2016年10月22日
「三越」らしい贅沢さ 三越落語会 2016/09/29
「三越」のブランドイメージからか、なんとなく敷居が高くて敬遠していた落語会。圓橘師・談四楼師共演!、しかも鯉昇師も!
ということで前売り購入して駆け付けた。
三遊亭歌むい『饅頭怖い』
柳家はん治『鯛』(作:桂三枝)
立川談四楼『三年目』
三遊亭圓橘『包丁』
仲入り
瀧川鯉昇『蒟蒻問答』
柳家小三治『出来心』
●三遊亭歌むい『饅頭怖い』
おおっと、さすが歴史ある落語会。前座は開演時間前に喋る寄席方式だった。おかげでほとんど聴けず。
でもなんかよかったように思う。
●柳家はん治『鯛』(作:桂三枝)
でもなんかよかったように思う。
●柳家はん治『鯛』(作:桂三枝)
どうも声が小さい気がして(それが持ち味であり、ファンが多いことも知りつつも)はん治師は苦手だったのだが、まーこれがめっちゃくちゃ面白い!。
三枝(もちろん当代文枝師)ギャグの一つ一つがピシピシ決まる。このホールの音の良さがはん治師の良さを引き出したような気がした。他の三枝創作落語もはん治師でぜひ聴いてみたい。
●立川談四楼『三年目』
三枝(もちろん当代文枝師)ギャグの一つ一つがピシピシ決まる。このホールの音の良さがはん治師の良さを引き出したような気がした。他の三枝創作落語もはん治師でぜひ聴いてみたい。
●立川談四楼『三年目』
おそらく談四楼師の持ちネタの中では一番聴いているのではないかと思われるが、毎回笑っちゃう。まくらにもくすぐりにもいくつかパターンがあるので、今日はどれで来るのかなと期待していると、新しいパターンがあったりして、なかなか飽きない。若いころ結婚式の司会でいろんな経験をされている談四楼師、まだまだ引き出しがあるんだろうな。
●三遊亭圓橘『包丁』
●三遊亭圓橘『包丁』
前からずっと聴きたかったのですよ圓橘師の包丁。
「三年目・包丁・蒟蒻問答と、奇しくも六代目三遊亭圓生の得意ネタが並びまして、マコトニドウモコノ……」と物真似でまず爆笑。後はもうただただ噺の世界にどっぷりと。特に歌が入るところはほんとうっとりするし、歌いながら迫って清元の師匠にひっぱたかれる寅がもう最高。もう一回聴きたいなあ。
「三年目・包丁・蒟蒻問答と、奇しくも六代目三遊亭圓生の得意ネタが並びまして、マコトニドウモコノ……」と物真似でまず爆笑。後はもうただただ噺の世界にどっぷりと。特に歌が入るところはほんとうっとりするし、歌いながら迫って清元の師匠にひっぱたかれる寅がもう最高。もう一回聴きたいなあ。
仲入り
●瀧川鯉昇『蒟蒻問答』
大好きなんですが、ほんと久しぶり。
座布団に座って何も言わずに顔だけで笑いをとるのはいつものことだけど、そこからの第一声が凄かった。
「●●●●です」。ああ、書けない。書けないけどこの一言で爆発的に受けて、さらにこの続きで客一同腹を痛めて笑ったことだけ記録しておきたい。
噺の方はもちろん見事なもので、細かいところで台詞を削ってリズムを作りつつ、もちろん独特のギャグもすっと入ってくる。ああ、もっと聴いていたかった。独演会行かなきゃ。
●柳家小三治『出来心』
正直に申し上げますが、わたくし初小三治でした。
だってチケット取ったり寄席の前で並んだりするの面倒で。
高田馬場の異臭騒ぎから子供のころの蛇の話、なるほど、これが噂のまくらか。
そして出来心。あまりトリネタという感じではない、が。
面白い。
取り立てて鋭いギャグを加えているわけでもないのにセリフの間と強弱だけでもちゃんと笑いが取れる。とくに「裏は花色木綿」このセリフの抑揚がほんとに素晴らしい。なるほど人間国宝の本寸法とはこういうものか。
