2022年05月09日
夢のフェスティバル 第1回稲荷町お笑いフェス 初日 2022/04/29
何食ってもうまい稲荷町の中華料理屋・一番太鼓が、フェス会場に!

会場 : 稲荷町・一番太鼓
遠峰あこ アコーディオンと歌
ニックス 漫才
仲入り
鏡味仙成 太神楽
ナオユキ スタンダップコメディ
木戸銭5300円(豪華打上げ込み)
●遠峰あこ アコーディオンと歌
今宵はまた一段と艶やかなお着物姿。持ち時間たっぷりで楽しい。
なかでも日本酒 CM ソングメドレーは絶品で、最初の『黄桜』ではアコーディオンを左手ボタンのバッキングだけで歌を支えてで、曲が変わるたびにだんだん右手のリードがキラキラと動き、最後に足につけたシンバルが鳴る。
このグルーヴ感がたまらない。まさにワンマンバンド。
●ニックス 漫才
姉・エミさんが怒りながら突っ込むのを妹・トモさんが「そうですか」と流してしまう。このパターンを取り入れてから飛躍的に面白くなったニックス。この日はこのフレーズを少ししか使わなかったのに面白かった。
寄席の持ち時間に比べて遥かに長い、25分しゃべくりまくり笑わせまくり。
お二人の衣装がなんとなくトロピカルな感じで、特にハワイネタがあるわけじゃないんだけど、ハワイ好きの僕としてはそんなところもちょっと楽しい。
仲入り
●鏡味仙成 太神楽
一番太鼓は普通に中華料理屋なので、天井はそんなに高くない。なので座っての太神楽。窮屈そう。しかもひとりなので、口にお道具を加えると喋れなくなってしまい、間を持たせるのもなかなか難しい。なのに仙成さんはどの技もニコニコこなす。
至近距離で見る大神楽は寄席にはない緊張感半端なく面白かった。お見事!
●ナオユキ スタンダップコメディ
チューハイのジョッキを持って登場。結局最後までで3杯飲んでいた。これほど酒が似合う芸人も珍しい。この日はほとんどのネタに酔っ払いが出てきた。
まず真ん中に酔っ払っているナオユキがいて、それを見て突っ込んでいるナオユキがいる。
ときどき突っ込みにさらに突っ込むナオユキがいて、そこにまたツッコむナオユキがいる。
合わせ鏡の中で無限に増殖していくナオユキ。真ん中にいる酔っ払いのナオユキが可愛いこと。
ダメ人間の可愛らしさ、人間の駄目な部分を肯定するのは落語のスピリットそのもの。だけど落語から持ってきたギャグはほとんど使わない(ちなみにCD にはちょっとだけ『やかん』みたいな感じのネタがある)。そんなところに落語に対するリスペクトが感じられる。
「演芸はええね。ほっこりする。何か、競技性のあるやつはねえ……」と言っていた。
でもご本人もかつては「競技」の中で戦ってきた人だし、まさに競技性のあるM1で戦っている芸人からもナオユキさんは尊敬されている。その在り方はとても素敵だなと思う。
まあともかく、かっこいいよ。
一番太鼓くらいの小さなハコで聴くとまた格別でありました。
一番太鼓は美味しい中華料理屋さんなので、当然のように打ち上げがある。すぐそばでナオユキさんが飲んでいる。その姿はステージとまるで変わらない。シームレス。
思わず声をかけた「ナオユキさん、かっこいいよ」
打ち上げでは仙成さん、ニックス・エミ先生・遠峰あこ先生とおしゃべりさせていただいた。たのしいやねえ。夢のようだ。
一番太鼓の料理は全部うまい。特に麻婆豆腐は絶品である。
こんな採算度外視の素晴らしいイベントを開いてくれたことに感謝するとともに、また近いうちに麻婆豆腐食べに行きます。