『シェアする落語』次回は7/7です。

2011年12月30日

立川吉笑の勉強会(2011/12/26) #rakugo


今年最後の落語は、立川吉笑さんの勉強会@お江戸上野広小路亭。

立川笑二『たらちね』
立川吉笑 『狸の恩返しすぎ』 
立川吉笑『テレスコ・序 (見たことも聞いたこともない虫)』 
 
仲入り
 
立川吉笑『カレンダー (2011年12月26日バージョン)』 
立川吉笑『道灌』
 
 
kisshoubenkyou1112

平日なので最初からは間に合わず。

立川吉笑『狸の恩返しすぎ』 
この話の途中から入場。最初から聴きたかった。柳家の伝統である狸の噺を、全く独自の解釈でここまで広げて見せた才能には、もう脱帽しかない。
しかもご本人も言っているように「お年寄りでも笑える噺」に仕上がっているのだ。子狸が不服そうに口をもごもごやるあたりの可愛らしさ、しかりつけて狸を山に返したあと自責の念に駆られる男の寂しげな表情。どれも素晴らしい。
落ちは師匠である立川談笑師の『たがや』をちょっと連想させる。


立川吉笑『テレスコ・序 (見たことも聞いたこともない虫)』
談四楼師独演会で聴いたこの噺で、僕は吉笑さんに惚れた。
「いまここでない違う世界」に連れて行ってくれるのが落語だと思うが、吉笑さんの噺は「いまここにいる自分の価値観を、ぐらぐらと揺らされる快楽」 がある。 家元談志のイリュージョンのような論理を飛び出てしまう展開ではなく、論理が重なり過ぎて狂気へとつながっていく。凄いよ。 そういえば談笑師の『薄型テレビ算』にもこうした快楽がある。
ちなみに「見たことも聞いたこともない」というフレーズはモダンチョキチョキズの曲の中に出てくるなと思い、ご本人に訊いてみたら、やはりお好きだそうです。
bongengan

ボンゲンガンバンガラビンゲンの伝説
 

仲入り

立川吉笑『カレンダー (2011年12月26日バージョン)』
新作。まだ完成していないので途中で詰まるかもしれない。そのときはセコンドの立川笑二さんが脇からタオルを投げてくれることになっている、という趣向。
商店街のカレンダーに誤植があって、これに合わせて生活してきた人たちが大騒ぎ、という噺。確かに未完成なんだけど、着想が素晴らしいというか、もはや恐ろしいと言うべきか。
「自分の価値観を、ぐらぐらと揺らされる快楽」がさらに強調されてダイレクトに響いてくる。

何とか最後まで語りきったところでタオルが飛んできた。いいね。


立川吉笑『道灌』
最後は道灌。普通に道灌のふりして、やはりここにも「価値観ぐらぐら」の仕掛けがある。
ご隠居が「……それはなんだかわからないけど、それでないことは確かだ」と返してしまうあたりのくすぐり。凄いよなあ。


 とにかく面白い、わくわくする仕掛けの入った落語をやってくれる吉笑さん。
来年は二つ目昇進。  ますます期待してしまう。

今年を振り返るという意味では、立川談吉さんと立川吉笑さんは何か賞を差し上げたいくらい。
一杯くらいならおごります、マジで。


※関連リンク 


m_shike at 11:30コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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