぶてしい安定感と、自作のくすぐりに見える類稀なるセンス。
毎度のことですな。
珍しくちょっと噛んでいたけど、この日一番笑いが多かった高座。
●立川長四楼『権兵衛狸』
とても丁寧にしっかりと組み立てられた権兵衛狸。なんと桂文字助師の仕込みだそうですよ。
目をつぶりすぎるのが気になるけど、徐々に長四楼さんの色が出てきたような。
もともとありすぎる貫禄と、にじみ出てくる可愛らしさ。
●立川春樹『饅頭怖い』
三人目にしてやっと前座らしい前座が。師匠譲りの歯切れ良さを感じさせつつ、若者らしい爽やかさがいいなあ。途中思い切り一回とちって、そこが一番受けてたけどね。
●立川談四楼『濱野矩随』 (浜野矩随)
いつもこの出番ではたっぷりのまくらで楽しませていただくわけですが、今回は短め。それもそのはず大ネタですよ。立川こはるさんの二ツ目昇進記念@あかぎ寄席でも師匠はこの噺を掛けていたので、ゲスト・立川談修師へのはなむけかも知れない。夏風邪とのことだったが全く感じさせず、むしろ声の艶は前にも増して輝かんばかり。母親の愛情に涙が。
談四楼師の濱野は、終盤に独自のアレンジがしてあるので、後味がとてもいい。
一方でこの日の二席がどちらも人情噺だったので、僅かな間やくすぐりをチューニングすることで笑いをやや多めにしているあたりがベテランの味。
仲入り
●立川談修『宮戸川』
前座として二回目の高座を務めたのがこの談四楼師独演会だったという談修師は、得意ネタをたっぷりと。けっして尖らない、ふわりと笑いを誘発する懐かしいリズムの語りにさらりと差し込まれる現代感覚。
談修師自作の落ちはその最たるものだけど、あの間、あの間で言わないと面白くもなんともないはず。
やはりやはり、先が楽しみな方です。
●立川談四楼『一回こっくり』
トリネタはネタだし済。
四家正紀(しけ まさのり)@shikeこの噺は久しぶり。初めて聴いたのは2年前、8月のこの会だった。やった、今日は談四楼師匠の『一回こっくり』が聴ける! #rakugo #落語 http://t.co/YPmPyQtjc6
2013/08/15 17:58:05
小説版でもう何度も読み返していて、話の筋はすっかり頭に入っているのだけど、いや入っているだけに、途中何度も涙が。
おかみさんがいい。前半の沈んだ様子と、再会のクライマックス、そして幸福へ。多分あと何回聴いても、同じところで泣いてしまう気がする。
感情をやや抑えながらも緩急を使い分け、しっかりと心に届く語り口のなかで、ときに笑いをはさみながら構築される談四楼師・文芸落語の世界。
どっぷりと浸ることができた。
毎年夏に一度は聴きたい。これと『ぼんぼん唄』は夏に泣ける落語の最高峰。夏は怪談噺より人情噺ですよ。
また、長く続いている会ならではのいいお客さんが、この名演をさらに盛り上げていた気がする。
今回からマイクが採用されて、エアコンの雑音が入っても談四楼師匠の細かい声のニュアンスがしっかり届くようになった。反面、若い落語家が声を張ると、わずかだがハウリングが起きる。実はマイクを入れたらといったのは僕なので、ちょっと責任を感じつつも、でも聴こえることの喜びのほうがずっと大きい。
お後の懇親会も師匠ご本人や落語好き同士で盛り上がり、大満足。
いつものことですが、いい会でした。
自著にサイン。
ほめる力: 人に認められる極意、教えます
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