2012年12月29日

3年目への喜ばしき試走 立川吉笑独演会(第4回) 2012/12/24


風子・鯉八の秋葉原から上野へ。
地下のサンマルクでノートPCを充電しつつちょっと仕事してから広小路へ。
2012年12月26日23時00分05秒
ちょっと誤植あるね。上野両国亭ってのはない。お江戸両国亭。

立川吉笑『目撃者の目撃者』 
立川吉笑『カレンダー』 
仲入り
立川吉笑『くじ悲喜』


●立川吉笑『目撃者の目撃者』 
このところ恒例となっている「まくらですっと入るふり」がドカンと受けた後、軽くグダグタな(一時期ほどではない)まくらからサスペンスタッチの江戸だか現代だか分からない噺へ。
……すみません。座った席が暖房直撃で、意識飛んでしまいあんまり覚えてません。



●立川吉笑『カレンダー』 
前にもやっていた「消耗したので正月を前倒しした」話から吉笑ファンにはお馴染みの噺を、ちゃんとこの日に合わせてチューニングして掛けた。しかしところどころ仕込が抜けていたような。

仲入り


●立川吉笑『くじ悲喜』
これは驚いた。最後にやってくれた。
コンビニのバイト体験談から「コンビニのくじたち」を擬人化した噺。
いつもの「ひとつの優れたアイディアをどんどん膨らませる」方法の限界を、ペーソスを交えるファンタジー仕立てを入れ込むことで見事に纏め上げた。

「擬人化は禁じ手」にしていたらしいが、
それでもきっちり吉笑ワールドは保たれていたし、これはこれでいいんじゃないかなあ。本当にやりたいことではないとは思うけど、まずは演ってて楽しい事が重要なんじゃないかな。今は。

考えすぎキャラと、ロジックとそのズレの積み重ねで構成される吉笑ワールドは、ともすればプログレッシブな息苦しさを伴う。そこにこの噺の様なペーソスがブレンドされると、一気にポップになる。これは発見だった。
それにしても「くじたちの会話」にほろ苦い悲哀を入れ込めるとは。
このあたりが少し「桂三枝の創作落語」を思わせるものがあって、ちょっと興味深いのだ。くじはなぜか上方の言葉で喋ってるしね。見台使うのもありかもよ。

面白かった。この噺で2012年の立川吉笑を締めくくれたのは大きい。



四月の「説明会」で大ブレイクしたと思われた吉笑さん。その後10月の国立演芸場昇進披露目を一人で仕切るという難事業を前に悪戦苦闘。やや制裁を書いた高座も何回か聴いてきた。それでも、勉強会ではいつもネタおろしの自作を披露していたし、11月以降は徐々に調子も戻ってきた。

来年は立川流の寄席で古典やったり、古典の会もやるとのこと。
確かにもう少し古典に甘えて、落語を身体に染み込ませたほうが、結局は自分のやりたいことに近づくんじゃないかなと思う。

とりあえず、与太郎が罪を背負って泣く噺『悲し笑い』のリメイクが聴きたいな。


「ポストSWA」は瀧川鯉八と立川吉笑。他にもいるかもしれないけど、とりあえずこの二人が、この先の「落語の世界」を拡大していくはず、と僕は考えているのだった。 2012年12月26日23時00分20秒
来年の独演会スケジュールも、決まってますよ。

m_shike at 11:30コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
ポッドキャスト
note 話芸(落語・講談・浪曲)×IT・マーケティング
サイト内検索
最新コメント
記事カテゴリ
メッセージ
パートナーブロガー 一覧 | アジャイルメディア・ネットワーク
記事検索
月別アーカイブ
アクセスカウンター
  • 累計: