2018年08月05日
前座昇進ラッシュと『阿武松』『人情八百屋』に涙 第217回 立川談四楼独演会 ゲスト桂文字助 2018/04/15
これ、歴史的な写真でしょ。左から桂文字助師・小林のり一先生・立川談四楼師
立川只四楼『親子酒』
立川志ら門『ん廻し』
立川だん子『まぬけ泥』
立川談四楼『浮世根問』
立川談四楼『巌流島』
仲入り
桂文字助『阿武松』
立川談四楼『人情八百屋』
二ツ目昇進おめでとうございます。文句ないでしょう。
達者で面白くてかっこいい。ただ昇進しちゃうと「一番好きな前座」がいなくなっちゃうな。この日の高座もバカ受け。皆さんぜひ応援してあげてください。
立川談四楼 お知らせブログ 10/13 立川只四楼 二ツ目昇進披露目の会
行かないとね。●立川志ら門『ん廻し』
二ツ目昇進おめでとうございます。いい感じではじけるようになってきた。
落語界で唯一トミー・ジョン手術を受けた男。そして当代桂文治師のところを破門になり、立川志らく師に拾われ、昇進の会は元師匠と師匠が共演。素晴らしいね。
この度洪水で大変なことになってしまった愛媛県大洲市出身、応援よろしくお願いいたします。
やっぱり、私は何か完ぺきには、出来ない様でして。。。チラシが足りないと思い、再発注かけたのですが、どうしても、チラシを作るにしても、重要なところが抜けております。【前売り2500円当日3000円】です。※裏面は、取り上げて頂いた、新聞&動画QRコード
— 立川志ら門 (@t_shiramon777) 2018年7月31日
どうぞ、御予約お待ちしております。 pic.twitter.com/ET8OEokIYS
『立川志ら門二つ目昇進披露落語会』
— 立川志ら門 (@t_shiramon777) 2018年7月16日
日時:2018年8月29日(水)
※このお二人の師匠があってこその私であります。私の経緯をご存知の方ならこの意味がわかるはず!この凄さがわかるはず!しくじり野郎を許してもらい。両師匠。出演して頂けることに感謝してめいいっぱいやらせて頂きます‼ pic.twitter.com/n02l07IISW
●立川だん子『まぬけ泥』
こちらも昇進。
寸志さん作のチラシがいいですね。【おっと、新チラシ】と言っても私の会ではありません。私のデザインしたチラシ。妹弟子だん子の二ツ目昇進披露目の会。9/26(水)お江戸日本橋亭。昼公演です。「チケット持って歩いています!」とのことですが、足の骨折であまり歩き回っていないので、どうか皆様だん子を探しあててください。#落語 pic.twitter.com/4UO6m77mQj
— 立川寸志【告知&報告+雑談】 (@tatekawasunshi) 2018年7月19日
●立川談四楼『浮世根問』
国会前デモに出かけた体験談のまくらで盛り上げた後、談四楼師は続けて2席。
まずは前座噺でこれは珍しい。寸志さんの浮世根問はやっぱり師匠直伝なんだろうなあと思いつつ。この噺こんなに面白かったっけとひたすら聴き入ってしまう。談四楼師の技術、半端ないです。
●立川談四楼『岸柳島』
またまた談四楼師の技術が楽しめる噺。渡し船の暢気なリズム、野次馬の無責任、凶悪にして間抜けな武士、実はやることが多い噺をさりげなくまとめ上げる。
ちなみに立川談吉さんの岸柳島は談四楼師譲り。
仲入り
●桂文字助『阿武松』
心配でしたよ。来てくれるのかなって。
《文字助は無事、各位安心されたし》今まさに安否確認に出ようという矢先の連絡で、公衆電話からだった。「電話が壊れちまってよう、オレは何時にどこ行きゃいいんだ?」あれほど何度もと思ったが「15日、18時、北澤八幡」と伝えるも、念には念をと寸志を送迎に頼んだ。さあ各位、その目で生存確認を!
— 立川談四楼 (@Dgoutokuji) 2018年4月14日
そして高座、グッときましたね。
まくらなしでスパッと。阿武松。
言わずと知れた文字助十八番。そして師匠・立川談志の十八番だった、のに、よしゃあいいのに文字助師がケチをつけ、怒った家元「よし俺はもう相撲噺はやらん。お前は相撲噺しかやるな」と残念なことになった因縁の噺。
文字助師が相撲ネタしかやらないので、立川流のほかの落語家は相撲ネタをかけにくくなってしまった。
一方で文字助師も、僕が立川流寄席に通っていたころにはだいたい漫談で、落語はなかなかやってくれなかった。
一度だけ、トリでじっくりと『阿武松』を演ってくれたことがある。直前に亡くなった五代目三遊亭圓楽師に捧げられたものだった。それはそれは美しい語り口で、まるで夢を見ているような高座だった。
家元が亡くなった翌年3月の追善興行(新宿末広亭)で、禁を解くように立川左談次師が掛けた『阿武松』があまりにも素晴らしい出来だった。落語でスタンディングオベーションが起きたのを見たのはこの時だけだ。でも左談次師は納得いかなかったらしく、その後1年くらい何度も掛け続けた(これについては某二ツ目に聞いた面白い説があるのだが、伏せる)。
のちに左談次師はシブラクの高座でも『阿武松』を掛け、若い落語ファンを魅了した。
そして、逝ってしまった。
この日の文字助師の高座が左談次師への追悼と、同時に「俺のほうがうまいぜ」との主張である、というのは僕のただの想像だ。文字助に電話をしたら、いきなり「誰か死んだか?」とご機嫌な声が聞こえた。ムッとしつつ、冷静に左談次の死を告げると「マジか、シャレだろ?」と一調子上がり、私に質問を浴びせかけた。そして「オレより六つも若え。そんなことがあっていいのか。よし、オレは100まで生きる」って訳が分からない。
— 立川談四楼 (@Dgoutokuji) 2018年3月22日
話を戻す。
文字助師、最近の相撲については語りたいことが山ほどあったはず、しかしそこを堪えて(これも想像)まくらなしでスパンと入った。
もうね、語り始めただけで痺れた。
満座の客がすーっと高座に吸い込まれていた。
貴乃花親方問題、土俵と女性の問題等、相撲に関して言いたいことは山ほどあったはずだが、歯が一本もなく洞穴のような口をした文字助は「京橋の観世人道に--」といきなり『阿武松』に入った。久々の高座なのに、いいんだこれが。是非これを知らしめたいと、文字助のマネージャーになろうと決意した晩。
— 立川談四楼 (@Dgoutokuji) 2018年4月16日
流麗で限りなく心地よい江戸言葉、さっぱりと江戸前ながら人物の了見がジワリしみ込んでくる台詞。
ただただ酔いしれた。
●立川談四楼『人情八百屋』
とはいえプロデューサーではあるがマネージャー役で収まる談四楼師ではない。
まくらで軽く文字助師をいじって(ここでご本人乱入はお約束)から、人情八百屋。
これも家元・談志の名演で有名なネタ。
知る限りではあるが、いま聴くなら談四楼師、ついで立川談修師。談修師経由で三遊亭朝橘師。
僕が談四楼師で聴くのは何度目になるのか。何度聴いても泣く。
親切が仇になる残酷さと、血のつながりを超えた親子の情、鳶と八百屋の友情。この友情に、談四楼師ご自身と文字助師との関係を見るのはうがちすぎか。
まあしかし、限りなく贅沢な夜であった。4月15日が日曜日で、北澤に足を運べたことを談四楼師に感謝しなければ。
で、文字助師、最近どうしてるんですかね。
次回219回は2018年8月15日18時より北澤八幡にて。今年も下北沢の喧騒を避けて、池ノ上からとぼとぼ歩いて伺う予定。なんと、井上新五郎正隆先生の新作がかかるらしいですよ。
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でそんな時「なんであの時落語協会で真打を見送られたんだろう」って思ったりする。