書籍
2023年05月03日
2023年04月30日
2022年10月23日
何度か、桂文字助の落語を聴いたことがある。
幸運なことに。
『笑点』の初代座布団運びだったという話を聞いたのは、ずっと後のことだったと思う。

落語『芝浜』の冒頭、まだ日の出にはかなり早い朝。「ちょいとお前さん起きとくれ」続きを読む
飲んだくれて十日間も仕事を休んでいた魚屋勝五郎は、女房に起こされて嫌々ながら目を覚まし、河岸へと出かける。
「ちょいとお前さん起きとくれ」と女房に起こされても「仕事に行くことなく、ただ飲んだくれていた人」それが桂文字助だと思う。
間違いなく腕は良いのに、仕事を取ることも芸を磨くこともなく、偉い方々をヨイショし、師匠・立川談志を困らせ、あるいは酒に溺れ喧嘩に明け暮れ、妻子に去られ、ますます酒に溺れていった。
でも芸人として、かっこはつけたがった。
落語家としての矜持、いや体面だけで生きていたのだろう。
でも僕は知ってる。高座の文字助師匠は本当にかっこよかった。
なかなか本気でネタを掛けてくれず、漫談に逃げることが多かったけど、まくらで普通に喋っているだけて江戸の匂いがした。トリのときにはがっちり相撲噺を演じてくれた。
惚れ込んだ僕は一時期、師匠の落語会を開きたいと本気で考えたくらいだ。
後に立川流を脱退、落語家としてはほぼ引退状態になり、ボランティアとして近所の公園掃除に勤しんでいた文字助師の「最後の話し相手」だった弟弟子・立川談四楼師匠が、その仰天エピソードをTwitterで連載し、これをまとめた「文字助コンフィデンシャル」は大好評。多くの人が魅了され、ついには文字助師30年ぶりのテレビ出演にまでつながった。
その一つ一つが上質の短編小説として成立していた談四楼師のツイートは、その完成度があまりにも高く、きっとこのまま書籍化されるものと、ファンの誰もが思っていた。
ところが談四楼師はこの「珠玉の短編小説群」にさらに逸話と傍証を加え、再構築することで、その破天荒ぶりばかりがクローズアップされてきた落語家・桂文字助の真実の姿に迫ろうとする。
その過程の中で浮かび上がってきたのは、なんと……。
……あ、ネタバレしそうになったのでこの辺にしておく。
俗な世間が求めるような「古き良き破天荒芸人のエピソード」にはとても収まらない、驚愕と笑いの中に深い味わいを持つこの小説を、ぜひご一読いただきたい。
2022年08月22日
作家:立川談四楼師匠、久しぶりの短編集。
独演会で購入し、アマゾンのサイトに拙文レビュー載せました。
名人芸の短編集いままでの「落語家」という「とんでもない人たち」が主役だった作品群から趣向を変えて、「ふつうの人」である小料理屋の大女将と若女将、店の常連たちが活躍する短編集。常連のひとりであるアマチュア落語家(山遊亭海彦の弟子!)が、自分の「本職」を生かして、店に持ち込まれた難事件に立ち向かう。この仕立てが素晴らしく、すぐに馴染めてしまうので、あとは彼らのセリフに耳を傾けていれば、それだけで楽しい。過剰なドキドキ・ハラハラはないけれど、謎解きの楽しみもあれば、高齢化社会・外国人労働者・2つの大震災といった時事・世相も織り込まれて、「人情物」の味わいを深めている。この語り口は名人芸。ゆったりと豊かな時間を、ぜひ。読後の一杯も、おつです。あ、続編にも期待しております。
ぜひ。
ちなみに作中、先代三遊亭圓歌へのオマージュを感じる台詞が一箇所ありました。マニアは探してみてください。
ちなみに作中、先代三遊亭圓歌へのオマージュを感じる台詞が一箇所ありました。マニアは探してみてください。
立川談四楼@Dgoutokuji
【恋文横丁 八祥亭】念願の発売日です。小学館文庫書き下ろし・616円(税込) 2年半、落語の仕事を失いました。書籍で取り戻そうとの試みです。薄利多売を目指します。ポチるのも嬉しいのですが、できれば書店でお求めください。本の実績にな… https://t.co/3pdWHoP9C8
2022/08/05 12:56:50
2017年11月18日
お褒め頂いたので転載。続きを読む木井健一 KII Ken-ichi@moto_naka_sue
『絶滅危惧職、講談師を生きる』
2017/11/11 18:00:19
神田松之丞/著
杉江松恋/聞き手
新潮社/刊
amazon(アマゾン)に掲載された2017年11月4日付けの四家正紀さんという方による上記の本に対するレビューは実に素敵である。(※ごく最近よりの松之丞さんのファンとして上記のレビューに目をとめた。)
2017年10月16日
アマゾンに久しぶりにレビュー書きましたので、転載しておきます。
人間たちの世界は不安定だ。なぜなら、人間が世界を認識しているのは、あくまでコトバを通じて、だからだ。コトバにならないもののせいで、コトバは簡単にねじれてしまうので、つられて世界はねじれすぎて溶けてしまったり、あげくに崩壊してしまったりする。この短編集ではそんな人間世界の不安定に対して、「猫」が「絶妙な座標軸」として機能している。どの作品も、ある意味からっからに乾いたドライな世界なんだけど、そこに浮かび上がるのは、コトバでしか描けない人間たちの心情であり、なにか愛しいものが感じられるのだ。たぶん、猫のおかげなのだろう。猫にとっては、どうでもいいことなんだけどね。※献本いただきました、ありがとうございました。
2016年01月11日
献本いただきました。ありがとうございます。

