2018年08月05日

前座昇進ラッシュと『阿武松』『人情八百屋』に涙 第217回 立川談四楼独演会 ゲスト桂文字助 2018/04/15


これ、歴史的な写真でしょ。左から桂文字助師・小林のり一先生・立川談四楼師IMG_20180415_214914


立川只四楼『親子酒』
立川志ら門『ん廻し』
立川だん子『まぬけ泥』
立川談四楼『浮世根問』
立川談四楼『巌流島』

仲入り

桂文字助『阿武松』
立川談四楼『人情八百屋』


●立川只四楼『親子酒』
二ツ目昇進おめでとうございます。文句ないでしょう。
達者で面白くてかっこいい。ただ昇進しちゃうと「一番好きな前座」がいなくなっちゃうな。この日の高座もバカ受け。皆さんぜひ応援してあげてください。

立川談四楼 お知らせブログ 10/13 立川只四楼 二ツ目昇進披露目の会

行かないとね。


●立川志ら門『ん廻し』
二ツ目昇進おめでとうございます。いい感じではじけるようになってきた。
落語界で唯一トミー・ジョン手術を受けた男。そして当代桂文治師のところを破門になり、立川志らく師に拾われ、昇進の会は元師匠と師匠が共演。素晴らしいね。
この度洪水で大変なことになってしまった愛媛県大洲市出身、応援よろしくお願いいたします。



●立川だん子『まぬけ泥』
こちらも昇進。 寸志さん作のチラシがいいですね。


●立川談四楼『浮世根問』
国会前デモに出かけた体験談のまくらで盛り上げた後、談四楼師は続けて2席。
まずは前座噺でこれは珍しい。寸志さんの浮世根問はやっぱり師匠直伝なんだろうなあと思いつつ。この噺こんなに面白かったっけとひたすら聴き入ってしまう。談四楼師の技術、半端ないです。


●立川談四楼『岸柳島』
またまた談四楼師の技術が楽しめる噺。渡し船の暢気なリズム、野次馬の無責任、凶悪にして間抜けな武士、実はやることが多い噺をさりげなくまとめ上げる。

ちなみに立川談吉さんの岸柳島は談四楼師譲り。


仲入り


●桂文字助『阿武松』
心配でしたよ。来てくれるのかなって。
そして高座、グッときましたね。
まくらなしでスパッと。阿武松。

言わずと知れた文字助十八番。そして師匠・立川談志の十八番だった、のに、よしゃあいいのに文字助師がケチをつけ、怒った家元「よし俺はもう相撲噺はやらん。お前は相撲噺しかやるな」と残念なことになった因縁の噺。
文字助師が相撲ネタしかやらないので、立川流のほかの落語家は相撲ネタをかけにくくなってしまった。

一方で文字助師も、僕が立川流寄席に通っていたころにはだいたい漫談で、落語はなかなかやってくれなかった。

一度だけ、トリでじっくりと『阿武松』を演ってくれたことがある。直前に亡くなった五代目三遊亭圓楽師に捧げられたものだった。それはそれは美しい語り口で、まるで夢を見ているような高座だった。

家元が亡くなった翌年3月の追善興行(新宿末広亭)で、禁を解くように立川左談次師が掛けた『阿武松』があまりにも素晴らしい出来だった。落語でスタンディングオベーションが起きたのを見たのはこの時だけだ。でも左談次師は納得いかなかったらしく、その後1年くらい何度も掛け続けた(これについては某二ツ目に聞いた面白い説があるのだが、伏せる)。

のちに左談次師はシブラクの高座でも『阿武松』を掛け、若い落語ファンを魅了した。
そして、逝ってしまった。
この日の文字助師の高座が左談次師への追悼と、同時に「俺のほうがうまいぜ」との主張である、というのは僕のただの想像だ。

話を戻す。

文字助師、最近の相撲については語りたいことが山ほどあったはず、しかしそこを堪えて(これも想像)まくらなしでスパンと入った。
もうね、語り始めただけで痺れた。
満座の客がすーっと高座に吸い込まれていた。



流麗で限りなく心地よい江戸言葉、さっぱりと江戸前ながら人物の了見がジワリしみ込んでくる台詞。
ただただ酔いしれた。



●立川談四楼『人情八百屋』
とはいえプロデューサーではあるがマネージャー役で収まる談四楼師ではない。
まくらで軽く文字助師をいじって(ここでご本人乱入はお約束)から、人情八百屋。
これも家元・談志の名演で有名なネタ。
知る限りではあるが、いま聴くなら談四楼師、ついで立川談修師。談修師経由で三遊亭朝橘師。

僕が談四楼師で聴くのは何度目になるのか。何度聴いても泣く。
親切が仇になる残酷さと、血のつながりを超えた親子の情、鳶と八百屋の友情。この友情に、談四楼師ご自身と文字助師との関係を見るのはうがちすぎか。


まあしかし、限りなく贅沢な夜であった。4月15日が日曜日で、北澤に足を運べたことを談四楼師に感謝しなければ。


20180415談四楼独演会

談四楼独演会
で、文字助師、最近どうしてるんですかね。

次回219回は2018年8月15日18時より北澤八幡にて。今年も下北沢の喧騒を避けて、池ノ上からとぼとぼ歩いて伺う予定。なんと、井上新五郎正隆先生の新作がかかるらしいですよ。

m_shike at 20:30コメント(2)落語 | 生落語感想 

コメント一覧

1. Posted by ますめっど   2018年08月18日 16:01
いつ日記とかで読んでも、談四楼師匠の会は味がある。
でそんな時「なんであの時落語協会で真打を見送られたんだろう」って思ったりする。
2. Posted by 4k    2018年08月18日 17:14
談志に反感を持っていた人たちの仕業だ、というのが定説になっていますが、どうなんでしょうね。僕はあの時試験に落ちてなかったら、談四楼師は本を書いただろうか、というあたりに時々興味が行きます。

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