『シェアする落語』次回は7/7です。

2017年11月14日

唄と批評と明るさ 寸志ねたおろし! 立川寸志 2017/09/18 


真打の独演会でも、なかなかここまで充実はしないんじゃないか?

それくらいのレベル、しかも毎回。
二ツ目・寸志さんのネタおろし。

立川談洲『蝦蟇の油』
立川寸志『釜泥』
立川寸志『芝居の喧嘩』

仲入り

立川寸志『居残り佐平次』


●立川談洲『蝦蟇の油』
改作。やりたいことは分かるが力量がまだ伴わないのが立川流の前座っぽい。
でもその意気やよし。あとは稽古だ稽古。


●立川寸志『釜泥』
まくらの辺りからすでにこの落語面白くなるぞとわくわくさせてくれる。噺に入るとやはり独自のくすぐり(今回は立川流がらみ)が強いボクサーのジャブのようにじわじわ効いてくる。裏には鋭い批評性を孕みながら、決して軽快さが失われないのが寸志さんの凄いところ。


●立川寸志『芝居の喧嘩』
落語家と講談師の違いについて語るまくらがいい。なにしろこの釈ネタは講談のパロディなのだ。神田松之丞さんがそう言ってた。
芝居小屋の中での荒くれ者たちの芝居かかったやりとりと、それを楽しむ客の無責任なセリフ一つ一つが一連の歌としてグルーヴする、いつもの寸志落語の楽しさはここでも。
(ご本人は「トラップだらけの噺で、何度もかんだ」と仰っていったが、全然気が付かなかった。


仲入り


●立川寸志『居残り佐平次』
しかし本当にネタおろしなのかな。と疑いたくなる見事な語り口。
人物ひとりひとりの造形はもちろん、品川の描写がいい。たとえば刺身一つとっても見えてくるようなのですよ。
特に主人公佐平次の立ち振る舞いの軽さ、花魁が来ないで怒っている客をいなして祝儀をせしめる名人芸(ここで刺身出てくる)のくだりについては、唸りました。
歌っぽさと噺の本質に切り込んで新しい価値を引っ張り出す批評性はここでも健在、そして、明るい。難しくならない、重くならない。

ここからさらに進化していくかと思うと楽しみだなー。


寸志さんで聴きたい噺が多すぎる。ねたおろしばかり聴いているからか。
次回は。11/18、今度の土曜日ですよ。
20171107_006

tatekawasunshi.com



m_shike at 23:15コメント(0)落語 | 立川寸志 このエントリーをはてなブックマークに追加

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