2013年07月10日
宗教都市のおもてなしに最新の技術を……ダイソン エアマルチプライアーAM02@高野山
ダイソンの「羽根のない扇風機」エアマルチプライアーAM02リビングファンが高野山総本山金剛峯寺に設置されるとのニュースを、先日このブログに書いたところ、ダイソン株式会社様よりご招待を頂き、プレスツアーに参加させていただいた(往復交通費はご負担を頂いた。ありがとうございます)。
というわけで今回、実際に設置開始された7月9日に高野山金剛峯寺まで足を運び、取材してきたのでご報告。
※今回はプレスツアーということで、特別に撮影許可を頂いた場所があることをお断りしておきます。
●不思議と見事に調和
先日のプレスリリースでこの話を知ったときに、「あのデザインならお寺の中でもうまく調和するのではないか」というイメージがあったのだが。実際拝見して驚いた。
メタリックな印象が強いシルバーのエアマルチプライアーが、日本の伝統的建造物に実によく馴染んでいる。
130709高野山 |
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・蟠龍庭前廊下 日本最大ともいわれる石庭を眺めながら
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・阿字観道場
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売店 こちらはAM01テーブルファン 130709高野山 |
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・他にも、総本山のあちこちに総計30台、ダイソンから提供されている。
思うに「輪を通して向う側が見える」ので、空間の中に溶け込みやすいのだと思う。
日差しやわらかい寺院の廊下、襖絵、石庭、参拝される方々の姿などを、エアマルチプライアーの細長い窓を通じて眺めていると、何か不思議に厳かな気持ちになる。一見不釣り合いと思われる超近代的デザインが、見事に調和して美しい。
●高野山がエアマルチプライアーを採用した三つの理由
以前、菩提寺の和尚様から、
「高野山は、昔はもっと涼しかったのです。誰も冷房など入れてなかった。今はもう、ねえ」
というお話をお伺いしたことがある。
そして今回、帰りのケーブルカー出発前に聞いた、乗客と運転手の会話。
「高野山は大阪に比べたら涼しい。10度は違うと聞いとったが、あんまり変わらんね」
「そうみたいですねえ。冬は寒いですけどねえ。」
標高一千メートルの修行の地にも地球温暖化、いや灼熱化は着実に進んでいるのかもしれない。
エアマルチプライアー設置というダイソンからの提案を採用した理由について、東山教清氏(総本山金剛峯寺 開創法会事務局 課長)はこう語る。
まず「自然環境との調和」。
真言宗の立場で環境問題についてメッセージを発信している金剛峯寺からすると、エアマルチプライアーはエアコンに比較して省電力(AMO2リビングファンの最大消費電力は65W運転時で、標準的なエアコンの最大消費電力445W運転時)で、当然廃熱も少ないので、環境に優しい。
そして「自然の風で涼をとることができる」。
エアコンのような、時に冷えすぎて身体が疲れ、ときは体調を崩してしまうような人工的な涼しさではない、自然な空気による涼を、特に参拝者の方に取って頂きたい。
エアコンのような、時に冷えすぎて身体が疲れ、ときは体調を崩してしまうような人工的な涼しさではない、自然な空気による涼を、特に参拝者の方に取って頂きたい。
さらにもうひとつ。
「高野山は、最先端」
弘法大師、実は当時「最先端の人」だったという。
大師が中国より持ち帰った密教は、人間が人間の身体のまま仏になることができるとされる「即身成仏」を唱えており、それまで三劫*をもって仏となるとされてきた当時の日本仏教界においては。かなりセンセーショナルな「最新の教え」だった、という。
(*三劫=百年に一度舞い降りてくる天女が、その羽衣が撫でることで、お城ほどの大きさの岩がすっかりなくなってしまうまでの時間が「一劫」よって三劫はその三倍。ま、とてつもなく長い時間ということ。落語『寿限無』に出てくるのは五劫のすり切れで、さらに長い)
大師は他にも建築や天文学など、当時の「最新技術」を中国より持ち帰り、広めていった。ここ高野山にもその「最先端」エッセンスが注ぎ込まれ、その意を汲み取った後継者たちが高野山を発展させてきた。
そして今日、密教の視点から環境問題に対して積極的にメッセージを発信している高野山が、それに相応しい最新技術の結晶であるエアマルチプライアーを採用するのは、不思議な縁ではないか、と。
お話をお伺いした後、実際に総本山の中にすっかり調和しているエアマルチプライアーを拝見すると「確かになあ」と納得してしまう。
■最先端を行く宗教都市として
ところで東山氏は「宗教都市・高野山」という言葉を何度もお使いになっていた。
「宗教都市」とはちょっと新鮮な響き。エルサレムみたいな。
中国で密教を授かった弘法大師が、修行のための道場としてここ高野山の地を嵯峨天皇に下さいといったのが816年(弘仁7年)。以来、ここ高野山全体が「金剛峯寺」という寺院なのだという(一山境内地)。
現在「金剛峯寺」と呼ばれているのは、正式には「総本山金剛峯寺」。
現在「金剛峯寺」と呼ばれているのは、正式には「総本山金剛峯寺」。
そして高野山は、長い年月をかけて宗教都市として発展してきた。「山」とつくので険しい山中を想像しがちであるが、実際は人里離れた盆地であり、かなりの広さを持つ土地だ。
つまり「高野山」とは寺院でありながら都市でもあり、決して修行のための閉じたエリアではない。
信者・観光客が日本全国、いや世界中から集まる都市だからこそ、遠くからやってきた方々に対するおもてなしとして、ダイソンの先端技術が採用された、ということなんだろう。
2015年に開創1200年を迎える高野山、おそらくこれから、さらに賑わうことになるだろう。
前述のとおり、総本山には30のエアマルチプライアーが設置されているので、参拝の際には数えながら見て回っても面白いかもしれない。

あちこちで、調和しています。
■関連記事
ダイソン社のエアマルチプライアーが
高野山 金剛峯寺に“涼”を生む(前編)
ダイソン社のエアマルチプライアーが
高野山 金剛峯寺に“涼”を生む(後編)
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コメント一覧
1. Posted by 大宮組長島 2013年07月12日 22:18
今日夕方、実家にお届けしました。お暇なときにどうぞ。
久しぶりに9月に小朝を聴きに行くことになりました。
返すのはゆっくりでけっこうです。暑さ厳しきおりご自愛ください。
7月12日
久しぶりに9月に小朝を聴きに行くことになりました。
返すのはゆっくりでけっこうです。暑さ厳しきおりご自愛ください。
7月12日
2. Posted by 4k
2013年07月12日 22:28
正紀です。先ほど母親から電話があり、びっくりしていたところです。じっくり楽しませていただきます。ありがとうございました。