2016年04月03日

総合芸術としての落語に止まらない涙 吉坊らくごと四季のある家 第三幕 2016/04/02


少し花冷えのする土曜日、吉坊さんの落語を求めて上野桜木。
会場はこちら。
平櫛田中邸(たいとう歴史都市研究会)
アトリエだった部屋が程よい大きさの落語会会場に。外光を入れるために大きな窓があり、天井が高い。そしてちゃんと高座を照らすライトもあって、とてもいい。うらやましい。ただしトイレは使いにくいので、あまり使わないほうがいいとのこと。この件について主催者からメールで連絡があった。なんという丁寧さ。

 
雷門音助『権助魚』
桂吉坊『七度狐』

仲入り

桂吉坊『ツメ人情』


小さな折り畳み式の見台、膝隠しは省略。下座に恩田えり師匠が入って、太鼓も二ツ、笛は多分吉坊さん。というわけで二番太鼓がとても華やか

●雷門音助『権助魚』
羽織姿もどんどん様になってきて頼もしい。
この日は浅草演芸ホールから駆け付けたとか。ちょいちょいミスはあったけど、音助さんらしい「普通にやって面白い」高座が楽しめた。


●桂吉坊『七度狐』
その口調、リズムの良さはまくらから楽しませてくれる。100%上方落語でありながら関東者にもとても分かりやすいのはなんでだろう。
思えば、僕が初めて吉坊さんを聴いたのは2011年11月23日の経堂さばのゆで、当日、逝去が発表された
家元立川談志にまつわる思い出話を今でも鮮明に覚えている。ネタはこの『七度狐』で、このときも下座でえり師匠が入っていたような気がする。

そう、ハメモノが入ると「上方だなあ」と嬉しくなるんだよね。噺とのはタイミングがピタッと合うとこれまた。
伊勢音頭も入って、大変に楽しい高座。


仲入り


●桂吉坊『ツメ人情』(作:小佐田定雄)
二席目は新作。小佐田先生が吉坊さんのために書いたものだそう。題材は文楽。

人形浄瑠璃文楽について、僕の知識はほぼゼロだ。主役級の人形は三人で操る(「三人遣い」)ことすら知らなかった。

それが、

吉坊さんの巧みな誘導によって、文楽の、それも舞台裏の世界を堪能できるのだからすごい。人形がどうやって保管されているかなんて想像すらしたことないのに、その姿が見えてくる。ダメな人形遣いをこっそり応援する「ツメ人形(1人で操る端役の人形)」たちの会話にのめり込んでしまう。ゲラゲラ笑いながら。

噺は後半急転し、悲劇的な展開が待っている。これがまたほんとによくできた筋になっていて、人形と人形遣いの心情が胸を打ち、流れる涙を止めるのも忙しないほど。

何より素晴らしいのは、これが落語だからこそ素晴らしい作品になっていること。
たとえば映像化したって、文楽の人形が夜中にあれこれ相談している所なんて、滑稽より先に人形が喋る違和感が先に来るので、味わいが全然違ってきてしまう。

この素晴らしい建物のなかで、小佐田先生の創作を吉坊さんが語り、三味線が、拍子木が入るからこその楽しさと感動なのである。文楽にも歌舞伎にも負けない総合芸術としての落語がここにあった。素晴らしい。

感動はさらに、もうひとつあった。

終演後、主催者の方が高座の裏にある窓を開けると、





忘れられない落語会になった。
出演の皆さん、主催のサイトウケイさん、本当にありがとうございました。

※文楽の人形については、このへんがご参考になるかと。

 文楽超入門 (2) 国立文楽劇場の舞台裏に潜入! - 江戸のきゃうげんづくし



m_shike at 21:20コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 

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