2018年06月03日
浪曲名調子としっとり芝浜 第七回西神田寄席 2018/02/24
談四楼師とこはるさんで毎年開催。ゲストのだゆきさん。豪華。
会場 : 神保町区民館
立川只四楼『幇間腹』
立川こはる『松竹梅』
立川談四楼『授業中』
のだゆき 歌とピアニカ
立川談四楼『芝浜』
●立川只四楼『幇間腹』
誰がどう聴いても兄弟子・寸志さん直伝。うまく自分のものにしつつある。二ツ目昇進が待ち遠しいね。●立川こはる『松竹梅』
とにかく、こういう「おっちょこちょいのそそっかしい若者」をやらせたら、こはるさんは天下一品なのな。さらっと入れてくるオリジナルのクスグリも、小気味よくスパンスパンはまる。●立川談四楼『授業中』
テキスト時事ネタを絡めたまくらから、なんと三遊亭圓歌師の大ヒット作ですよ。これがまた実にいい。先生の訛りっぷりと、浪曲のところがもう最高。圓歌師の凄いところは「浪曲の節」と「落語の台詞」を自由自在に切り替えできるところなんだけど、談四楼師はこれが完璧。
浪曲師との共演も多い談四楼師だが、ここまで唸れる方だったとは、不覚にして知りませんでした。そして客席の盛り上がりが、まあ凄いこと凄いこと。なんでも主催者からのリクエストだそうで、大当たりでした。
仲入り
●のだゆき『歌とピアニカ』
お名前はかねがね。聴いたのは初めて。面白いです。これは面白い。つかみの「象さん」からピアニカ・リコーダーと高度なテクニックでひたたすらくだらないパフォーマンス。他の芸人と被らず邪魔せず、色物芸として完成されている。これは寄席の戦力だわ。
団体が違うんだけど、マグナム小林先生と共演してくれないかなあ。
●立川談四楼『芝浜』
最後は人情噺でしっとりと。談四楼師の芝浜はなんといっても展開の自然さ・丁寧さがいい。初めて聴いた人の頭の中に疑問符を残さない。自然描写も程よく美しく(しつこすぎない)、勝五郎も程よく馬鹿で(乱暴すぎない)、おかみさんも賢くなり過ぎず、すんなりとお客の心に入ってくる。しかしまあ、なんという豪華な地域寄席だろう。今年は予約が少なめだと思っていたら後からどんどん押しかけてきて、結局お膝送りをお願いする盛況。いい会でございました。
西神田はいい街ですな。