2019年04月05日
The STREET to SHINAGAWA わん丈ストリート 2019/04/04
赤坂会館の畳敷きから日本橋社会教育会館(定員204)にお引越し。
満員ではないけど空席は目立たない、かなりの入りで、やっぱり人気あるわん丈さん。凄いね。
いやあ、期待を裏切らないね、この人は。
会場 : 日本橋社会教育会館
三遊亭わん丈『来場御礼』
桃月庵ひしもち『寿限無』
三遊亭わん丈『双蝶々(上)長屋』
三遊亭わん丈・桃月庵ひしもち『子ほめのイヤホンガイド』
仲入り
三遊亭わん丈『五貫裁き』
木戸銭2,300円(当日)
●三遊亭わん丈『来場御礼』
前座を呼んでいるのに開口一番で登場。「せっかく会場大きくなったので前座より先に座布団に座りたかった」とか。TOHOシネマズでかかっていた鷹の爪マナームービーみたいな落語で、聴いているうちに落語鑑賞のマナーが理解できてしまう。まあ、演者としていままで感じてきた不愉快をネタにした新作とも考えられるかな。ゲラゲラ笑いました。●桃月庵ひしもち『寿限無』
イキの良さと渋さが共存している面白い前座さん。5月から二ツ目。●三遊亭わん丈『双蝶々(上)長屋』
派手な羽織は師匠・三遊亭円丈の形見分け(いや、ご健在ですよ)で、円丈師はこれを着て双蝶々を掛けたときのエピソードがまた面白い。まだ、そんなにドラマチックな展開がない、話としては大して面白くないところだけに、わん丈さんの語り口の鮮やかさ、客をグリップし続ける力がよくわかる。
でも、演り終えた後どっと疲れていた。この人数を前にしてのネタおろしだもんなあ。「大変ですね。これになれないといけない」って。
●三遊亭わん丈・桃月庵ひしもち『子ほめのイヤホンガイド』
前の話で仕込んであった「歌舞伎のイヤホンガイド」を落語に適用したとんでもない噺。もうやらないというから少しだけネタを割ると、高座ではひしもちさんに子ほめをやらせて、その横に置いた椅子に座ったわん丈さんが「イヤホンガイドの声」をつけていくという趣向。ガイドを目立たせる場面ではひしもちさんが絶妙に声量を落とす。二人の間がぴったり。始まる前に仲入りと勘違いして外に出てしまったお客さんが結構いた。なんで?仲入りのお囃子もなければ幕も下りていないのに。
仲入り
●三遊亭わん丈『五貫裁き』
今年になって深夜寄席で聴かせていただいて、これは進化だ、わん丈第二章突入だなと思ったくらい、いい出来だったのだけど、今夜はそれをまた上回るいい出来。途中寄り道はなくても良かった気もするけど、きちんと戻れるのがまた力だ。一人一人の人物が本当に生き生きしていて魅力的。わん丈さんは本当にこの噺が似合うね。
会を通してみると、わん丈さんの「サービス精神としてのいたずら心」がしっかりと貫かれているのが分かる。
今日の五貫裁きと双蝶々の先にあるのは、やはり品川宿(心中じゃない方ね)だと思う。うん、そんなストリートなんだろう。
まだ先の話ではあるけど、真打昇進披露で聴きたいなあ。