2019年03月18日
末廣亭より大きな箱で 瀧川鯉八独演会 ちゃお4 2019/03/02
2階席使わなかったとはいえ、新宿末廣亭の満席より多い座席が満員。
会場 : 四谷区民ホール
三遊亭金かん『寄合酒』
瀧川鯉八『やぶのなか』
春風亭百栄『浮世根問〜リアクションの家元』
仲入り
瀧川鯉八『いまじん』
瀧川鯉八『サウスポー』
木戸銭2,500円(前売)
瀧川鯉八@koi_hachi昨日は寒いなか瀧川鯉八ちゃおどうもありがとうございました。
2019/03/03 08:58:57
百栄師匠素敵でしたなあ。
たまらん。
またお願いしてもよろしいですか?にも快く承諾してもらいました。
金かんさんも。
次回は7月3日(水)19時30分
渋谷伝承ホール… https://t.co/UtGDVFhx2p
●三遊亭金かん『寄合酒』
うん、達者。きちんとあっためた。●瀧川鯉八『やぶのなか』
まくらの「淡路島で中村仲蔵をやってきた話」がやたらおかしい。とんでもないところからオチが降ってくる。『やぶのなか』はわりと初期の作品で、昔は上下の代わりに微妙に座りなおして、首ではなくて膝を振ることで四人の描きわけをしていたが、いまはふつうに上下で処理している。これも進歩なんだろうな。「メルシャン」のところだけどうしてもいまだに引っかかっちゃうんだけど「まったく会話のない落語」の革新性と凄みはさらに研ぎ澄まされている。●春風亭百栄『浮世根問〜リアクションの家元』
鯉八さんは昔から百栄師のファンであった。ゲストに大好きな人を呼んでお客さんをこんなに集めるのは幸せだろうなあ。意外なところで浮世根問。隠居がキレるところだけがほぼ新作というか、百栄ワールド全開。そのコントラストが凄い。
ここから自作の『リアクションの家元』小太郎さんで聴いたことがある。気持ち悪さvsパニック、怪しい上方言葉、無駄にしっかりした情景描写、さすが。どこを切っても百栄ワールド。
いやぁ、これは凄い作品。
最初に登場する世界では「殿・姫・家臣」これが第二の世界では別の人物・関係になり、これがもう一回ひっくり返る。世界は変わるのに、三人とその会話で構築されていることが変わらない。
仲入り
●瀧川鯉八『いまじん』
本日のハイライト。演目だけ聴いたことがあって、聴いてみたかったネタ。いやぁ、これは凄い作品。
最初に登場する世界では「殿・姫・家臣」これが第二の世界では別の人物・関係になり、これがもう一回ひっくり返る。世界は変わるのに、三人とその会話で構築されていることが変わらない。
虚構内虚構の入れ子構造を多重に展開しながら、まったく無理がない。すんなり面白く聴かせてしまう。会話が全くない『やぶのなか』の後に「会話しかないけど世界の枠組みが変わる」このネタ。とんでもねえや。
それなのにわくわくする。
行先は決まっていてもどこを通っていくのか見えるようで見えないからだ。さらに、なんとなく星新一を思わせる緻密な展開がわくわくを加速させる。爆笑より引き付ける力の豪快さを楽しめる一席で、さらに磨いていけばますます面白くなってしまうだろう。
いい会だった。何しろ満員だったので。
鯉八さん、その才能と、才能に溺れない努力(複数の落語家から「鯉八さんは稽古している。聴けばわかる」との証言を得ている)の蓄積が今まさに開花している。
こんな不思議な噺、「落語」の枠をぎりぎり外れてしまいそうな世界を、末廣亭より多くの座席を満員にするほどの人たちが共有している。客層は本当に多種多様で、若いカップルもいればお年寄りも多い。
鯉八世界がこんなに多くの人に支持されている。
ずっと鯉八さんを聴き続けてきた身として、こんな幸せなことはない。「落語」の概念はこうやって広がっていくのだ。これから、ますます。
●瀧川鯉八『サウスポー』
ネタおろし。最初から完成度が高いのは鯉八さんの特長。三遊亭粋歌さんと鯉八さんはとにかく最初からきちっとできている。奇想天外な前二席に比べると、そんなに「先の見えない」噺ではない。演者自身が繰り返し噺の趣旨を繰り返すので。それなのにわくわくする。
行先は決まっていてもどこを通っていくのか見えるようで見えないからだ。さらに、なんとなく星新一を思わせる緻密な展開がわくわくを加速させる。爆笑より引き付ける力の豪快さを楽しめる一席で、さらに磨いていけばますます面白くなってしまうだろう。
いい会だった。何しろ満員だったので。
鯉八さん、その才能と、才能に溺れない努力(複数の落語家から「鯉八さんは稽古している。聴けばわかる」との証言を得ている)の蓄積が今まさに開花している。
こんな不思議な噺、「落語」の枠をぎりぎり外れてしまいそうな世界を、末廣亭より多くの座席を満員にするほどの人たちが共有している。客層は本当に多種多様で、若いカップルもいればお年寄りも多い。
鯉八世界がこんなに多くの人に支持されている。
ずっと鯉八さんを聴き続けてきた身として、こんな幸せなことはない。「落語」の概念はこうやって広がっていくのだ。これから、ますます。