2018年08月18日
最初から最後まで面白い! 鈴本四月下席夜の部 主任:一之輔 2018/04/28
一之輔師をどうしても聴きたくなって、上野へ。
会場: 上野鈴本演芸場なんとなくリンク入れてみました。
柳家り助『二人旅』
春風亭一蔵『鷺とり 一之輔の由来』
鏡味仙三郎社中 太神楽曲芸
三遊亭歌奴『都々逸親子』
古今亭志ん輔『紙入れ』
ホームラン 漫才
三遊亭天どん『反対俥』
春風亭一朝『片棒(銀まで)』
仲入り
のだゆき 音楽
柳家甚語楼『町内の若い衆』
林家正楽 紙切り(相合傘・ふるさと・鍾馗様)
春風亭一之輔『百年目』
●柳家り助『二人旅』
おおっと。なんかすごい前座が登場。風貌といい語り口といい、平成も終わるというのになんともクラシカル。古き良き前座。しかも二人旅。師匠は柳家海舟師で「り助」は師匠の前座名らしい。●春風亭一蔵『鷺とり 一之輔の由来』
前座をからかいつつ、がっつりと笑いを取りに来る落語協会きっての爆笑派二ツ目。いろんなものの「由来」になる『鷺とり』は何度か聴いているのにそのパワフルな所作・表情にどうしても笑ってしまう。これだけ押しが強くても胃もたれしないのは、一朝一門だからなのかなあ。●鏡味仙三郎社中 太神楽曲芸
安定・安心の太神楽芸、と思っていると、ちょいちょい見たことない芸が入ってくるのでびっくりして、楽しめる。●三遊亭歌奴『都々逸親子』
寄席のどこに出てきてもしっかり仕事する逸材。大好き。都々逸も多分自作を加えていて、これがまたいちいち面白い。いろんな人に薦められる落語家さん。●古今亭志ん輔『紙入れ』
もちろん文句なく面白いんですが、おかみさんが色っぽく身体を身体をゆするシーンが可笑しくて可笑しくて。ここでおかみさんのキャラががっちり固まるので、旦那の間抜けさが際立って、すごいです。●ホームラン 漫才
今までと同じネタでも十分面白いのにテレビ通販を絡めたネタが個人的に始めてて、これがもうツボに入って大爆笑。●三遊亭天どん『反対俥』
天どん師は、とにかくぶれない。まくらから噺まで落語の中に棒が一本ずとーんと入っている。何が起こってもそんなに動じないので安心して奇想天外な展開で攻めてくる。だから反対俥、似合いますねえ。
●春風亭一朝『片棒(銀まで)』
相変わらずのカッコよさ。弟子のトリで仲入り前、しかも満員というのは嬉しいもんなんでしょうね。最後までやってくれなかったのが残念。トリの時に行かなきゃ。仲入り
●のだゆき 音楽パフォーマンス
ほぼ同じネタで聴いたばかりだけど全然無問題。とにかく面白い。センスと楽器のうまさが半端ない。●柳家甚語楼『町内の若い衆』
*久しぶりに聴いたけどやっぱり安心して聴ける柳家の師匠。●林家正楽 紙切り(相合傘・ふるさと・鍾馗様)
あんまり時間なかったのか3つ。奇抜なお題で発想力を楽しむのもいいけど、スタンダードなテーマだと、これはこれて名人芸が楽しめる。●春風亭一之輔『百年目』
「TOKIOじゃなくてよかったです」(山口達也の件ね)などなどのいつもの爆笑まくらを聴きながら、どのネタに入るのか想像するのがまず楽しい。昨日来ていれば『らくだ』が聴けたのになあ、なーんて思いつつ。始まったのが百年目でちょっと驚き。一之輔師の人情噺を生で聴くのは初めて。人情噺なのかな。なんとなくビジネス雑誌の落語特集で「仕事に役立つ落語」によく出てくるなあと(あんまり好きじゃない、ああいうのは。役に立たないから落語なんだと思うから)。
不機嫌顔がめちゃくちゃうまい一之輔師。前半、番頭が店の中を締めつけるシーンがいちいち良い。時代を感じつつ、こういう上司いるよね、という「あるある感」がすごく強い。そして旦那に見つかって、旦那に呼ばれるまで一晩寝られない間に番頭がびくびくしながら妄想するシーンが絶品。ここを聴いて教えてほしいという若手も多いだろう。旦那の人物の大きさも程よく出ていて、なんというか非の打ちどころがない。しかも、ここからさらに熟成させるのだろうという期待感までついてくる。
……というわけで、途中、つまんない人が出てきて、それも流れの一つとして必要なんだよね、というのが寄席というものだと思っていたけど、この日の鈴本は前座からトリまで、まあ全員面白かった。
こんなこともあるんだなあ。
コメント一覧
1. Posted by ますめっど 2018年08月19日 18:30
先日、芸協でかけ橋さんが“二人旅”をやってた。柳家だなぁと思いましたよ?
2. Posted by 4k
2018年08月20日 00:15
おー、聴いてみたいです。