『シェアする落語』次回は7/7です。

2018年01月22日

天駆ける道中付けに泣く 立川談四楼独演会 第215回 2017/12/15


ゲストの春蝶師が聴きたいと思って駆け付けて、やっぱり忙しくて間に合わない!と思ったら、なんと春蝶師がトリだった。

ということで春蝶師しか聴いていません。談四楼師の独演会なのに。

立川笑ん『小町』
立川只四楼『真田小僧』
立川かしめ『狸札』
立川談四楼『芝浜』

仲入り
ここから入場

桂春蝶『ニライカナイで逢いましょう〜ひめゆり 学徒隊秘抄録〜』
談四楼師の芝浜聴きたかったなあ。


●桂春蝶『ニライカナイで逢いましょう〜ひめゆり 学徒隊秘抄録〜』
長講のあたま、まくらでまずガツンとくる。
少年時代の春蝶師ご自身と、桂枝雀師と父である先代春蝶のエピソード。
詳細の記述は避けるが、とにかくガツンと来る。「命とは何かを考える」理由がここに打ち込まれる。

噺に入ると、これがすさまじいほどの情報の嵐。いったいどれだけの取材を重ねたのか。一つ一つの情報を丁寧に拾い上げ、繋ぎ合わせることで、春蝶師は沖縄の悲劇をいまここにいる僕らの時空にぎっちりと結びつける。

ひめゆり学徒隊の少女たち、その先生たちのキャラクターも見事に描き分けられ。鹿屋海軍航空基地のパイロットたちの人物も魅力的。上官に、まさかの金子信雄。この人だけがオーバーアクト気味に演じられて、いいアクセントになっている。

なかでも感動的だったのは、二機の特攻機が沖縄へ向かうシーン。ここで春蝶師は、上空から見える島の名前を連呼することで、緊張感ある出撃を描いて見せるのだ。

これは「道中付け」だ。緊迫した空の道中付けこそが、愛し合う二人の運命がクロスするクライマックスへと繋がっていくのだ。このシーンは、本当にしびれた。

70分は決して長く感じられなかったが、もう少し会話を削った濃縮版を聴いてみたい気もする。とはいえ、おそらくは丁寧な取材に基づく無数の一次情報、その価値を考えると、難しいかなあ。




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m_shike at 09:30コメント(2)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント一覧

1. Posted by ますめっど   2018年01月25日 06:38
春蝶さんのヤツ、一度聴きたいんですよね。
2. Posted by 4k    2018年01月27日 11:49
これはたぶん、何度も再演していくことになると思います。

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