分かりやすい本なので、さっくりとレビューを。
内容はこんな感じ。
続きを読む◆あなたの「あるある度」をチェック! ↓・パソコンの動作が遅くなった気がする・作成したはずのファイルが見つからない
・メールを書いただけで、もうランチの時間
・間違った相手に重要なファイルを送ってしまった
・必要なデータを持ってくるのを忘れてしまった……
・肝心なところで名刺が切れた!
・いいアイデアが浮かばない
・自宅から会社のパソコンを使って仕事をしたい
・自分が作った資料はなぜかイマイチ
・やることがありすぎる。どこから片付ければいいか分からない1つでも思い当たる人は業務改善の余地あり!自分が気付いていない仕事の回り道を「あるある」の例でひも解ける。元マイクロソフトでOffice製品の製品責任者として務めていた著者が会計事務所開業以来、中小企業におけるビジネスにおいて蓄積してきた実務ノウハウを解説。
2015年07月26日
2015年06月20日
昨年秋からちまちま走っている。主に土日にだいたい5kmくらい。

まあ、もう無理するつもりはなくて、スローにスローにダラダラと。
タイムはこんな感じ。


5kmでやっと37分切るくらい。1kmラップは7分切れない。
ま、それでも別によかったのでありますが。
先日、iMedia Brand Summitという業界のイベントで宮崎に行きまして。
泊りがけ4日間のイベントの中には、参加者の親睦のためのレクリエーションがありまして。
そのひとつにランニングクリニックというのがありまして、スポンサーは現在ジョギングシューズ愛用中のニューバランスさん。
こりゃいいわと参加させていただきました。
そしたら。続きを読む
2014年12月29日
Webの連載を読んでえらく共感し、ツイートで紹介したら、その文章を「帯で使いたい」とのご連絡をいただき、OKですよといったら一冊献本頂きました。ありがとうございます。
中学なんていらない。 不登校の娘が高校に合格するまで (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
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青木 光恵
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学校の存在を否定するわけじゃないけど、今の公立中学校はこの程度だと考えると、いざとなったら逃げる用意をしておかないと、ほんとに毎日辛い思いばかりすることになる。それが現実なんだと思う。
言っとくけどね。青木さん相当にマイルドに、抑えて抑えて書いているよ。それでも現場は、こんなにひどいんだと分かる。
子どものあるなしに変わりなく、教育・学校に興味があるすべての方にお勧めします。
2014年06月01日
コグレマサト いしたにまさき 堀 正岳というEvernoteゴールデンコンビによる書籍発売イベントで、超久しぶりにライトニングトークやりました。
落語会集客を少しでもお手伝いしたいので、Evernoteでなんかできないかと思ったところでPostach.io に出会ったので、ScanSnapと絡ませてこんな仕組みを作ったので、ご紹介してみました。続きを読む
2014年04月27日
2014年03月23日
非常に貴重な書籍です。
「思い出」をつなぐネットワーク―日本社会情報学会・災害情報支援チームの挑戦
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柴田 邦臣 吉田 寛 服部 哲 松本 早野香
昭和堂
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2014年03月02日
2013年12月07日
ひそかに尊敬している田代さんから献本いただきました。ありがとうございます。
期待通りのいい本です。文系女子大生向けに書かれた教科書らしいですけど。みんな読んだほうがい。
情報倫理 ―ネットの炎上予防と対策―
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田代 光輝 服部 哲
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