力強いスタンダードを聴かせてもらった。
と同時にこういう本寸法があるからこそ、たとえば立川笑二さんの自由奔放な『出来心』なんかも輝くのではないか。「留守ですかー罠ですかー」「裏も花色木綿なら、それはもう花色木綿」と、素敵なギャグが連発されていて大好きなのだが、改めてまた聴いてみたいなあ。
と訳もなくそんなことを考えた。
というわけで四派の実力派が集う三越落語会、大変気に入ったのでまた来たいのだが、チケットとるのはやっぱり大変なんだろうなあ。
座布団に座って何も言わずに顔だけで笑いをとるのはいつものことだけど、そこからの第一声が凄かった。
「●●●●です」。ああ、書けない。書けないけどこの一言で爆発的に受けて、さらにこの続きで客一同腹を痛めて笑ったことだけ記録しておきたい。
噺の方はもちろん見事なもので、細かいところで台詞を削ってリズムを作りつつ、もちろん独特のギャグもすっと入ってくる。ああ、もっと聴いていたかった。独演会行かなきゃ。
●柳家小三治『出来心』
正直に申し上げますが、わたくし初小三治でした。
だってチケット取ったり寄席の前で並んだりするの面倒で。
高田馬場の異臭騒ぎから子供のころの蛇の話、なるほど、これが噂のまくらか。
そして出来心。あまりトリネタという感じではない、が。
面白い。
取り立てて鋭いギャグを加えているわけでもないのにセリフの間と強弱だけでもちゃんと笑いが取れる。とくに「裏は花色木綿」このセリフの抑揚がほんとに素晴らしい。なるほど人間国宝の本寸法とはこういうものか。
力強いスタンダードを聴かせてもらった。
と同時にこういう本寸法があるからこそ、たとえば立川笑二さんの自由奔放な『出来心』なんかも輝くのではないか。「留守ですかー罠ですかー」「裏も花色木綿なら、それはもう花色木綿」と、素敵なギャグが連発されていて大好きなのだが、改めてまた聴いてみたいなあ。
と訳もなくそんなことを考えた。
というわけで四派の実力派が集う三越落語会、大変気に入ったのでまた来たいのだが、チケットとるのはやっぱり大変なんだろうなあ。
コメント一覧
1. Posted by ますめっど 2016年10月23日 01:01
ワタクシもあまり小三治師匠見てないですね。
近年では「もう扇橋師匠は最後かも」と思って行った浅草の寄席。
もう一回はワタクシの人生初落語の地元の区の公会堂。
その時は目当てが円丈師匠に彦六師匠。
「小三治も出てる」くらいの失礼な感覚で言っておりました。
浅草では“厩火事”
地元の時は“宿屋の富”
をやりましたね。
特に“宿屋の富”は柳家の本寸法だなぁ、なんて聞いた覚えがあります。
近年では「もう扇橋師匠は最後かも」と思って行った浅草の寄席。
もう一回はワタクシの人生初落語の地元の区の公会堂。
その時は目当てが円丈師匠に彦六師匠。
「小三治も出てる」くらいの失礼な感覚で言っておりました。
浅草では“厩火事”
地元の時は“宿屋の富”
をやりましたね。
特に“宿屋の富”は柳家の本寸法だなぁ、なんて聞いた覚えがあります。
2. Posted by 4k
2016年10月23日 11:39
彦六師いちど生で聴きたかったですねえ。
3. Posted by ますめっど 2016年10月23日 12:35
ワタクシ頑張って見た半月後が最後の高座だったと後から知りましたね。
最晩年の“中村仲蔵”でありました。
最晩年の“中村仲蔵”でありました。