2012年01月09日
【必読書】リーダーの値打ち 日本ではなぜバカだけが出世するのか?(山本一郎)
献本御礼申し上げます。
リーダーの値打ち 日本ではなぜバカだけが出世するのか? (アスキー新書)
実は前作も頂いており、大変楽しませていただいたのにブログひとつ書くこともできず申し訳なかった。まあ、皆さんご存知のようにこのブログのアクセス数なんて高が知れているのですが。というか、僕なんかただの一ファンでしかないのに、贈呈いただくと申し訳ないような気がする。まあそんな話はいいや。
貴重な年末年始を、主に立川談志追悼特集を観ることで費やしてしまったので、これはやばいと思い、休暇最終日に読み始めたところ、あまりの面白さに一気読みしてしまった。
簡単に言うと、この本を「読まなくていい」人は、ほとんどいない。
『リーダー』に無縁で、興味がなくても、いや、ないからこそ読むべきである。
『リーダー』に無縁で、興味がなくても、いや、ないからこそ読むべきである。
いわゆる「あなたもリーダーになりませんか」本ではなく、自己啓発からは程遠いところにありますので、ノウハウ集を期待して読まれると大変物悲しい状態になることは請け合いなのですが、リーダーシップとは目的を明確にし、集団を率いてそこにいたる困難を乗り越え、成果を出し、目的を達成する一連の技法であります。【告知】『リーダーの値打ち 日本ではなぜバカだけが出世するのか』を上梓しました: やまもといちろうBLOG(ブログ)
とは著者の言。
しかし、ノウハウ集でないことは当然としても、本書は自己啓発的な要素を含んでいる。
いきなり第1章から「事実の自分と向き合う」作業を勧めてくるのだ。
昔からのファンにとってはたまらない豊富な語彙を駆使した毒舌論評で「切込隊長」節で、「日本ではなぜバカだけが出世するのか」を解き明かしてくれることを期待すると、肩透かしにあう。
いきなり第1章から「事実の自分と向き合う」作業を勧めてくるのだ。
昔からのファンにとってはたまらない豊富な語彙を駆使した毒舌論評で「切込隊長」節で、「日本ではなぜバカだけが出世するのか」を解き明かしてくれることを期待すると、肩透かしにあう。
しかしこの肩透かしこそ「日本ではなぜバカだけが出世するのか」に対する解答のはじまりであり、組織とリーダーの問題を考えるためには「あくまで自分ごとと捉える」必要があるからだ。
とりあえず僕は著者の指示通り、メモなど作りつつ、まず「事実の自分と向き合」ってから次へと進んだところ、「ビジョン」「求心力」「組織とノマド」「日本近代史」など、さまざまな角度から論じられる「日本におけるリーダー問題」をよりリアルに受け止めることができた。
5章だけちょっと特殊で、リーダーシップ不在が起こす例としてコンテンツ業界の内幕が取り上げられている。これはこれで非常に興味深い。
さてさて。
東日本大震災においても、発生直後における国民の自律的な秩序維持は、世界中から賞賛されたのに、その後の復興プロセスや原発事故対応における、政府や東京電力におけるリーダーシップ欠如による組織機能不全により、せっかく上がった日本の評判をものの見事に落としてしまった。
元ネタは、勝海舟のこの発言。「アメリカは日本と逆様でございます。偉い人に賢うございます」
まさしくこんな感じだ。こうした現状を改善していくためには、
苦境の原因を探り、それを解決していく過程で、無理なく人の力を借りながら、適切な成果を挙げ続けていく。業界や界隈の流れ自体を作る能力はないが、流れを見極め、波に飲まれず沈まないように適宜方針を変更しながら着実に生き残っていく。
そういう後ろ向きだけど精神論ではない最低限以上のリーダーシップを発揮できる日本人が増えてくれることを期待しています。
つまりリーダーに対する無責任な批判や、「知ったこっちゃない」ニヒリズムとは手を切り、問題を自分ごととして考えなければならないということなんだと思う。
僕はどちらかというとこうした真っ当な主張に対して簡単に頷くことのできない、ひねくれた人間なんだけど、第1章をきちんと読んで実行したこともあり、いつにも増して丁寧な著者の筆運びにすんなり説得されてしまった。
とはいえ、これといった信念のない、根が怠惰なタチなので「自分自身を飽きるほど見つめ続けて、謙虚に環境への適応を続けていく」なんて難行を続けられる自信はないのだけれど。
とはいえ、これといった信念のない、根が怠惰なタチなので「自分自身を飽きるほど見つめ続けて、謙虚に環境への適応を続けていく」なんて難行を続けられる自信はないのだけれど。
多分こんな駄文をちゃんと最後まで読んでいるあなたなら、本書を読んで自分と向かい合うことで、明日をよりよいものに変えていくこともできるのではないかと思う。いやあ、しんどい作業だけどね。
なお「切込隊長」として「リーダー問題」を扱った本としてはこれがある。
ニッポン経営者列伝 嗚呼、香ばしき人々

小沢健二やコーネリアスのアルバムをレビューした後でフリッパーズ・ギターの作品を紹介するような間抜けさではあるけど、こちらも面白いのでお勧め。
※なお僕はかなり早い段階から「ああ、このひとはクリスチャンなんだろうなあ」と思っていたので、今回も本当はキリスト教的・仏教的価値観、ついでに落語について書きたかったのですが、知識不足でそこまで思考が深まらず断念しました。だらしねー。







