2012年05月13日

じわりといい映画『一遍上人』の話と、それに関連して最近考えたこと


船堀で映画というのは初めてだな。
関係者席、に座ったのも初めて。

映画『一遍上人』です。 
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監督の秋原北胤氏が広告会社に勤務されていたときに、僕は出版社でネット広告の仕事をしていて、お世話になった。Facebookで再会を果たし、誘われて本日の舞台挨拶付き上映会に。

「関係者席」劇場と連絡がうまくいっていなくて着席にちょっとばたついていたけど、ちょっと自分が偉くなった気分。昔の知人でしかないのにね。

ちなみに秋原氏よるこのブログ記事の中に出てくる「旧知の知人」はたぶん僕。

先ほど、旧知の知人と文化論になった際に、「芸術は体験なんですよね。」という一節が妙にしっくりきた。そんなんだ、芸術や文化は体感するものでながら受容するものではない
 

もっとも僕はこんな美しいことは言っていなくて「 客がカネ出すのは モノじゃなくて体験 ですからね。」と相槌打っただけ。愚者の暴言から賢者は箴言を引き出す。

さて映画。
 


舞台挨拶で「きゃいーん」を決めて愛嬌たっぷりのウドちゃん、映画の中ではすっかり愛嬌消滅。どアップにしても聖の佇まいが感じられて素敵。ところどころせりふ回しはやや不安定なものの、逆にそれもまた荘厳に響いてくるくらい。

僕の知らないミュージシャンを多用した他のキャスティングも、いちいちはまっていて感心しきり。女優もいい。玉置成美ってあんなに芝居できる人だったんだ。

前半のナレーションが説明的すぎやしないか、中盤のあのダンスシーンはあの曲じゃないほうがよくないか、ソフトフォーカス使いすぎじゃないかなとど、素人くさい僕の小さな不満は、終盤、迫力のダンスシーンでほぼすべて拭い去られて、穏やかで美しいラストに。

抑制の効いた静けさがやがて高揚に繋がる、じわりといい映画でした。
上映期間限られてますので、観たい人は急ぎましよう。
そしてパンフも買いましょう。ちょいお高めですがこれはお買い得です。

この上映が特別だったのかもしれないけど、他の映画の予告編や客を泥棒扱いする著作権なんたらCMが全くなく、いきなり映画が始まったのもよかった。とてもよかった。
 

で、ここからは余談。

たまたま先月末に映画『ジョイフル・ノイズ』を観て、そのあとたまたま入ったバーが
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こんな感じで、なかでちゃあんと『ブルース・ブラザース』を上映していた。ので。

考えたこと。

アメリカ合衆国のことが羨ましくてしょうがない、と思うことがあって。

教会から生まれたゴスペル・ミュージックが、さまざまなポピュラー音楽の母体となり、さらにコンテンポラリーな大衆音楽として進化を遂げていること。歴史がちゃんとつながっている。
グラミー賞観ててもアメリカンアイドル観てても、じいさんばあさんミュージシャンが若手と楽しそうに共演していてとにかく、そのつながりが羨ましい。

日本の宗教音楽は、「踊り念仏」は、「雅楽」は、なぜそうならなかったんだろう。
やはり「明治」のせいか。
 
例外は盆踊りくらいか。そう考えると、大瀧詠一氏はやはり凄いのだな。
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LET’S ONDO AGAIN 20th Anniversary Edition

そして、一人の落語ファンとしては、仏教から生まれた伝統芸能である落語が、なぜ現代に生き続けているのか、またいろいろ考える。
 
落語もまた体験してこその芸だしね。


ところで、ドナルト・ダツク・ダンが神のもとに召されたというのは本当なのかい。
スティーブ・クロッパーがステージで言っていたらしいんだけど。

なむあみだぶ。
R.I.P.


※追記
検索していたら時宗 光見寺のページがあって。
一遍上人の話とか、踊り念仏の話とか、参考になったのだけど、ページ左上に「カラオケでストレス発散」とあって、えーと、なんとなく、ね。 


m_shike at 22:38コメント(0)トラックバック(0)映画 | 音楽 このエントリーをはてなブックマークに追加

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